ラノベ独学の最強スキル3つを選んでみた。~チートって一体~

Kartian

決戦〜大男〜

「え」

 ……マジで?
 なぜかいきなりデカ男と殺ることになった。
 本当にやめてほしい。

「いやいや、ちょっとまってくださいよ!」

「やるのやらないの? やらないんだったら入れないよ? ギルド」

「入れないの?じゃあやるしかないか……。すごく嫌だけど」

「俺もこんな奴に負けたりはしない」

 あぁ!? こっちも負ける気しかしねぇよ!
 と心の中で言い返した。

「さて、早速準備に移るかな」

「アニキィ、弱めでお願いしますよ〜」(ボソッ

「手は抜かんぞ」

 最後の頼みが崩れた瞬間、涙が出て来た。
 お父さん、お母さん。
 ラノベで死んでごめんなさい。
 と涙を流している俺の横で観衆がボソボソ言い始めた。

「え、なんか泣いてる。キモっ」

「うるさぁぁい! こうなったら、もうヤケクソじゃい! かかって来いや!」

 溢れんばかりの殺気を体で表現したら、カマキリになった。
 最後にちょっとは笑いを取れたかな。
 あ、いつの間にか漏らしてら。
 みんな引いてる。オワタ。
 例え生きていたとしても人間としてオワタ。

 さあ、闘おうか。

「あ、ここではやらないからね。ついてきて」

「おぉー!」

 すげー。
 本当にコロシアムみたいだ。
 土の舞台が20列くらいある観客席のベンチ中心にある。
 かなりでかい。と股間が湿っている感覚を既に忘れていながらもそう思った。

「さぁすぐやるわよ。ルールは武器あり。魔法あり。基本的に何でもあり。何なら殺しちゃってもOK」

「最後のは納得が行かないぞー?」

「さぁ準備はいい?READY……」

 え? そんなすぐ始まるの?
 準備はいい? って聞いた意味無いじゃん。
 ちょっと待って欲しかったなぁ。

「FIGHT!!」

△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 何故だろうか。
 今から闘おうとしているのは俺より小さい、ましてや戦えなさそうな顔をしている。
 そして俺と戦うことになった時漏らしていた。
 盛大に漏らしていた。
 ……なのに、何故こんなに震えているんだ、怯えているんだ、勝てる気がしないんだ。
 ここで立ち止まっている暇はないんだ。
 妹が……クソッ!

 負けて……たまるか……!!

「READY  FIGHT!!」

「先手必勝おおぉぉぉ!!」

 頭を思い切り殴った。
 終わったな。


 ……な?!
 無傷だと?!
 俺の本気の拳で倒れないものなど居なかった。
 倒れないどころか無傷?
 ありえない!

△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 いやぁ、本当にありえない。
 なんでか知らないけど全然痛くない。
 何でだ?
 もしかしてステータスがすごく上回ってるとか?
 それはビックリ。

「うおおおぉぉぉぉ!」

 あれ?ほんとに痛くないぞ?
 とりあえず2回も攻撃されたんだから攻撃しないと。

△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 受付嬢です。
 目の前に起きてることが全くわからなさ過ぎて言葉を失っております。
 というかちっこいの。
 アイツは何?
 『ドンッ!』って1回しか攻撃を与えてないはずなのになぜか大男が何10発も食らったみたいになってる!
 まさか音速を超えてるの?

 ……小便小僧強し。

△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 え、なんかすみません。
 倒しちゃったんですけど。
 終わりですよね……って受付嬢も呆然としてるよ。

「これでいいですか?」

「え。あ、え? えぇ!?」

 湧き上がる観客。
 ……はどこにも居なかった。
 多分決着は当然分かったことだと思って来てないのだろう。
 けどやっぱり寂しいね。
 あ、漏らしてたの忘れてた。

 ……ま、いっか。

「しょ、勝者!玉田 大輔!!」

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