チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります
第四十六話 宣戦布告
今日は、普通の授業がある日ではない。
魔法祭がある日だ。
魔法祭は、クラス全員で行い、魔法を競い合う、魔法学校の一大イベントであるものだ。
この魔法祭では、色んな人が見に来て、魔法で優れている人を、将来的に自分の会社に推薦したりすることもあるらしい。
その為、皆やる気だ。
今までの魔法祭よりも今年は何倍の人が集まるらしい。
それも、校長が無詠唱を使うと色んな人に宣言したからだ。
この学校に来て、もう三カ月が経ち、この学校にいる人は、全員無詠唱が使えるようになった。
なので、皆やる気だ。
俺もすでにやる気だ。
「頑張るよ。レイ」
マリーは、そう言ってくる。
「おう」
俺は、そう返事する。
「今年は何処が勝ってもおかしくないですけど、レイ達に勝ってみせます」
シアも、やる気満々だ。
俺達の関係は、あれからも相変わらずだ。
変わったことは、シアが俺の事をレイと呼ぶようになった事と、マリーとシアが仲良くなったことだ。
二人が仲良くなったおかげで、最近は、前よりも楽しい。
それから、シアと別れ、俺達は開会式を終え、観客席に座る。
会場は、以前俺とシアや校長と戦った練習場だ。
まずは、第一種目を発表をしてから、それに適した生徒を先生が選ぶ感じだ。
なので、実況の校長の言葉が流れようとした時だ。
「ちょっと待ってもらおうかーーー!」
その言葉が、何処からか聞こえてきた。
俺は、何処から聞こえたのか、辺りを見渡すと、何故か朝で明るいはずなのに暗くなった。
俺は、上を向くと、そこにはとてつもなくでかいドラゴンがいた。
「伏せて!」
校長の叫ぶ声が、会場に響き渡った。
その言葉と同時にドラゴンが会場に降りてきた。
俺は、伏せた顔を上げ、そのドラゴンを見た。
そのドラゴンは、俺が倒したドラゴンの倍はある大きかった。
だが、それはまだいい。
問題は、そのドラゴンに乗っている人物だ。
体全身紫色で、角を二本生やしている男だ。
何故か、寒気を感じる。
そして、俺は思った。
こいつは強すぎる。
今まで、会ったことのある人物で、一番強いだろう。
誰だ。こいつは。
俺がそう思っていると、校長が、会場からそのドラゴンへ近づいて言った。
「どうしてこんな所にいるんだ。魔王!」
校長は、声では怒っているようだが、額から冷や汗が流れていた。
俺も冷や汗が止まらない。
なんせ、魔王と言えば、三大最強の、魔人族の一人、ラバーナだ。
校長の言葉に、悲鳴をあげながら、逃げ出す人が現れた。
「ギャアギャアうるせんだよ!少し黙って待てろ!」
魔王のその言葉に、何故か誰もが逆らえない。
多分分かっているのだろう。
今逆らえば、殺されると。
「久しぶりだな。ソロ冒険者最強のルドルフ」
校長は、その言葉に、鼻で笑った。
「昔の話ですよ。今はただの校長です。それよりもわざわざここに何しに来たんですか?」
校長は、なるべく魔王を怒らせないように言っているのだろう。
「そうだった。俺は別にここで暴れようってわけじゃない。宣戦布告をしに来たんだよ」
「宣戦布告だと?」
魔王は、笑いながら言った。
「ああ。ここに宣言しよう。魔王率いる魔人族はこの国と一ヵ月後、戦争をすると!」
その言葉に、校長は相当驚いた顔をした。
「お前、何が目的だ?昔は、ずっと魔大陸で、ひっそり暮らしていたじゃないですか」
「俺にも、色々あるんだよ。そろそろ動かないといけないんでな」
魔王は、笑みを崩さない。
「あなたの目的は分かりました。それは、ちゃんと私から、ここの国王に言っておきます。なので用が終わったのなら、帰ってもらえないですかね?生徒達が怖がっているので」
「まあ待てよ。後一つだけ残ってるんだよ」
「まだあるんですか?」
魔王は、何故かこちらを見ている気がする。
俺の気のせいだと願いたい。
「そこにいるレイロード!俺の使い魔を殺したお前だ!」
魔王は俺を指さしながら、叫んできた。
「ちょっと行ってくる」
マリーにそう言い、俺は、風魔法を使い、魔王の所へと向かった。
「俺の事ですか?けど、俺は使い魔なんて殺した覚えはないんですけどね」
「ほざくな。ドラゴン殺しただろうが。本当は、あれで国の戦力を減らすつもりだったやつをよ」
.....そういうことだったのか。
何で、あんな所に、ドラゴンがいたのかようやく分かった。
「それなら殺しましたね。弱すぎて相手になりませんでしたよ」
俺は、軽く挑発した。
なんせ、折角の魔法祭を壊した奴だ。
腹が立ってしょうがない。
魔王は、俺の言葉を聞いて、怒らず笑い出した。
「ハッハッハ。まさか魔王と分かって、挑発してくるとはな。やはり面白いなお前」
すると、魔王が、俺をじろじろ見てくる。
「えーと。確認だけなら俺戻っていいですか?」
正直、こいつの存在の威圧感だけで、冷静でいるふりをそう長く持ちそうにない。
「いや。本題はこれからだ。魔人族との戦争の際、お前が俺の前に現れなければ、ここに乗り込むからな」
魔王は脅してきた。
「どういうことですか!」
校長は怒りながらそう言った。
「そのまんまだよ。俺はこいつに興味を持ったんでな。戦ってみたいんだよ」
魔王は、冷静に返す。
「俺が、戦争に参加すればいいってことですか?」
俺も正直、発狂して、今すぐここを抜けだしたい気持ちを抑えて、聞く。
「それだけじゃない。俺と戦え。その歳でドラゴンを殺す奴だ。楽しみでしょうがない」
こいつも戦闘狂か。
「分かりました。あなたのもとに向かいます」
ここでは、こう言っておく。
その言葉に、魔王は満足したらしい。
「楽しみにしているぞ」
そう言い、魔王は、ドラゴンに乗り、去ろうとした。
「待て、魔王。生徒を狙うと分かっているのにみすみす逃すわけがないだろう」
校長は、いつの間にか、上空に上がり、あの時俺との勝負での技を使おうとしている。
「俺とやるのか?あの時やられたお前がか?」
魔王は、あの技の構えを以てしても、余裕だ。
「あの頃のままの私だと思うな!」
校長は叫び、ファイアーボールをすでに巨大化したものを放った。
「進め」
魔王は、ドラゴンにそう言い、ファイアーボールに突っ込む。
そして、何も使っていない。
ただの剣を振り、真っ二つにした。
「は?」
校長は、呆けた顔して固まってしまう。
魔王は、校長の隣に行き、
「お前こそ、前までの俺と思うなよ。後以前より威力が衰えていたぞ。そんな弱い奴に興味はない。さらばだ」
魔王は、そう言い校長の横を通り過ぎた。
校長は、悔しそうな顔をしながらも、何も出来ない自分に悔しそうな顔をしていた。
それから、当然のように魔法祭は、中止になり生徒はその場に残され、会場に来ている、人達は帰って行った。
「皆さんも分かっているように戦争が始まります」
校長は、そう前置きした。
「今回、アラン二世の力はないと思われます。なんせ、二カ月前にこの国を去り、邪神にまた挑みにいかれました」
その言葉を聞いて、絶望的な顔をした人もいれば、膝から崩れ落ちる人もいる。
「だけど、今いる戦力でこの国は戦わなければならない。もし、この戦争に参加してくれる人がいれば助かります。正直に言って、魔導士は後衛に配置されると思うので、この国が負けない限り身の安全は大丈夫です。だが、これは強制ではありません。戦ってくれる人だけでいいのでお願いします」
校長は、そう言い、頭を下げた。
「皆さんの返事は、戦争の一週間前に聞こうと思います。それとレイロード君は、後ほど校長室に来てください」
そして、皆は誰も喋らず帰って行った。
自分達が、無詠唱を使えるようになり、役に立つことが分かっているからこそ、迷っているのかもしれない。
俺も迷いながら、校長室に向かった。
「どうぞ」
俺が、ドアをノックすると、校長がそう言った。
「失礼します」
俺は、部屋に入ると、以前のような笑っている校長ではなく、真剣な表情だ。
「今回呼んだ理由は、君にも分かっていると思いますが、魔王の君に言った言葉です」
やはり、そうか。
「率直聞きます。あなたは戦争に参加するつもりですか?」
「正直に言って迷っています。俺が戦争に参加しないといけないのは、分かっているんですが.....」
校長は朗らかな笑みを浮かべて言った。
「私からしたら、参加しない方がいいと思います。あの魔王は、本当に強い。ですので、参加しなくても誰にも文句は言わせないようにしますし、もし魔王が学校に攻めても、生徒を学校に連れてこなければいい話ですから」
校長はそうフォローしてくれる。
だが、それをしても意味はない。
「この国が負けたら、意味はないですよね?」
校長は、顔を俯かせる。
「確かにその通りです。これは、言わない方がいいと思いますが、一つの手として、この国から逃げるのも手でしょう」
そうだろうな。俺もそれを考えた。
「校長は、どうするんですか?」
俺は、少し気になっている事を聞いた。
「私は、戦いますよ。その為に、これから自分を鍛えるつもりです」
「そうなんですね。俺も少し考えます」
俺は、そう言い、校長室を後にした。
それから、学校の授業も中止になり、家に帰ることになった。
俺は、一人自分の部屋に戻った。
すると、タマがいた。
「お前どうしたんだ?」
「ご主人様のベットが気持ちいから寝てたニャー」
あくびしながら、そんな呑気なことを言う。
「お前も分かってるだろ?今から戦争が起きるのに、呑気だな」
「分かってるけど、流石に何回も見てきたから慣れてるニャー」
流石、伊達に何年も生きてるわけじゃないよな」
「お前は、俺がどうするのがいいと思う?」
俺は、自分で決めれず、タマに聞いてみた。
「ご主人様の好きにするのがいいと思うニャー」
タマの相変わらずの返事に苦笑してしまう。
そうだよな。これは自分で決めるしかない。
家族や、大切な人を連れて、何処かに逃げるのが一つ目の選択。
俺が、魔王を足止めする役を受け持ち、戦争に勝つのが、二つ目の選択。
「ふーーーー」
俺は、一度深呼吸して、考えた。
決めた。
三つ目の選択だ。
家族や、大切な人を逃がして、俺は戦争に出る。
そう決めた時だった。
ドアがノックされた。
「どうぞ」
ココかなと思うと、そこには、
「マリー、それにシアもどうしたんだ?」
そこには、何故かマリーとシアがいた。
魔法祭がある日だ。
魔法祭は、クラス全員で行い、魔法を競い合う、魔法学校の一大イベントであるものだ。
この魔法祭では、色んな人が見に来て、魔法で優れている人を、将来的に自分の会社に推薦したりすることもあるらしい。
その為、皆やる気だ。
今までの魔法祭よりも今年は何倍の人が集まるらしい。
それも、校長が無詠唱を使うと色んな人に宣言したからだ。
この学校に来て、もう三カ月が経ち、この学校にいる人は、全員無詠唱が使えるようになった。
なので、皆やる気だ。
俺もすでにやる気だ。
「頑張るよ。レイ」
マリーは、そう言ってくる。
「おう」
俺は、そう返事する。
「今年は何処が勝ってもおかしくないですけど、レイ達に勝ってみせます」
シアも、やる気満々だ。
俺達の関係は、あれからも相変わらずだ。
変わったことは、シアが俺の事をレイと呼ぶようになった事と、マリーとシアが仲良くなったことだ。
二人が仲良くなったおかげで、最近は、前よりも楽しい。
それから、シアと別れ、俺達は開会式を終え、観客席に座る。
会場は、以前俺とシアや校長と戦った練習場だ。
まずは、第一種目を発表をしてから、それに適した生徒を先生が選ぶ感じだ。
なので、実況の校長の言葉が流れようとした時だ。
「ちょっと待ってもらおうかーーー!」
その言葉が、何処からか聞こえてきた。
俺は、何処から聞こえたのか、辺りを見渡すと、何故か朝で明るいはずなのに暗くなった。
俺は、上を向くと、そこにはとてつもなくでかいドラゴンがいた。
「伏せて!」
校長の叫ぶ声が、会場に響き渡った。
その言葉と同時にドラゴンが会場に降りてきた。
俺は、伏せた顔を上げ、そのドラゴンを見た。
そのドラゴンは、俺が倒したドラゴンの倍はある大きかった。
だが、それはまだいい。
問題は、そのドラゴンに乗っている人物だ。
体全身紫色で、角を二本生やしている男だ。
何故か、寒気を感じる。
そして、俺は思った。
こいつは強すぎる。
今まで、会ったことのある人物で、一番強いだろう。
誰だ。こいつは。
俺がそう思っていると、校長が、会場からそのドラゴンへ近づいて言った。
「どうしてこんな所にいるんだ。魔王!」
校長は、声では怒っているようだが、額から冷や汗が流れていた。
俺も冷や汗が止まらない。
なんせ、魔王と言えば、三大最強の、魔人族の一人、ラバーナだ。
校長の言葉に、悲鳴をあげながら、逃げ出す人が現れた。
「ギャアギャアうるせんだよ!少し黙って待てろ!」
魔王のその言葉に、何故か誰もが逆らえない。
多分分かっているのだろう。
今逆らえば、殺されると。
「久しぶりだな。ソロ冒険者最強のルドルフ」
校長は、その言葉に、鼻で笑った。
「昔の話ですよ。今はただの校長です。それよりもわざわざここに何しに来たんですか?」
校長は、なるべく魔王を怒らせないように言っているのだろう。
「そうだった。俺は別にここで暴れようってわけじゃない。宣戦布告をしに来たんだよ」
「宣戦布告だと?」
魔王は、笑いながら言った。
「ああ。ここに宣言しよう。魔王率いる魔人族はこの国と一ヵ月後、戦争をすると!」
その言葉に、校長は相当驚いた顔をした。
「お前、何が目的だ?昔は、ずっと魔大陸で、ひっそり暮らしていたじゃないですか」
「俺にも、色々あるんだよ。そろそろ動かないといけないんでな」
魔王は、笑みを崩さない。
「あなたの目的は分かりました。それは、ちゃんと私から、ここの国王に言っておきます。なので用が終わったのなら、帰ってもらえないですかね?生徒達が怖がっているので」
「まあ待てよ。後一つだけ残ってるんだよ」
「まだあるんですか?」
魔王は、何故かこちらを見ている気がする。
俺の気のせいだと願いたい。
「そこにいるレイロード!俺の使い魔を殺したお前だ!」
魔王は俺を指さしながら、叫んできた。
「ちょっと行ってくる」
マリーにそう言い、俺は、風魔法を使い、魔王の所へと向かった。
「俺の事ですか?けど、俺は使い魔なんて殺した覚えはないんですけどね」
「ほざくな。ドラゴン殺しただろうが。本当は、あれで国の戦力を減らすつもりだったやつをよ」
.....そういうことだったのか。
何で、あんな所に、ドラゴンがいたのかようやく分かった。
「それなら殺しましたね。弱すぎて相手になりませんでしたよ」
俺は、軽く挑発した。
なんせ、折角の魔法祭を壊した奴だ。
腹が立ってしょうがない。
魔王は、俺の言葉を聞いて、怒らず笑い出した。
「ハッハッハ。まさか魔王と分かって、挑発してくるとはな。やはり面白いなお前」
すると、魔王が、俺をじろじろ見てくる。
「えーと。確認だけなら俺戻っていいですか?」
正直、こいつの存在の威圧感だけで、冷静でいるふりをそう長く持ちそうにない。
「いや。本題はこれからだ。魔人族との戦争の際、お前が俺の前に現れなければ、ここに乗り込むからな」
魔王は脅してきた。
「どういうことですか!」
校長は怒りながらそう言った。
「そのまんまだよ。俺はこいつに興味を持ったんでな。戦ってみたいんだよ」
魔王は、冷静に返す。
「俺が、戦争に参加すればいいってことですか?」
俺も正直、発狂して、今すぐここを抜けだしたい気持ちを抑えて、聞く。
「それだけじゃない。俺と戦え。その歳でドラゴンを殺す奴だ。楽しみでしょうがない」
こいつも戦闘狂か。
「分かりました。あなたのもとに向かいます」
ここでは、こう言っておく。
その言葉に、魔王は満足したらしい。
「楽しみにしているぞ」
そう言い、魔王は、ドラゴンに乗り、去ろうとした。
「待て、魔王。生徒を狙うと分かっているのにみすみす逃すわけがないだろう」
校長は、いつの間にか、上空に上がり、あの時俺との勝負での技を使おうとしている。
「俺とやるのか?あの時やられたお前がか?」
魔王は、あの技の構えを以てしても、余裕だ。
「あの頃のままの私だと思うな!」
校長は叫び、ファイアーボールをすでに巨大化したものを放った。
「進め」
魔王は、ドラゴンにそう言い、ファイアーボールに突っ込む。
そして、何も使っていない。
ただの剣を振り、真っ二つにした。
「は?」
校長は、呆けた顔して固まってしまう。
魔王は、校長の隣に行き、
「お前こそ、前までの俺と思うなよ。後以前より威力が衰えていたぞ。そんな弱い奴に興味はない。さらばだ」
魔王は、そう言い校長の横を通り過ぎた。
校長は、悔しそうな顔をしながらも、何も出来ない自分に悔しそうな顔をしていた。
それから、当然のように魔法祭は、中止になり生徒はその場に残され、会場に来ている、人達は帰って行った。
「皆さんも分かっているように戦争が始まります」
校長は、そう前置きした。
「今回、アラン二世の力はないと思われます。なんせ、二カ月前にこの国を去り、邪神にまた挑みにいかれました」
その言葉を聞いて、絶望的な顔をした人もいれば、膝から崩れ落ちる人もいる。
「だけど、今いる戦力でこの国は戦わなければならない。もし、この戦争に参加してくれる人がいれば助かります。正直に言って、魔導士は後衛に配置されると思うので、この国が負けない限り身の安全は大丈夫です。だが、これは強制ではありません。戦ってくれる人だけでいいのでお願いします」
校長は、そう言い、頭を下げた。
「皆さんの返事は、戦争の一週間前に聞こうと思います。それとレイロード君は、後ほど校長室に来てください」
そして、皆は誰も喋らず帰って行った。
自分達が、無詠唱を使えるようになり、役に立つことが分かっているからこそ、迷っているのかもしれない。
俺も迷いながら、校長室に向かった。
「どうぞ」
俺が、ドアをノックすると、校長がそう言った。
「失礼します」
俺は、部屋に入ると、以前のような笑っている校長ではなく、真剣な表情だ。
「今回呼んだ理由は、君にも分かっていると思いますが、魔王の君に言った言葉です」
やはり、そうか。
「率直聞きます。あなたは戦争に参加するつもりですか?」
「正直に言って迷っています。俺が戦争に参加しないといけないのは、分かっているんですが.....」
校長は朗らかな笑みを浮かべて言った。
「私からしたら、参加しない方がいいと思います。あの魔王は、本当に強い。ですので、参加しなくても誰にも文句は言わせないようにしますし、もし魔王が学校に攻めても、生徒を学校に連れてこなければいい話ですから」
校長はそうフォローしてくれる。
だが、それをしても意味はない。
「この国が負けたら、意味はないですよね?」
校長は、顔を俯かせる。
「確かにその通りです。これは、言わない方がいいと思いますが、一つの手として、この国から逃げるのも手でしょう」
そうだろうな。俺もそれを考えた。
「校長は、どうするんですか?」
俺は、少し気になっている事を聞いた。
「私は、戦いますよ。その為に、これから自分を鍛えるつもりです」
「そうなんですね。俺も少し考えます」
俺は、そう言い、校長室を後にした。
それから、学校の授業も中止になり、家に帰ることになった。
俺は、一人自分の部屋に戻った。
すると、タマがいた。
「お前どうしたんだ?」
「ご主人様のベットが気持ちいから寝てたニャー」
あくびしながら、そんな呑気なことを言う。
「お前も分かってるだろ?今から戦争が起きるのに、呑気だな」
「分かってるけど、流石に何回も見てきたから慣れてるニャー」
流石、伊達に何年も生きてるわけじゃないよな」
「お前は、俺がどうするのがいいと思う?」
俺は、自分で決めれず、タマに聞いてみた。
「ご主人様の好きにするのがいいと思うニャー」
タマの相変わらずの返事に苦笑してしまう。
そうだよな。これは自分で決めるしかない。
家族や、大切な人を連れて、何処かに逃げるのが一つ目の選択。
俺が、魔王を足止めする役を受け持ち、戦争に勝つのが、二つ目の選択。
「ふーーーー」
俺は、一度深呼吸して、考えた。
決めた。
三つ目の選択だ。
家族や、大切な人を逃がして、俺は戦争に出る。
そう決めた時だった。
ドアがノックされた。
「どうぞ」
ココかなと思うと、そこには、
「マリー、それにシアもどうしたんだ?」
そこには、何故かマリーとシアがいた。
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