変わってゆく僕

みどり。

第五話 出てけ

何も言えなかった。目から涙がこぼれ落ちそうだった。
「そうだよね。私なんて死んだほうがいいよね。嘘ついてごめんね。先、帰るね。」
そう言って立ち去った。泣きたかった。
本当のことを言ったのに。舞ちゃんに嘘なんてついた事ないのに。
「大っ嫌い」って。「死ねば?」って、「嘘つき」って。人間って、そういうものなのかな。
私って、みんなに嫌われてるのかな、死ねばいいのかな。嘘つきなのかな。
家に帰ってみたけど、やっぱり喧嘩は続いている。でも今日はどこか静かだ。
ちょっと安心した。このまま終わってくれればいいのにって思った。
静かながらもお母さんの声がきこえてきた。つい、耳を澄ましてきいてしまった。
「出てけ」

「エッセイ」の人気作品

コメント

コメントを書く