ラノベ独学の最強スキル3つを選んでみた。~チートって一体~

Kartian

デカ物の正体

 キースの後ろのデカ物はその名の通りかなりデカかった。
 高さ的には三階建てのアパートくらいの大きさでかなりごつい体のデカ物だ。
 そいつは鎖を巻き付けられていてチューブを体の所々から出している。
 いや、外から入れられているというのが正解だろう。
 そのチューブからは何か液体のようなものが入っていて、怪物に流れ込んでいる様に見える。
 そしてこいつはフリーズしていた。

「なぜじゃ……」

「何がだ」

「こいつは500年前、タカセが魔族で唯一仲間にしていた『ゴブリン』!!」

 は?ゴブリン?

「ゴブリンは集団で戦い、あまり戦いを好まないのに対し、このタカセが仲間に付けたゴブリンは全くの逆。単独での行動を主とし、殺戮を好む事から付けられた二つ名が『無慈悲な異端者クルー・ヘリテック』!」

 ゴブリンの癖にすげーカッコイイ名前してんじゃん。

「其奴1体で小規模国家の一軍隊は破滅できる」

「ふーん」

 そう言いながら、デカ物に近づいていく。

「おい!大輔、あまり近寄ると殺されるぞ!」

「小規模国家の一軍隊を破滅出来るんだろ?だったら今無力な内に倒すのが妥当じゃねえか?」

「だが、其奴がいきなり動いたら……」

「大丈夫。最初は若干ビビったけど、動いてねんじゃあ、あまり怖くもねえ。それに……」

 俺は高く飛び、デカ物の顔面に思い切り殴った。
 そうすると、デカ物の顔は潰れ、赤い血が吹き出してきた。
 それは慈悲があるとは言い難い俺の顔を反射させ、地面へと落ちていく。
 赤い雨。
 自分にはこの雨が似合っていないと思いながらあの日の事を思い出す。

「大規模国家の軍隊くらいなら一瞬で倒せる」

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