紅鯨

ノベルバユーザー162616

フリー

大手お笑い事務所みたいに100万円を用意して養成所に入ってお笑い芸人のプロになるのが一般的らしい。嘘っぽいが。手塚がスマートフォンで検索した結果がこれである。マリは俺の部屋でお笑いのDVDを観て笑っている。手を叩きながら楽しそうに。
「マリ、ちょっといいか?」普通のトーンでマリに訊く。「あっくんこのDVD凄い面白いよ!あっ、これあっくんのDVDだったね、えへへ。」マリは今観ているDVDの話をしたかったみたいだが。咳払いをする手塚。
「あっくん何だった?」マリは笑顔で手塚に言う。
「大手お笑い事務所に入って養成所に1年間通ってプロのお笑い芸人になるっていう道を選ぶとお金が大体どこも100万円はかかるんだ。」
真剣に話す手塚。真剣に聞くマリ。「ふむふむ。」
「で、その道はNGだ。お金がかかりすぎるのと1年通わないといけないという時間的デメリットこの二つがこの話を断る理由だ、そこまではいいか?」丁寧に話す手塚。マリは「じゃあどうしよっか?あっくん?」
考える手塚。この話をNGにしたはいいがお笑い芸人になるにはどうしたらいいか。
マリは笑顔で「あっくん!今のDVDに出ていたお笑い芸人さんは事務所に所属していなくて個人、つまりフリーで全部自分達で活動してるコンビらしいよ!ってことは爆笑漫才コンクールみたいな賞レースにはプロアマ問わずって書いてあったから私達フリーでやってかない?」
手塚はなるほど、とマリに感心してしまった。とりあえず俺たちの目標は爆笑漫才コンクールで優勝する事だから、無理に100万円用意して大手お笑い事務所に入って養成所に1年間行かなくてもいいんだ!
早速紅鯨の二人はフリーで活動しようとなったがやっぱりお笑い芸人ていざなるとなると何をすればいいかわからない二人であった。

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