変わってゆく僕
第二話 失われてゆく日々(二章)
「はさみ持ってきて」
あまりにも冷静すぎた声に、私達四人兄弟は、従うしかなかった。長男の剣太は、言われたとおりはさみをお母さんに渡した。
まさかと思った頃にはもう遅かった。お母さんはお父さんへのプレゼントに買ったジーンズを細かくチョキチョキと切り始めた。
何も思わなかった。何も思えなかった。
ただずっと、見つめることしかできなかった。手が震えた。
しばらくして、お母さんが細かく切り刻んだジーンズをごみ箱に投げ捨てた。その時やっと、「恐い」って思った。
涙を抑えて、急ぎ足で部屋に戻った。すぐに耳を塞いで押入れに潜りこんだ。
泣けなかった。目を閉じた。
隣の部屋から大きな物音がした。何が起こってるのか、分からなかった。
なにも考えないようにした。ただじっと、静かに耳を塞いで終わるのを待ってた。
あまりにも冷静すぎた声に、私達四人兄弟は、従うしかなかった。長男の剣太は、言われたとおりはさみをお母さんに渡した。
まさかと思った頃にはもう遅かった。お母さんはお父さんへのプレゼントに買ったジーンズを細かくチョキチョキと切り始めた。
何も思わなかった。何も思えなかった。
ただずっと、見つめることしかできなかった。手が震えた。
しばらくして、お母さんが細かく切り刻んだジーンズをごみ箱に投げ捨てた。その時やっと、「恐い」って思った。
涙を抑えて、急ぎ足で部屋に戻った。すぐに耳を塞いで押入れに潜りこんだ。
泣けなかった。目を閉じた。
隣の部屋から大きな物音がした。何が起こってるのか、分からなかった。
なにも考えないようにした。ただじっと、静かに耳を塞いで終わるのを待ってた。
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