ラノベ独学の最強スキル3つを選んでみた。~チートって一体~

Kartian

ソンヨンさんの娘、サヤ

 朝になった。
 外がやけにうるさかった。
 それはそうだ。
 外に出て確認してみたが、やっぱり朝市の売るものが届いていなかった。
 最初の日はよかった。
 だが、二日目から複数の人が疑問を持ち始めた。
 けどそれも複数。
 全てを把握するのはまだ数日後の話だろう。
 俺はこの状況をすぐにでもどうにかしたい、がそれは無理に近かった。
 なぜなら、知らない人が仕切っても人が腐っていくだけだ。
 誰かいないのだろうか。
 この事実を知っている人は……。

 周りを見渡してみたらこちらをジロジロ見てくる女が居た。
 なんだと思って見たがソンヨンさんの娘だった。
 まだお父さんの事言ってなかったな。
 ちゃんと言わないと。

「すみません」

「あー! やっぱりそうですよね!助けてくれた人ですよね!」

「? は、はぁ」

「あの時は本当に助かりました! お礼にお茶でもどうです?」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 何でこうなってしまったんだ……
 すごい強制的に連れてこられたが、この子は当日の事を見てたのか?
 凍ってたのに?

「あの凍ってたのに目を開けてたんですか?」

「はい! なんか変態さんが寄ってきたのでこの目でどんなイケメンか確かめて見たくて! けど、結構ブスでした。残念です。」

 ん? これって結構娘さんやばいよね。
 ちゃんとお父さんの事言わないとな。

「すみません。お父さんの事、僕は……」

「言わないで!」

「へ?」

「お父さんが死んだ時、胸の奥が締め付けられる感じがしたの。そして、悲しかった。けど、守ってくれたんだから私が前向かないでどうするって自分で背中を押したので大丈夫です!」

 ……。大した娘だった。
 何故か知らないけどなんかこの人はすごい人になる。
 そう、心の中で確信付いていた。

「その間、わずか2秒!」

「いや、早すぎるっ!」

 何だこいつ。
 切り替え早いと思ったけど、ただ単にお父さん嫌いなだけじゃ……。

「助けてくれてありがとうございました。役立たずの父より英雄でした!」

「やっぱ嫌いなんじゃねぇか!!」

 おぉい! そこまで言うとソンヨンさん泣くぞ!?
 いや、多分もう泣いてるよ?!

「あ、申し遅れました。私、サヤ・ピラスネット。嘘偽りなく役立たず父の娘です」

「もう、辞めてあげて」

「ん?何がですか?」

 もう、ツッコまないでおこう。
 それ以上抉られるのも本望じゃないだろ? ソンヨンさん。

「それで、あそこで何探してたんですか? 美人さんですか?」

 あ、そうだ。
 主旨を危うく忘れるところだった。
 俺はこの国の先を見据えて国民に指揮を執ってもらう言わば長みたいなのが欲しかった。
 けど、この国で俺の知り合いはこいつと、あの魔人の長だ。
 なんかこいつに言うのも抵抗あるが、言うしかないだろ。

「なぁ、長やらない?」

 絶対Yesって言わないよな。
 というか言わないでくれ!
 この国の長がお前だとやばい気がする!

「ん? 良いよー」

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