能力執事大陽輝の非日常

ポカタキ

プロローグ(説明) 他視点side

彼の一日


?「…………暑そうだな~…」

彼の視線の先には灼熱地獄____いや、真夏で火照った道路と人々がいた。道路は触れれば燃えてしまいそうなほど陽炎が立ち上ぼり、陽炎を通してみると空間が歪んで見える。人々は真夏の定番のアイテムとも言える日傘とハンカチを手に汗を流し、太陽と必死に戦っている。

だが、彼は汗は流しておらず定番アイテムも持っていない。なぜなら灼熱地獄で苦しむ人々を高みの見物といわんばかりに涼しい場所で眺めていたからだ。定番アイテムではなくモップを持って。

その人物は大陽輝、26歳。ただいま彼は執事喫茶の店員の一人として掃除を任された。日頃の掃除はお迎えする側として失礼のないように毎日綺麗にされていて、暇さえあれば皆床を使い古され黒くなっているモップで拭いている。

意味のない作業なんてないんだよ?だから毎日掃除することは意味がある

とオーナーが言っているがいつも無駄としか言いようがない。そこそこ賑わいのある店内に散らかし、クレーマー、近所のおばちゃん、子供……。勝手に誰かが(主にオーナー)店に入れてくるため泥で汚れ落書きされ食い散らかされ、拭いても拭いても出てくるゴミ、ゴミ、ゴミ……そんなの、やっても意味がない。朝早くオーナーの次に誰よりも来て掃除をしているが毎日やるのはさすがに限界がある、いくら輝が掃除好きでもルールを決めた本人がつれてきているのでは無理もないこと。俺が掃除したんだよね? うん。 なにやってるの?オーナー? 知らない。 毎日この自問自答の繰り返しは朝早くから午後まで続く。

ストレスのたまるある意味ブラックな仕事を終えると執事喫茶の近くにあるスーパーで買い物を済ませ家に帰る。ドアを開ければ

新夏「おかえり!ポカ兄」

帰ってきて早々大声で出迎えるのは大陽新夏、輝の妹で七つ違い。ポカ兄というのは無論輝のことであだ名の由来は不明。働けるのにも関わらず働かないためニートと呼ぶべきか迷っている。

マキ「おせぇんだよ、いつもいつも」

腕をくんでギロリと下から輝を睨み付けるのは十歳にも満たない女の子、マキ。訳もなく居候している。親はいないらしい。口がとにかく悪く、可愛いげがない。優しい輝も口が悪いだけでは居ても良いが、態度が悪くてはどうも気に障る。そして生意気なのでガキンチョと呼ぶべきだと思っている。

輝はこの二人の大黒柱、そして両親代わり。輝たちも両親がいない。輝はニートとガキンチョに世話を焼かせられながら養っている。

そんな毎日。




輝達は非能力者から離れ能力者だけで構成されたアビリティシティ(能力街)に住んでいる。非能力者と能力者はお互いひどく嫌っているようだ。能力街で非能力者が産まれれば非能力者の元へ送られ非能力者は能力者から産まれた子供というだけで能力者を親にもつ非能力者は幸せな人生を送れないでいる。もちろん、そんな対立があるからこそ事件が耐えない。発端の矛先は輝の働く執事喫茶、細かく言うなら輝に向けられるのだ。そしてこのあとも、沢山の人に巻き込まれながら毎日が非日常と化しているアビリティシティで事件を解決していく。

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