チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります
番外編5 アスタナシアをシアと呼ぶ理由
~シア視点~
「おかあさんはどうしておとうさんにアスタナシアなのにシアってよんでもらってるの?」
レイシアが料理をしている最中にそんな事を言ってきた。
ただ娘に言われて私は確かに何でシアと呼んでもらうようになったのか思い出した。
......ああ。あの私の学校の告白の時だ。
~レイロード視点~
「本当に暇だな」
「ニャ」
タマと一緒に学校を見て回っているが暇でしょうがない。
マリーも今日は何だか用事があるそうで一緒にはいない。
暇で何か面白い事起きないかなと思っていると、
「......おい。見てみろよ。次の玉砕者が現れたぞ」
廊下の窓から中庭を見ている生徒が数人いる。
俺とタマは顔を見合わせ首を傾げながら窓の外を見るとそこにはアスタナシア先輩と誰か男の人が人目がつかない場所に移動している。
「なあ。あれ大丈夫なのか?」
俺は流石に女性が男子一人と人目のない所に行くのは不味い気がするんだが。
「知らないニャ。多分大丈夫なんじゃないニャ?」
お前適当すぎるだろ。
助けに行こうか迷って中庭に行こうとすると、
「レイロードだろ?シアなら大丈夫だ」
誰だ?アスタナシア先輩を名前で呼ぶ程の仲のいい奴は。
そちらを向くと何処かで見覚えがある、確か、えーと、確か特別生の一人の、
「ザルダ先輩でしたっけ?」
「ああ、その通りだ。お前は今中庭に行こうとしていなかったか?」
「ええ。そうですけど」
「シアの事なら大丈夫だ。あれが毎日なのでな」
「毎日?」
毎日男子と人目のつかない所に行って何をするんだよ。
「あれは毎日何回もある告白の一つだ。あいつは毎日全員の事にも真剣に返答しているんだ」
なるほど。そういう事か。ただ中庭には行きたいんだよな。
「......ん?行くのか?」
ザルダさんは俺の方を不思議そうな顔で見てくるが、しょうがない。
「ええ。いくらアスタナシア先輩が強くても流石に危ないかもしれないじゃないですか」
「そこまで言うなら止めはしないさ」
「ありがとうございます」
全力で中庭まで走る。
だって!俺の好きな人が今日付き合うかもしれないんだぞ!?気になってしょうがねえよ!
「何でご主人様そんな急いでるニャ?」
ほんと余計な所で鋭い猫だ。
「女性が困ってるかもしれないのに見捨てるわけにはいかないだろ?」
「ご主人様には似合わないセリフニャ」
「やかましいわ。今日の晩飯抜きにするぞ」
「冗談だから許してくださいニャ」
お前ほんと晩飯に関して弱すぎだろ。
そんな事を思いながらアスタナシア先輩が入って行った路地裏のような場所からギリギリ見えない位置に張り付いて会話を聞く。
「......すみません。やはり」
「そこを何とかお願いできませんか!」
意外と強情な奴だな。
これは後々やばい事になったりするんじゃないのか?
「なあ。これどうしたらいい?」
俺は歳はとっている猫神に聞いた。
「.......そうだニャ。こういう時は」
俺はタマにその内容を聞いたのだがそれを実行するには相当な勇気がいる。
「それで本当に解決するのか?これでどうしようも出来なかったらマジで恥ずかしいんだけど」
「大丈夫ニャ。これで解決しなかった人は知らないニャ」
タマは知らないと言っているが、逆に解決をした人も知らないという事を後々知る事になる。
年だけはとってる猫神の事だ。間違いないのかもしれない。
ああ。どうしよう。恥ずかしいけどご褒美でもあるんだよな。
けどこれはアスタナシア先輩の為。アスタナシア先輩の為。
俺はそう思い、タマの作戦を実行する。
まず、風魔法で上空に飛び、アスタナシア先輩の隣に行く。
「レイロード君!?」
アスタナシア先輩は俺が来た事で驚いている。
だが覚悟を決めろ。今やるしかない。
俺はアスタナシア先輩を自分に近づけ、
「ふえ!?」
言葉を発する前にアスタナシア先輩から変な声が聞こえた。
......止めて欲しい。こちらも覚悟を決めてるんだ。そんな変な声を出されたら緊張するだろ!
一度深呼吸して、
「えーと。君はレイロード君だよね?何してるの?」
俺の深呼吸を返せ。
だが今ので少し冷静になった。
「俺のシアに何か用か?」
「「え!?」」
二人の言葉が重なる。
アスタナシア先輩、少しは察してくださいよ。
タマの作戦は簡単だがハードなものでその場だけアスタナシア先輩の彼氏を演じるというものだ。
勿論後でアスタナシア先輩にも事情は説明する。
男は戸惑いながら、
「えーと。君って確かまだこの学校でアスタナシア先輩と全然関りないよね?付き合ってるの?」
なんとド正論。確かにその通り。
「俺達はこの学校に入る前からの知り合いだったんだ」
これも一応筋は通ってる筈だ。
男は少し俯き、
「確かに君が付き合ってるなら止めるのは当たり前か。.......はあ。分かったよ」
男は落ち込みながらも何処かに去って行った。
何とか誤魔化せたな。
一安心していると、
「......あのそろそろ事情を説明してもらいたいんですが」
「.......へ?」
よく見ると、俺は未だアスタナシア先輩を横で抱いている感じでした。
「すいません!」
俺は即座に土下座。
だって見てみろよ。アスタナシア先輩顔を真っ赤にして怒ってます。
ここでラブコメなら好きで赤くしているとかだがこれは違う。
だってアスタナシア先輩と話したの一回しかまだない。俺の一目惚れだったから俺は分かるが彼女が頬を赤くするのは怒ってるとしかいいようが無いのだ。
「あの。まず何であんな事したのか事情を説明してもらっていいですか?」
「はい」
俺は直ぐに事情を説明。
アスタナシア先輩が男と人目のつかない所に行くのを見て、やばいと思い近づいたら男が強情そうだったので、タマの教えで助けましたという所だ。
「はあ。そういう事だったんですか。それより怒ってないですから顔をあげて下さい」
なんて優しいのだろうか。女神か。
「ありがとうございます」
「まあ。今回はそんな事をする必要は一切ないんですけどね」
「......はい?」
どういうことだ?
「あのですね。今更言うのもなんですが、彼は私に告白というか、模擬戦の挑戦者だったんです。ですが私はあまり率先して戦うのは好きではないので断っていたんですよ」
......待て待て。頭の整理が追いつかない。
それじゃああれか?俺が勇気を振り絞って彼氏役をしていたのは無意味?
今ようやく分かってきた。今現在この学校は無詠唱魔法を扱うようになってきた。だからこそ自分が強くなったのか実感したい人もいるだろう。だからこそ特別生で最強と言われているアスタナシア先輩に挑む。
辻褄あいすぎだろ!
俺は恥ずかしさのあまり俯いてしまった。
タマはその事情を聴いて爆笑している。あいつの晩飯は抜きだな。
「ですが私は嬉しかったですからそんなに落ち込まないでください」
アスタナシア先輩は慌ててフォローしてくれた。
これが大人というのだろうか。
「......ありがとうございます」
「また本当に困ったらお願いしますね?」
小悪魔的な笑みとウインクをしてきた。
アスタナシア先輩はリリアとはまた違った小悪魔のような女だなとこの時思った。
「.......もう無理です」
俺はそう答えるしか出来なかった。」
~シア視点~
「とそんな出来事があって私はあの時勘違いだとしてもシアと呼んでくれたのが嬉しかったのでそう呼んでもらうようにしたんですよ」
「へえ。あんまりわからなかったけどおとうさんってばかなの?」
「否定は出来ませんね」
私はその問いに苦笑いしか出来なかった。
その日の晩、レイシアがレイに向かって馬鹿と言ってレイが部屋に引き籠ったのはまた別のお話。
「おかあさんはどうしておとうさんにアスタナシアなのにシアってよんでもらってるの?」
レイシアが料理をしている最中にそんな事を言ってきた。
ただ娘に言われて私は確かに何でシアと呼んでもらうようになったのか思い出した。
......ああ。あの私の学校の告白の時だ。
~レイロード視点~
「本当に暇だな」
「ニャ」
タマと一緒に学校を見て回っているが暇でしょうがない。
マリーも今日は何だか用事があるそうで一緒にはいない。
暇で何か面白い事起きないかなと思っていると、
「......おい。見てみろよ。次の玉砕者が現れたぞ」
廊下の窓から中庭を見ている生徒が数人いる。
俺とタマは顔を見合わせ首を傾げながら窓の外を見るとそこにはアスタナシア先輩と誰か男の人が人目がつかない場所に移動している。
「なあ。あれ大丈夫なのか?」
俺は流石に女性が男子一人と人目のない所に行くのは不味い気がするんだが。
「知らないニャ。多分大丈夫なんじゃないニャ?」
お前適当すぎるだろ。
助けに行こうか迷って中庭に行こうとすると、
「レイロードだろ?シアなら大丈夫だ」
誰だ?アスタナシア先輩を名前で呼ぶ程の仲のいい奴は。
そちらを向くと何処かで見覚えがある、確か、えーと、確か特別生の一人の、
「ザルダ先輩でしたっけ?」
「ああ、その通りだ。お前は今中庭に行こうとしていなかったか?」
「ええ。そうですけど」
「シアの事なら大丈夫だ。あれが毎日なのでな」
「毎日?」
毎日男子と人目のつかない所に行って何をするんだよ。
「あれは毎日何回もある告白の一つだ。あいつは毎日全員の事にも真剣に返答しているんだ」
なるほど。そういう事か。ただ中庭には行きたいんだよな。
「......ん?行くのか?」
ザルダさんは俺の方を不思議そうな顔で見てくるが、しょうがない。
「ええ。いくらアスタナシア先輩が強くても流石に危ないかもしれないじゃないですか」
「そこまで言うなら止めはしないさ」
「ありがとうございます」
全力で中庭まで走る。
だって!俺の好きな人が今日付き合うかもしれないんだぞ!?気になってしょうがねえよ!
「何でご主人様そんな急いでるニャ?」
ほんと余計な所で鋭い猫だ。
「女性が困ってるかもしれないのに見捨てるわけにはいかないだろ?」
「ご主人様には似合わないセリフニャ」
「やかましいわ。今日の晩飯抜きにするぞ」
「冗談だから許してくださいニャ」
お前ほんと晩飯に関して弱すぎだろ。
そんな事を思いながらアスタナシア先輩が入って行った路地裏のような場所からギリギリ見えない位置に張り付いて会話を聞く。
「......すみません。やはり」
「そこを何とかお願いできませんか!」
意外と強情な奴だな。
これは後々やばい事になったりするんじゃないのか?
「なあ。これどうしたらいい?」
俺は歳はとっている猫神に聞いた。
「.......そうだニャ。こういう時は」
俺はタマにその内容を聞いたのだがそれを実行するには相当な勇気がいる。
「それで本当に解決するのか?これでどうしようも出来なかったらマジで恥ずかしいんだけど」
「大丈夫ニャ。これで解決しなかった人は知らないニャ」
タマは知らないと言っているが、逆に解決をした人も知らないという事を後々知る事になる。
年だけはとってる猫神の事だ。間違いないのかもしれない。
ああ。どうしよう。恥ずかしいけどご褒美でもあるんだよな。
けどこれはアスタナシア先輩の為。アスタナシア先輩の為。
俺はそう思い、タマの作戦を実行する。
まず、風魔法で上空に飛び、アスタナシア先輩の隣に行く。
「レイロード君!?」
アスタナシア先輩は俺が来た事で驚いている。
だが覚悟を決めろ。今やるしかない。
俺はアスタナシア先輩を自分に近づけ、
「ふえ!?」
言葉を発する前にアスタナシア先輩から変な声が聞こえた。
......止めて欲しい。こちらも覚悟を決めてるんだ。そんな変な声を出されたら緊張するだろ!
一度深呼吸して、
「えーと。君はレイロード君だよね?何してるの?」
俺の深呼吸を返せ。
だが今ので少し冷静になった。
「俺のシアに何か用か?」
「「え!?」」
二人の言葉が重なる。
アスタナシア先輩、少しは察してくださいよ。
タマの作戦は簡単だがハードなものでその場だけアスタナシア先輩の彼氏を演じるというものだ。
勿論後でアスタナシア先輩にも事情は説明する。
男は戸惑いながら、
「えーと。君って確かまだこの学校でアスタナシア先輩と全然関りないよね?付き合ってるの?」
なんとド正論。確かにその通り。
「俺達はこの学校に入る前からの知り合いだったんだ」
これも一応筋は通ってる筈だ。
男は少し俯き、
「確かに君が付き合ってるなら止めるのは当たり前か。.......はあ。分かったよ」
男は落ち込みながらも何処かに去って行った。
何とか誤魔化せたな。
一安心していると、
「......あのそろそろ事情を説明してもらいたいんですが」
「.......へ?」
よく見ると、俺は未だアスタナシア先輩を横で抱いている感じでした。
「すいません!」
俺は即座に土下座。
だって見てみろよ。アスタナシア先輩顔を真っ赤にして怒ってます。
ここでラブコメなら好きで赤くしているとかだがこれは違う。
だってアスタナシア先輩と話したの一回しかまだない。俺の一目惚れだったから俺は分かるが彼女が頬を赤くするのは怒ってるとしかいいようが無いのだ。
「あの。まず何であんな事したのか事情を説明してもらっていいですか?」
「はい」
俺は直ぐに事情を説明。
アスタナシア先輩が男と人目のつかない所に行くのを見て、やばいと思い近づいたら男が強情そうだったので、タマの教えで助けましたという所だ。
「はあ。そういう事だったんですか。それより怒ってないですから顔をあげて下さい」
なんて優しいのだろうか。女神か。
「ありがとうございます」
「まあ。今回はそんな事をする必要は一切ないんですけどね」
「......はい?」
どういうことだ?
「あのですね。今更言うのもなんですが、彼は私に告白というか、模擬戦の挑戦者だったんです。ですが私はあまり率先して戦うのは好きではないので断っていたんですよ」
......待て待て。頭の整理が追いつかない。
それじゃああれか?俺が勇気を振り絞って彼氏役をしていたのは無意味?
今ようやく分かってきた。今現在この学校は無詠唱魔法を扱うようになってきた。だからこそ自分が強くなったのか実感したい人もいるだろう。だからこそ特別生で最強と言われているアスタナシア先輩に挑む。
辻褄あいすぎだろ!
俺は恥ずかしさのあまり俯いてしまった。
タマはその事情を聴いて爆笑している。あいつの晩飯は抜きだな。
「ですが私は嬉しかったですからそんなに落ち込まないでください」
アスタナシア先輩は慌ててフォローしてくれた。
これが大人というのだろうか。
「......ありがとうございます」
「また本当に困ったらお願いしますね?」
小悪魔的な笑みとウインクをしてきた。
アスタナシア先輩はリリアとはまた違った小悪魔のような女だなとこの時思った。
「.......もう無理です」
俺はそう答えるしか出来なかった。」
~シア視点~
「とそんな出来事があって私はあの時勘違いだとしてもシアと呼んでくれたのが嬉しかったのでそう呼んでもらうようにしたんですよ」
「へえ。あんまりわからなかったけどおとうさんってばかなの?」
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