チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります
第九十九話 シア・マリーVSライオン(白)
私とセシリアは最初から全力で挑む。このライオンがそれ程の相手だと戦う前から分かったからだ。
セシリアもそれが分かっているから精霊であるシルフを出したのだろう。
作戦は単純だ。私がセルミの力を使い前衛で戦い、シルフの力を持ったセシリアが後衛で戦うだけだ。
私はあのライオンが何かする前に速攻で攻める。ミレムの力を持っているし、今回はちゃんと特訓もしてきた。
だからこそ、最初から全力で戦えるのだが、
「あんたそんなでかい図体しておきながら動きが素早いのね」
「これぐらい普通だ。もっとスピードは上がるがお前はその程度か?」
「面白いじゃない!」
私は更にスピードを上げライオンに剣を振るう。だがそれをライオンは前足で止める。
「剣も止めるって案外頑丈なのね」
「以前なら無理だったろうが、今回は硬くなっているようだからな」
邪神が言っていた。私のお父さんの心臓や龍人の心臓を使ってこいつらを召喚したと。そんな奴に勝てるか分からいけどやるしかない。
私はその場で力勝負に持ち込む。
「俺と力勝負か。面白い!」
ライオンも力勝負に乗ってきた。
何だかタマと違って笑ったら不気味ね。
流石に可哀そうなので言わなかったが私とライオンが力勝負しているのだが、やはりその図体だけあって押される。
「そんなものか?」
「あんた剣は通らないって言ったけどそれが魔法だったらどうなのかしらね」
その瞬間ライオンの上からセシリアが編み出した超級の風魔法が直撃する。
私はミレムから何処に超級が落とされるか教えて貰ったため、いちいち上を向いて確認する必要が無い。
これが私とセシリアが一緒に戦う事になった理由だ。精霊によって無駄に指示を聞く必要もないし、完璧にコンビネーションが出来る。
「面白いぞ!面白い!まさかそこであんなにも強烈な魔法が飛んでくるとは思わなかったぞ!」
ライオンは確かに傷もついている。だけどそれを全く気にしてないように普通にいる。
それに加えてライオンは私達に近づいてこない。どうして?警戒しているの?
それならまたこちらから攻めるだけだ。私はもう一度攻めに行こうとしたら、
「マリー!その場から退避しろ!」
私はその言葉を聞いて咄嗟に横にとんだ。
ライオンは息を吸い込んでいたようで、それを放つと、そこには氷のブレスが放たれていた。
私達がいるのは荒野だが、その地面が凍りつけられていた。
もしも私がその場にいたらと思うとゾッとする。
セシリアもギリギリ避けたようだ。
「初見で避けられるとはな。そこのエルフはどうやらブレスを見たことがあるのか?」
「ああ。少し前にな」
だがよく見るとセシリアは冷や汗をかいていた。私もだ。あんなのに一度でも当たればその個所はもう使い物にならなくなる。
それが分かったら無暗に近づく事も出来ない。
私は一度セシリアの所まで退いた。
「どうするセシリア」
「そうだな。もう仕方ない。これはレイの為にとって置きたかったのだがこいつは強すぎる。嫌なお願いをするがいいか?」
「私に出来るならね」
「あいつに近づいてこちらに来させないようにしてくれ」
「......本当に嫌なお願いね。だけど分かったわ」
私はもう一度気を引き締め、あのブレスにだけは注意するように考えライオンに攻めた。
あのブレスには注意するけどあれには隙がある。先程見た感じだとブレスを放った瞬間は何も身動きが出来ない筈だ。
だからこそ安直にブレスを放ってきたらその瞬間を狙う。
相手も私がブレスの弱点に気付いているのかブレスは放たずに前足で受け止める。
「ブレス放ちなさいよ」
「お前が後ろで構えているのなら」
ライオンは私の剣を受け止め、もう片方の足で私を吹き飛ばそうとする。それをギリギリで躱したと思ったら、ライオンは背後を向き尻尾で攻撃してきた。私はそれをお腹に直撃して吹き飛ばされてしまった。
「マリー!」
「か........は!」
私は口から血が出た。ミレムが心配してこちらに駆け寄ってくるが私は話す気力よりも回復に専念してすぐにライオンの所に行かなきゃならない。
一つ良かったのが尻尾だった事だ。あれが足で吹き飛ばされていたら私はもうこの世にはいなかっただろう。
だがライオンが私の回復するまで待ってくれるわけでもなく、
「先程から何やら準備をしているそこのエルフも終わりだ」
ライオンはすぐにセシリア目掛けブレスを放った。
「セシリア!逃げ......」
「ソニックスラッシュ」
セシリアはそのブレスから逃げる事をせずそう唱えると、氷のブレスがセシリアに届くことは無かった。
それどころかライオンの方を見るとライオンの方もその光景に不思議がっているようだった。
するとライオンの毛並みが少し浮いた。
そよ風?
そう思った時だ。ライオンの体が切り傷だらけになり血だらけになって倒れた。そしてセシリアがその場に倒れた。
.......は?
私は今何が起きているか分からなかった。
頑張って自分の体を起こし、セシリアの元に向かう。
「何をやったの?」
セシリアは意識があるようだ。
「.......風の神聖級魔法だ。あれを使うのはこれで二度目だが、上手く出来てよかった」
そう微笑んだ。
私はセシリアに肩を貸してあげて、
「セシリアのおかげよ。ありがと」
「マリーが足止めしてくれたおかげだ」
セシリアはそう言い、意識を失った。
私はお腹が痛むがその痛みを我慢しセシリアを背中に背負い、レイの元に向かおうとしたが、
「.......まさか。神聖級魔法を使える奴が巫女以外にいるとはな」
私はその言葉が聞こえた瞬間に後ろを振り返った。
そこには傷だらけになりながらも立ち上がったライオンの姿があった。
「......どうして」
だってあれは神聖級魔法の筈だ。私も全く知らなかった。
「この丈夫な体。そしてそのエルフが巫女の存在じゃなかったのが助かりだな。威力が弱かったのだ」
ライオンは傷だらけになりながらも、もう普通に立っている
どうしたら。
もうセシリアのように後衛で援護してくれる人はいない。
「.......ミレム。もう仕方ないわ。あれをやるわ」
「あれって!駄目よ!あんたそれ一回やろうとして暴走しそうになったじゃない!」
「けど!それじゃあどうするのよ!ここから勝てる方法なんてない!」
私はもう決意した。私は修行の間思ったのだ。私にはお父さんの魔人の血が流れている。
だからこそ私はお父さんのようにあの紫の形で自分を強化することが出来るんじゃないかって。
そして試した。結果的には出来る。だけどそれをやろうとした瞬間、吐き気、頭痛、そしてなにより人族がもの凄く憎く感じるのだ。
多分この力は憎しみから出来ている。だけど今それをやらなければセシリアがいないこの状況で勝つことは出来ない。
だからこそ私は制御できなくても魔人の力を使うことに決めた。
~アラン視点~
俺とルドノフは親父と一緒に場所を移した。
「それで何で親父が邪神なんかとつるんでるんだよ!」
俺はもう我慢できずに言った。だがそれに対して親父は冷静に、
「俺は昔から邪神と手を組んでいた」
衝撃の真実を突き付けられた。
俺はもう我慢できずに、
「ルドノフさんよ。ここはやっぱり手を出さないでくれ」
「分かりました」
ルドノフは普通に了承してくれた。こういう時は年上がこの場にいて助かる。
レイとかだと絶対反対して来るからな。
そう思いながらも親父は許せない。
「クソ親父!目を覚まさしてやるから覚悟しとけよ!」
「俺はずっと覚ましている」
そう言ってこんな形で親父と剣を交えるのだった。
セシリアもそれが分かっているから精霊であるシルフを出したのだろう。
作戦は単純だ。私がセルミの力を使い前衛で戦い、シルフの力を持ったセシリアが後衛で戦うだけだ。
私はあのライオンが何かする前に速攻で攻める。ミレムの力を持っているし、今回はちゃんと特訓もしてきた。
だからこそ、最初から全力で戦えるのだが、
「あんたそんなでかい図体しておきながら動きが素早いのね」
「これぐらい普通だ。もっとスピードは上がるがお前はその程度か?」
「面白いじゃない!」
私は更にスピードを上げライオンに剣を振るう。だがそれをライオンは前足で止める。
「剣も止めるって案外頑丈なのね」
「以前なら無理だったろうが、今回は硬くなっているようだからな」
邪神が言っていた。私のお父さんの心臓や龍人の心臓を使ってこいつらを召喚したと。そんな奴に勝てるか分からいけどやるしかない。
私はその場で力勝負に持ち込む。
「俺と力勝負か。面白い!」
ライオンも力勝負に乗ってきた。
何だかタマと違って笑ったら不気味ね。
流石に可哀そうなので言わなかったが私とライオンが力勝負しているのだが、やはりその図体だけあって押される。
「そんなものか?」
「あんた剣は通らないって言ったけどそれが魔法だったらどうなのかしらね」
その瞬間ライオンの上からセシリアが編み出した超級の風魔法が直撃する。
私はミレムから何処に超級が落とされるか教えて貰ったため、いちいち上を向いて確認する必要が無い。
これが私とセシリアが一緒に戦う事になった理由だ。精霊によって無駄に指示を聞く必要もないし、完璧にコンビネーションが出来る。
「面白いぞ!面白い!まさかそこであんなにも強烈な魔法が飛んでくるとは思わなかったぞ!」
ライオンは確かに傷もついている。だけどそれを全く気にしてないように普通にいる。
それに加えてライオンは私達に近づいてこない。どうして?警戒しているの?
それならまたこちらから攻めるだけだ。私はもう一度攻めに行こうとしたら、
「マリー!その場から退避しろ!」
私はその言葉を聞いて咄嗟に横にとんだ。
ライオンは息を吸い込んでいたようで、それを放つと、そこには氷のブレスが放たれていた。
私達がいるのは荒野だが、その地面が凍りつけられていた。
もしも私がその場にいたらと思うとゾッとする。
セシリアもギリギリ避けたようだ。
「初見で避けられるとはな。そこのエルフはどうやらブレスを見たことがあるのか?」
「ああ。少し前にな」
だがよく見るとセシリアは冷や汗をかいていた。私もだ。あんなのに一度でも当たればその個所はもう使い物にならなくなる。
それが分かったら無暗に近づく事も出来ない。
私は一度セシリアの所まで退いた。
「どうするセシリア」
「そうだな。もう仕方ない。これはレイの為にとって置きたかったのだがこいつは強すぎる。嫌なお願いをするがいいか?」
「私に出来るならね」
「あいつに近づいてこちらに来させないようにしてくれ」
「......本当に嫌なお願いね。だけど分かったわ」
私はもう一度気を引き締め、あのブレスにだけは注意するように考えライオンに攻めた。
あのブレスには注意するけどあれには隙がある。先程見た感じだとブレスを放った瞬間は何も身動きが出来ない筈だ。
だからこそ安直にブレスを放ってきたらその瞬間を狙う。
相手も私がブレスの弱点に気付いているのかブレスは放たずに前足で受け止める。
「ブレス放ちなさいよ」
「お前が後ろで構えているのなら」
ライオンは私の剣を受け止め、もう片方の足で私を吹き飛ばそうとする。それをギリギリで躱したと思ったら、ライオンは背後を向き尻尾で攻撃してきた。私はそれをお腹に直撃して吹き飛ばされてしまった。
「マリー!」
「か........は!」
私は口から血が出た。ミレムが心配してこちらに駆け寄ってくるが私は話す気力よりも回復に専念してすぐにライオンの所に行かなきゃならない。
一つ良かったのが尻尾だった事だ。あれが足で吹き飛ばされていたら私はもうこの世にはいなかっただろう。
だがライオンが私の回復するまで待ってくれるわけでもなく、
「先程から何やら準備をしているそこのエルフも終わりだ」
ライオンはすぐにセシリア目掛けブレスを放った。
「セシリア!逃げ......」
「ソニックスラッシュ」
セシリアはそのブレスから逃げる事をせずそう唱えると、氷のブレスがセシリアに届くことは無かった。
それどころかライオンの方を見るとライオンの方もその光景に不思議がっているようだった。
するとライオンの毛並みが少し浮いた。
そよ風?
そう思った時だ。ライオンの体が切り傷だらけになり血だらけになって倒れた。そしてセシリアがその場に倒れた。
.......は?
私は今何が起きているか分からなかった。
頑張って自分の体を起こし、セシリアの元に向かう。
「何をやったの?」
セシリアは意識があるようだ。
「.......風の神聖級魔法だ。あれを使うのはこれで二度目だが、上手く出来てよかった」
そう微笑んだ。
私はセシリアに肩を貸してあげて、
「セシリアのおかげよ。ありがと」
「マリーが足止めしてくれたおかげだ」
セシリアはそう言い、意識を失った。
私はお腹が痛むがその痛みを我慢しセシリアを背中に背負い、レイの元に向かおうとしたが、
「.......まさか。神聖級魔法を使える奴が巫女以外にいるとはな」
私はその言葉が聞こえた瞬間に後ろを振り返った。
そこには傷だらけになりながらも立ち上がったライオンの姿があった。
「......どうして」
だってあれは神聖級魔法の筈だ。私も全く知らなかった。
「この丈夫な体。そしてそのエルフが巫女の存在じゃなかったのが助かりだな。威力が弱かったのだ」
ライオンは傷だらけになりながらも、もう普通に立っている
どうしたら。
もうセシリアのように後衛で援護してくれる人はいない。
「.......ミレム。もう仕方ないわ。あれをやるわ」
「あれって!駄目よ!あんたそれ一回やろうとして暴走しそうになったじゃない!」
「けど!それじゃあどうするのよ!ここから勝てる方法なんてない!」
私はもう決意した。私は修行の間思ったのだ。私にはお父さんの魔人の血が流れている。
だからこそ私はお父さんのようにあの紫の形で自分を強化することが出来るんじゃないかって。
そして試した。結果的には出来る。だけどそれをやろうとした瞬間、吐き気、頭痛、そしてなにより人族がもの凄く憎く感じるのだ。
多分この力は憎しみから出来ている。だけど今それをやらなければセシリアがいないこの状況で勝つことは出来ない。
だからこそ私は制御できなくても魔人の力を使うことに決めた。
~アラン視点~
俺とルドノフは親父と一緒に場所を移した。
「それで何で親父が邪神なんかとつるんでるんだよ!」
俺はもう我慢できずに言った。だがそれに対して親父は冷静に、
「俺は昔から邪神と手を組んでいた」
衝撃の真実を突き付けられた。
俺はもう我慢できずに、
「ルドノフさんよ。ここはやっぱり手を出さないでくれ」
「分かりました」
ルドノフは普通に了承してくれた。こういう時は年上がこの場にいて助かる。
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