ボクの完璧美少女な弟子は変態すぎて手に負えません(笑)
新キャラは日本語が不慣れなようです(美)
今日はもう始業式。
終わってみれば、夏休みなど一瞬のようだったかのように感じる。
今日のボクの学校へ向かう足取りは、鉛よりも重かった。
もちろん課題が中途半端に手をつけただけで終わっていないからという点もあるが、他にも問題があるのだ。
それは一日で課題を終わらすと、やる気のあった昨日の昼前のこと。
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とりあえず簡単なものから終わらせていこうと、英単語プリントを書いていた時のことだった。
充電していたケータイから着信音が鳴り、ボクは作業を中断してメールの内容を見る。
<悪いハル。今からこの喫茶店に来てくれないか?事情は後で説明するから!>
メールを送って来たのは、ボクの友人の桐島 光一だった。
メールには地図の画像も添付されていて、その喫茶店が家から近くだったこともあり、休憩がてら行くことにした。
「おっ、きたきた。おーいこっちだぞ、ハル」
喫茶店に着くや否やきょろきょろと辺りを見渡すボクに、桐島は手を振ってテーブルに呼んできた。
「おう。あ、どうも」
テーブルには桐島だけでなく、一人の少女も相席しており、ボクが軽く会釈をすると少女もまたあどけない笑顔で会釈を返してくれた。
桐島はなんだか焦った様子で、もう氷しか入っていないコップの中身をストローでずずーっと啜る。
少女は北欧かどこかのハーフなのだろう、大きな青い瞳と金髪に白い肌がとても印象的だった。
ボクがそんな少女に見惚れていると、桐島はいきなり話を切り出した。
「それで、なんで今日ハルにここへ来て貰ったのかなんだけど実は」
と、言いかけたところで、喫茶店の入り口から入ってきた桐島の彼女、佐藤 美穂の声に阻まれた。
「光一!これは一体どういうことなのか説明してもらおうじゃないの」
すごい剣幕でズカズカとテーブルに来た佐藤さんは、ボクの存在に気づき目を丸くした。
「あれっ?なんでここに九重君がいるわけ?」
「いやそれはボクもわか、むぐっ」
ボクはわからないと言おうとした途中で、桐崎に強引に口を塞がれた。
「い、いやー偶然だねー美穂。どうしたのこんなところで?お茶でもしに来たの?」
桐島はひたいに冷や汗を浮かべながら、鬼の形相の佐藤さんに応対する。
「私は光一のケータイに女の子と今度会おうとか言いた文章を見つけたから乗り込んで来たのよ」
「そ、それは誤解だよー、なっ、ハル!そうだよな。なっ」
「まあ、そうですかね」
   ボクはこの場の空気を読んで、適当に同調する。
   すると、佐藤さんは標的を変えて桐島に問いただした。
「ふーん、じゃあその子はどう言った経緯でここにいらっしゃる訳なのかしら?」
「そ、それは彼女がね、俺らに相談があるからって」
桐島の言い分に、少女は困った表情になりながらも頷く。
「でもあたしに内緒で女の子と密会するなんて浮気じゃないの?」
「いや、違う違うそれは違うよ。俺は急遽呼ばれただけ。うん、そう、っていうかもともとこの二人がね、二人だけだとちょっと気まずいっていうから仕方なく。いやほんと仕方なく来てあげたってわけよ、まじで」
「あっそ、じゃあ別に光一がここにいる必要はもうないわけね」
「ま、まあ。そうなるかな」
佐藤さんはボクに向き変えると、軽く頭を下げ謝って来た。
「ごめんね九重君。光一は女の子を見ると欲情しちゃう子だから、今日は二人で話してて貰ってていいかな」
「は、はあ」
「そんなこと言ったらハルの方が欲情しやすいと思うがな」
「ほら、無駄口叩いてないで行くよ」
「あいたたたたたー、わかったって。もうわかったから耳たぶから手を離してくれよ」
二人は仲睦まじく?喫茶店から出ていった。
ボクはその後、飲み物と軽い軽食を頼み、これまで一言も発しなかった少女に、まず素朴な質問を投げかけた。
「あのー、あなたお名前は?」
「ユーはミラの身体を見て欲情してる、です?イエスorノー」
「へっ?」
「日本語に直すと、はいかいいえです」
「それは別にノーだけど。っていやそこじゃなくてボクの質問わかる?君の名前はなんていうの?」
日本語での意思疎通がうまくできていない少女に、今度はゆっくりと話しかける。
だが、そんな努力など意味を持たず、なぜか少女はいきなり服を脱ぎ出す。
「これでも、です?」
「ちょ、ちょっとこんなとこで何してるのさ!」
「イエスorノー」
「イエスイエス。イエスだから早く服を着てよ」
ボクの反応にやっと満足がいったのか、少女は服を着ながら言った。
「ミラの名前は花村 ミラです」
「で、花村さんは桐島とはどんな関係なの?」
早く話を進めようと本題に入ると、花村さんは眉をひそめ不満げな顔で言った。
「ミラです」
「ん?」
「ミラはミラです」
「ミ、ミラは桐島とどんな関係なの?」
ボクの発言に納得がいったのか、子供のような無邪気な笑顔で答えた。
「ミラが小さい時、日本で知り合ったおさなななじみです」
「うん。それを言うなら幼馴染ね。それであいつに何の用で呼びだしたの?」
「ミラ、日本に来て数週間、誰かにつけられてる気がすると伝えたです」
「えっ?それってストーカー?」
「そうです。スカートです」
「いや、ストーカーね。そんなことよりそれはもう警察かなんかに通報したほうがいいいんじゃない?」
「それなら真の変態の俺の友達がストーカーなんかとっ捕まえるって光一が言ったです」
「急にそんなこと言われたってモチベーションは上がらないよ」
って言うか真の変態って、ボクはみんなからそんな風に思われてるのか?
「……」
ミラは顎に手を当て、何かを考えている様子で黙り込んだ。
「どうしたの?」
「餅はわかるです。けどベーションってどういう意味です?」
「さ、さあ?」
モチベーションってそもそも英語だろうし、もちに意味もその餅ではないと思うのだが、ボクも意味を知ったかぶるんは嫌なので何も言わなかった。
そんな会話をしていると、この喫茶店の店主らしき風貌の店員がお冷を片手に持ちながら聞いてきた。
「失礼いたします。お冷の方お注ぎいたしましょうか?」
「あ、はい。お願いします」
「マスター、ベーションってどういう意味なのです?」
ボクはお冷注いでもらうために、口いっぱいに含んでいた水を全部吹き出した。
「へ?いやそんなこと私に聞かれましても」
「いやちょ、すいません。なんでもないですから」
「はあ、失礼しました」
店主はボクたちへ冷ややかな視線を送りながら違う席へ向かった。
「ちょっとミラさん。日本語に不慣れなのはわかるけど、その言葉はあまり使わない方がいいよ」
「うん。わかったです」
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