事故死したので異世界行ってきます
第45話目 躍進⑤
「メリィさんこちらへ来てもらっても良いですか?」
全員の試験が終わったのを確認し大臣が小魔晶石を破壊した少女を呼ぶ。
「……はぃ…」
不安そうな声でそう言うものの、どこか覚悟を決めた様な雰囲気を漂わせる少女は大臣の下まで歩いて向かった。
「今から校長先生のお話をしに行きます。良いですね?」
「はい……」
「国お……ゴホン。校長先生、この者が今回のテストで最も優れた成績を残した生徒です」
大臣は俺と面と向かうとつい、いつもの癖で国王様と言ってしまうようだ。完璧の中にもこういう人間らしいミスがある事により近寄り難い人間にはならないんだろうな。と、1人で考える俺を少女はジッと見つめている。
「名前を教えてくれますか?」
俺は優しく声をかける。
「メリィ……です、あの……」
「なんでしょう?」
「本当にごめんなさい!!!」
消えそうな声しか出さなかった少女からは想像もできないほどの大声を出して謝罪した。
「大臣、彼女は何に対して謝っているのですか?」
「実は、あまりの魔力量により小魔晶石を破壊してしまいそれに対して謝罪をしているのです」
俺は、大臣のその言葉を聞き一度は驚いたがにっこりと笑い彼女に喋りかけた。
「大丈夫だよ。弁償なんてしなくても良いし学校を辞めさせたりもしない。それよりもメリィに渡したい物があるんだけど受け取ってくれるかな?」
「…え…何ですか……?」
俺はアイテムボックスから事前に造っておいた魔杖と現時点でこの国にある最も高価な魔道書を手渡した。
「こ、これは……」
「成績優秀者に与えられる賞品です。これは校長先生のご厚意ですので、どうぞ受け取ってください」
少女は魔杖。ぎゅっと握りしめ魔道書を胸に当ててこう言った。
「ありがとうございます!!」
少女はその、小柄な体から大きな声張り上げて感謝の気持ちを伝えてくれた。
「大臣、それでは明日の予定を知らせて解散させてください」
「御意。 皆様、本日は突然の試験お疲れ様でした、この試験を持って今日の行事は全て終わりとさせて頂きます。明日の開校時間は朝10時です。明日は戦闘試験を行いますので今日はゆっくりと体を休め明日に備えるようお願いします。では本日はお疲れ様でした。気をつけておかえりください」
大臣のその挨拶が終わると、2000の人々がまちまちと学校を後にし帰っていった。
「大臣お疲れ様でした。明日も引き続きよろしくお願いします」
「御意」
「あ、それから急で悪いんですが今から闘神を引き継ぐ式を執り行ってもらって良いですか?」
「承知しました、玉座の間で行いますか?」
よくわからないがこういうのは一応ちゃんとしておいた方がいい気がする。
「それでお願いします、俺はリベリアルを呼んできます」
俺はリベリアルを呼びに行きなんの説明もしていなかったので、一応一通り説明をして承諾を得たため早速玉座の間に【ゲート】を使い移動し式を執り行った。
「それではリベリアル殿、今日から黒き闘神として役目を果たしてください」
「あぁ」
「ミルコさんありがとうございました。それではまた明日よろしくお願いします。俺は国王室で書類の整理をしていますので何かあればお越しください」
俺はリベリアル、もとい黒き闘神を引き連れて国王室へと入った。中には当然の如くそして機械のようにテキパキと働く前国王ラギナの姿があった。
「いつも悪いなラギナ」
「そうだな……こんど酒でも奢ってもらおうかの?」
筆を止め俺の顔を見て笑いながらそう言った。
そんな和気藹々とした雰囲気を1つの警鐘が引き裂く。
「敵襲ッ!!!敵襲ッ!!!」
番兵の声が緊急事態であることを更に掻き立てるように鼓膜を震わせる。
国王室のドアがドンッ!!!という鈍い音を立てて開くとそこには汗を垂らす大臣の姿があった。
「国王様、お逃げください。ゼルゲドル国が出撃してきました……」
「ゼルゲドル国?」
「なんだ、ユウスケそんなことも知らぬのか?国王失格じゃな!ハハハ!」
焦るのが正解なのか笑うのが正解なのかわからなくなり混乱しているところに大臣が焦った声でこう言った。
「六闘神を引き連れて現れたようです……直ちにお逃げください!」
「まぁ、大臣よこっちに来て座って落ち着いて考えてみろ」
ラギナが平静を保ったままそう言う。大臣は先程までの焦りが嘘のように素直に椅子に座って前国王の話に耳を傾ける。
「闘神が何人いようともユウスケを凌ぐ戦力にはならんだろう?」
「し、しかし……万が一の事が……」
「であるなら儂も参戦しよう、リベリアル殿も参戦してくれるな?」
「当然だ、主人を護る事が私の役目だ」
「国王様、良いんですか……??」
大臣が俺の方を見ながらそう訊く。だが俺は元より逃げるつもりは無い、それは自身が強いからとかそう言う事じゃ無い。三魔将の内2体を一瞬にして屠ったリベリアルが闘神如きに負けるわけがないと。慢心にも似た信頼をしているからだ。
それに何より……
「王が民を置いて逃げるなど、それは王ではないでしょう」
「ほほぅ……」
ラギナが感嘆の声を漏らす。だがそんな感情に浸る暇もなくゼルゲドル国は攻撃の手を休める事なく襲撃し続けている。
「こんな話をしている時間が勿体無いです。今すぐ国民の安全の確保と敵国の殲滅を始めましょう。大臣は全ての戦士たちを国民の保護に当ててください。殲滅は俺、ラギナ、リベリアルに任せて下さい」
「ぎょ、御意ッ!!!」
大臣は慌てて戦士たちを国民の救出へと駆り出し、ラギナは【ゲート】を使い金色の鎧と黄金の剣を身につけ、リベリアルは魔剣、魔装を身に纏い。俺はかなり高額を叩いて買った例のヤクザ風ファッションで戦場に向かった。
次回更新は3/27です。
全員の試験が終わったのを確認し大臣が小魔晶石を破壊した少女を呼ぶ。
「……はぃ…」
不安そうな声でそう言うものの、どこか覚悟を決めた様な雰囲気を漂わせる少女は大臣の下まで歩いて向かった。
「今から校長先生のお話をしに行きます。良いですね?」
「はい……」
「国お……ゴホン。校長先生、この者が今回のテストで最も優れた成績を残した生徒です」
大臣は俺と面と向かうとつい、いつもの癖で国王様と言ってしまうようだ。完璧の中にもこういう人間らしいミスがある事により近寄り難い人間にはならないんだろうな。と、1人で考える俺を少女はジッと見つめている。
「名前を教えてくれますか?」
俺は優しく声をかける。
「メリィ……です、あの……」
「なんでしょう?」
「本当にごめんなさい!!!」
消えそうな声しか出さなかった少女からは想像もできないほどの大声を出して謝罪した。
「大臣、彼女は何に対して謝っているのですか?」
「実は、あまりの魔力量により小魔晶石を破壊してしまいそれに対して謝罪をしているのです」
俺は、大臣のその言葉を聞き一度は驚いたがにっこりと笑い彼女に喋りかけた。
「大丈夫だよ。弁償なんてしなくても良いし学校を辞めさせたりもしない。それよりもメリィに渡したい物があるんだけど受け取ってくれるかな?」
「…え…何ですか……?」
俺はアイテムボックスから事前に造っておいた魔杖と現時点でこの国にある最も高価な魔道書を手渡した。
「こ、これは……」
「成績優秀者に与えられる賞品です。これは校長先生のご厚意ですので、どうぞ受け取ってください」
少女は魔杖。ぎゅっと握りしめ魔道書を胸に当ててこう言った。
「ありがとうございます!!」
少女はその、小柄な体から大きな声張り上げて感謝の気持ちを伝えてくれた。
「大臣、それでは明日の予定を知らせて解散させてください」
「御意。 皆様、本日は突然の試験お疲れ様でした、この試験を持って今日の行事は全て終わりとさせて頂きます。明日の開校時間は朝10時です。明日は戦闘試験を行いますので今日はゆっくりと体を休め明日に備えるようお願いします。では本日はお疲れ様でした。気をつけておかえりください」
大臣のその挨拶が終わると、2000の人々がまちまちと学校を後にし帰っていった。
「大臣お疲れ様でした。明日も引き続きよろしくお願いします」
「御意」
「あ、それから急で悪いんですが今から闘神を引き継ぐ式を執り行ってもらって良いですか?」
「承知しました、玉座の間で行いますか?」
よくわからないがこういうのは一応ちゃんとしておいた方がいい気がする。
「それでお願いします、俺はリベリアルを呼んできます」
俺はリベリアルを呼びに行きなんの説明もしていなかったので、一応一通り説明をして承諾を得たため早速玉座の間に【ゲート】を使い移動し式を執り行った。
「それではリベリアル殿、今日から黒き闘神として役目を果たしてください」
「あぁ」
「ミルコさんありがとうございました。それではまた明日よろしくお願いします。俺は国王室で書類の整理をしていますので何かあればお越しください」
俺はリベリアル、もとい黒き闘神を引き連れて国王室へと入った。中には当然の如くそして機械のようにテキパキと働く前国王ラギナの姿があった。
「いつも悪いなラギナ」
「そうだな……こんど酒でも奢ってもらおうかの?」
筆を止め俺の顔を見て笑いながらそう言った。
そんな和気藹々とした雰囲気を1つの警鐘が引き裂く。
「敵襲ッ!!!敵襲ッ!!!」
番兵の声が緊急事態であることを更に掻き立てるように鼓膜を震わせる。
国王室のドアがドンッ!!!という鈍い音を立てて開くとそこには汗を垂らす大臣の姿があった。
「国王様、お逃げください。ゼルゲドル国が出撃してきました……」
「ゼルゲドル国?」
「なんだ、ユウスケそんなことも知らぬのか?国王失格じゃな!ハハハ!」
焦るのが正解なのか笑うのが正解なのかわからなくなり混乱しているところに大臣が焦った声でこう言った。
「六闘神を引き連れて現れたようです……直ちにお逃げください!」
「まぁ、大臣よこっちに来て座って落ち着いて考えてみろ」
ラギナが平静を保ったままそう言う。大臣は先程までの焦りが嘘のように素直に椅子に座って前国王の話に耳を傾ける。
「闘神が何人いようともユウスケを凌ぐ戦力にはならんだろう?」
「し、しかし……万が一の事が……」
「であるなら儂も参戦しよう、リベリアル殿も参戦してくれるな?」
「当然だ、主人を護る事が私の役目だ」
「国王様、良いんですか……??」
大臣が俺の方を見ながらそう訊く。だが俺は元より逃げるつもりは無い、それは自身が強いからとかそう言う事じゃ無い。三魔将の内2体を一瞬にして屠ったリベリアルが闘神如きに負けるわけがないと。慢心にも似た信頼をしているからだ。
それに何より……
「王が民を置いて逃げるなど、それは王ではないでしょう」
「ほほぅ……」
ラギナが感嘆の声を漏らす。だがそんな感情に浸る暇もなくゼルゲドル国は攻撃の手を休める事なく襲撃し続けている。
「こんな話をしている時間が勿体無いです。今すぐ国民の安全の確保と敵国の殲滅を始めましょう。大臣は全ての戦士たちを国民の保護に当ててください。殲滅は俺、ラギナ、リベリアルに任せて下さい」
「ぎょ、御意ッ!!!」
大臣は慌てて戦士たちを国民の救出へと駆り出し、ラギナは【ゲート】を使い金色の鎧と黄金の剣を身につけ、リベリアルは魔剣、魔装を身に纏い。俺はかなり高額を叩いて買った例のヤクザ風ファッションで戦場に向かった。
次回更新は3/27です。
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