チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第百一話 反撃開始

 ~レイロードのお願い~

 (分からな人は六十話を参照)

 「校長後もう一つお願いがあります」

 「何ですか?」

 「ライドさん達を開放してあげれませんか?あの戦争の時の冒険者です」

 これに関しては修行の四年間ずっと考えていたことだ。

 「本気ですか?」

 「はい。あの人達は魔王に脅されていたのもあります。だからもう十分牢獄で反省していると思います」

 ライドさん達は死刑にはならなかった。それもこの世界では死刑よりも牢獄に入れられる方が重い刑らしい。

 ずっと何をするわけでもなく一日二食食事を食べる以外何もすることが無い。死ぬまで永遠に牢獄で過ごすらしい。

 「ですが彼らが逃げてまた何か悪さをしないとは分からないですよ?」

 「だからこそ伝言をお願いします。もし次に何かするようなら俺が今度は容赦なく殺します。ライドさん個人に俺はあなたの気持ちには答えられないけどあなたなら良い人が見つかりますと伝えてもらえますか?」

 「分かりました。ですがそのかわりにきちんと今後教師の道というのも考えていてください」

 「分かりました」

 そして校長は無事にライドさん達を開放する事に成功したらしい。

 ~狼神視点~

 やばいな。こちらがもう百人近くになり、相手はまだ千人以上いやがる。

 「至急伝えることがあります!後ろから大量に何か来ているようです!」

 やっと来たのか。来ないかと思ったぞ。

 「そいつらは全員通せ!」

 「はい!」

 すると背後から大量の足音が聞こえる。

 馬車に乗っているのだろう。

 すぐに人族である一人が俺の隣に来た。

 「お前が代表か?」

 俺は隣にいる人物に確認する。

 「ああ。さっきまでだがな。Sクラス冒険者ライドだ」

 「さっきまで?」

 ライドと言われた男は頭を掻きながら、

 「これが遅くなった理由でもあるんだがな、すぐに来ると思うぞ」

 すると誰もが知っているであろう男がそこにいた。

 「.......何故お前がこんな所にいるんだ。アドルフ王」

 「何故か。それは戦争が起きているからだ。レイロードとの約束は俺の兵を連れて行くなだったが俺は王だ」

 「すまん。意味が分からない」

 「まあ、安心しろ。これで戦争に勝てると思え」

 このアドルフ王がそう言うと本当にそう思える。

 「冒険者の方は何人ぐらい集まった?」

 「大体二百いるかいないかだ。それも信用出来る人物だけだから仕方ないんだがな」

 「それもそうだな」

 こちらの勢力は獣人百人。人族の冒険者二百人。そしてアドルフ王か。

 これでも結構厳しいな。

 「それじゃあ。攻めるぞ!」

 獣人に呼びかけ攻めようとしたらアドルフ王に止められた。

 「待て。貴様らは何を考えているんだ?俺達の数はあちらを下回っているんだ。これだと絶対に負けるぞ?」

 「ならどうするんだ?」

 俺達獣人と人族の違い。それはやはり頭だろう。そしてこのアドルフ王は本当に頭がキレると言われている。

 「そうだな。こちらは絶対に二人一組で行動しろ。獣人共は仕方ないが、冒険者の方は前衛と後衛で組むんだ。獣人共は今すぐ二人組を作り攻めろ。人族共も組んだらすぐに応戦だ」

 「分かった」

 「いいんですか!?狼神様。こいつらは人族ですよ!」

 獣人の一人が声をあげる。

 「構わん。こいつらだってここで俺達が死んだら自分達で何とかしなければならない。そうなればこいつらが今不利になる事は言わないだろう」

 「ほう。獣人の割に頭が冴える奴がいるのだな」

 「獣人の割には余計だ」

 俺はすぐに声を上げ、

 「獣人は全員二人組で行動しろ!それで応戦するぞ!」

 「「「はい!」」」


 これがラストになる事を祈り、俺はもう一度魔人共に挑むのだった。

 ~ライド視点~

 これでお前にようやく恩返しが出来るぜ。

 初めお前が俺の前に現れたときは誰か分からなかった。

 だけどすぐに分かり、裏切った俺達に仲間として戦ってくれと言うんだ。俺だけではなく周りの連中もあいつには恩がある。

 あの俺達を助けてくれた人がレイロードに感謝しろって言ってたしな。ここで恩を返さなきゃならない。だからこそ俺はリーダーとして皆を纏めていたのに、まさかこいつが現れるとはな。

 俺は横にいるアドルフ王を見た。

 一時間前。

 俺は冒険者が全員確認した。

 「よし。お前ら全員準備はいいな?今日があの時の恩返しの日だ!」

 「「おおおおお!」」

 この中にあいつに助けられた人物は多い。知らない奴は首をかしげているがやる気はある。

 だがここで突如知らない声が聞こえた。

 「まさかここに逃げていたとはな。裏切り者達よ」

 俺はその声の主を見ると目の前には赤髪の男がいた。

 「あれはアドルフだ!あの赤髪間違いない!」

 それは誰かの冒険者の声だった。

 俺は驚き見ると、そのアドルフは笑っていた。

 「アドルフ王だ。王を付けろ」

 「まさかここで俺達を捕まえに来たのか?今から俺達はあの戦争に手助けしなきゃならないんだ!邪魔すんな!」

 俺は皆を代表して言った。

 「落ち着け。俺はエリック博士の所に行ってここに来た。まさか勇者がいるとは思わなかったがな」

 「何を言ってるのか全く分からないが邪魔はしないんだな?」

 「邪魔どころか俺も手伝う。だから俺も連れていけ。お前が親玉なら分かるだろう?俺がいた方がずっと勝率が上がると」

 確かにその通りだ。どうする。こいつは別に力を持ってるわけじゃない。それでもこいつの知恵は戦争に必要だろう。

 アドルフ王は別に特別な力を持っている訳じゃない。だけど軍事力。そして王自ら指揮をする、戦略を瞬時に思い付き、ムー大陸の人族同士の戦争を終わらせたと言われている程だ。その血を受け継いでいる奴だ。

 「分かった。だけど何か変な事しようとしたら俺が斬るからな」

 「アホだな。俺がそんな事をするわけがない。お前らじゃあるまいし」

 「うるせーよ!俺達はもう改心したんだ!」

 それに王は微笑み、

 「ならば全力で挑めよ貴様ら。助けてくれた奴に恩返しするんだろ?」

 「当たり前だ!皆もそうだろ!」

 「当たり前だ!もう俺は心を入れ替えたんだ!」

 「もう二度とあんな事してたまるか!」

 あの時助けてもらった冒険者は叫ぶ。

 そして王は微笑み、

 「では行くぞ!俺に続け!」

 「「「うおおおおお!」」」

 俺が王に乗せられると分かったのは少し後だった。

 現在。

 まさかこんな大物が出てくるとは知らなかった。

 だが今は味方の指揮も人数が違うのに、高くいい感じだ。

 「やばいな。これでは負ける可能性がある」

 「おい!なんてこと言うんだよ!今俺しかいないからいいけど他の奴らの前でそんな事言うんじゃねえぞ!」

 今こいつは俺に聞き取れるか取れないかのギリギリの音量で言ったからいいものの周りに聞かれたらたまったもんじゃねえ。

 「まあ。落ち着け。このまま突っ込めばだ。だからこそお前らには働いてもらう。連携の取れそうな、冒険者二十五人を二組作れ」

 「偉そうに!けど仕方ねえな。おい。今すぐ二十五人を作るぞ!」

 「分かった。周りにも言ってくる」

 後ろにいた冒険者が皆に伝えてくれて数分後に作れた。

 「よし。お前達は左、右に別れて攻めろ。だがお前らはそんなに突っ込まなくていい。魔人共に気付かれるであろう距離で応戦しろ。そして絶対に死ぬな。貴様らが死んだら終わりと思え」

 その言葉に冒険者たちも気持ちが入れ替わったのか引き締まった顔になる。

 「残りの奴らは獣人に続き魔人共と応戦しろ!」

 「「「「おお!」」」

 やっぱりこの王は凄いな。全員に役割を与えることで気を引き締めさせ、自分達がいかに必要なのかを教え指揮を高める。

 まさに王じゃなければ出来ない技だ。

 俺は真ん中に突っ込んだ。

 だがやはり魔人が多い。

 だけど俺はずっとあれから頑張ってSランク冒険者になった。

 こんな奴らに手こずってる場合じゃない。

 だが先が見えないというのは怖いものだ。こんな中獣人共は戦ってたのかよ。俺なら戦意喪失してもおかしくないな。

 「おい!真ん中が手薄になって来たぞ!いけるぞ!」

 それは誰かの声だった。

 確かに明らかに数が少ないと分かる。

 「おい。これは何をしたんだ?」

 獣人の一人が俺に聞いてくれた。俺も少し考えすぐに分かった。

 「これがアドルフ王の作戦だろうな。さっき左と右から俺達冒険者が攻めたんだ。そこに複数の敵がいったんだろ」

 「人族も中々凄いな。これは認識を改めなければならないな」

 これは何気に人族を馬鹿にしてた発言だな。

 「お前らももう少し頭を使ったらこれぐらい思い付くだろう」

 「ふっ。面白い奴だ。そうだな。ここでどちらが多く倒せるかでどちらの種族が優秀か決めるのはどうだ?」

 こいつも本気で言ってるわけでなく指揮を少しでも高めようとしてくれているのだろう。

 「面白いな。後で泣くんじゃねえぞ!」

 「貴様もな」

 俺達は互いに魔人を更に倒すのだった。

 ~リリア視点~

 「ほんとに世話が焼けるな。馬鹿弟子が」

 「......師匠」

 私は剣を突き刺す瞬間に師匠が現れ止めた。

 「そんな事はするな。私に任せろ」

 「けどこうしないとあいつには勝てない!」

 私もこんなやり方は嫌だ。けどこれしかないんだから仕方ない。

 「だから私に任せろ」

 「私も戦うわ!」

 「やめとけ。お前はもう相当魔力を使ってるだろう」

 それは図星だった。リッチーを未だ出しているものの相当魔力がない。

 「けど!.......かは!」

 私はミレイアにお腹をおもいっきり殴られ倒れてしまった。

 「.......何するのよ」

 「こうでもしなければお前は大人しくならないだろう。そこで大人しく見ておけ」

 「お供します」

 リッチーもミレイアの隣に並んだ。

 「リッチー。私に回復魔法をかけなさい!」

 「すみません。私は死者であり、回復魔法が使えないのです」

 リッチーは私の方を向き、お辞儀し前を見た。

 「しょうがないね。足を引っ張るんじゃないよ」

 「善処します」

 そう言ってミレイアとリッチーはライオンに向かっていた。

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