歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~

なつきいろ

第25歩目 はじめての雇用契約!

俺とアテナはラズリさんに相談すべくギルドに来ている

仲間を探し始めて、既に3日が過ぎた
その間に3つのパーティーに加入してみたのだが......

「ダメダメ!アテナちゃんは置いてきてよ」
「ん~。ごめんな~。アテナちゃんがいるとちょっと......」
「アテナちゃんを任せられるのはお前しかいない!」

と、大体1日でパーティーを追い出されることになった

「どいつもこいつも腑抜けねー!
 足手まといの仲間なんてこっちから願い下げよーヽ(`Д´#)ノ」

こいつ......本当に最悪だ

「足手まといはお前だろ!」
「ふえーーーーーーーーーーーーーーーん(´;ω;`)」

俺が頬をつねると、駄女神は喘いだ

「......とまぁ、こんな感じでしてどうしたらいいでしょう?」
「ふふっ。お二人は相変わらずですね」

相変わらずなのはアテナだけなんですが......

「一般的にパーティーを組む場合は3つの方法が存在します」
「3つですか」

「まずは他のパーティーに加入する方法です
 メリットとしては、攻略に必要な人と力が複数手に入ります
 デメリットとしては、お互い信用と信頼を一朝一夕には得難い点
 報酬面は基本的には山分けが多いでしょう」

パーティーにおいて最も重要なのが信用と信頼なんだとか

「ダンジョン攻略中に、後ろから仲間にさっくり。
 なんて事件も結構あるんですよ」

ダンジョン内で手に入れたものは手に入れた人のもの
このダンジョンルールが原因らしい

でもそのうまみがあってこその冒険者ということだ

「こ、怖いですね。でもそう考えると俺達ってついてたんですね
 今まで組んできたパーティーではありませんでしたし」

「私のおかげだねー( ´∀` )
 そうなる前にパーティーを抜け出せたんだからー!」

追い出されたのを抜け出せたとか、どんだけポジティブだよ!

ラズリさんが言うには、俺達が加入させてもらっていたパーティーは、そこそこ名の知れたパーティーだったみたいだ

「なるほど。有名なところなら安心できるということですね」

「さすがですね。
 知名度の高さが逆に安心につながる訳です。しかし......」

ラズリさんはアテナをちらっと見た

「今やアテナさんのお噂はギルド内でも有名でして、その......」

どこのパーティーも組んでくれる可能性が低いってことか
特に有名どころなんてもってのほかだと言いたいんだな

「私、有名人なのー?当然よねー!感謝しなさいよー歩~!
 私のおかげでパーティー組めてたんだからねー(*´∀`*)」

「なに勘違いしてんだ!この駄女神!
 お前の悪名のせいでパーティーが組みにくくなったんだよ!」

俺は駄女神の頬をつねった

「ふえーーーーーーーーーーーーーーーん(´;ω;`)」

こいつのこの傲慢さは、ある意味女神らしいのかもしれない

「次の方法をお話ししますね」
「お願いします」

「パーティーに加入する以外の方法ですと奴隷でしょう
 メリットとしては、お金で信頼を買うことができます
 デメリットとしては、奴隷の購入費用と育成に時間がかかること
 報酬面は全て主人のものです」

「奴隷ですか......でもお高いんでしょう?」

「そうですね。戦闘奴隷なら男で100万ルクア。女で150万ルクアあたりでしょうか」

高えよ!
しかもできることなら、奴隷なんて馴染みないし関わりたくない

「男より女奴隷が高いのは、家事面や夜のお相手など戦闘以外でも使えるからでしょうね」

聞いてない、聞いてない

「でも決して安い値段じゃないですよね?
 みんながみんな買えるとは思えないのですが......」

「その通りです。そこで3番目の方法となります」

ラズリさんは、少しお待ちください、と言い残してカウンター奥にいってしまった

「なにー?奴隷買うのー?」
「う~ん。買いたくはないけどな。
 ただ将来的には考えないといけなさそうだ」

「じゃー奴隷が二人になるねー!」
「二人?どういうことだ?」
「だってー歩は私の下僕みたいなもんじゃーん( ´∀` )」

そう言うと、アテナはケラケラと笑い出した

「だれが下僕だ!ふざけんな!俺は付き人だろ!」
「ふえーーーーーん!いたーい!」

俺は当然のように駄女神の頬をつねる

「じょーだんだよー。じょーだんー!
 もうー!歩はじょーだんが通じないんだからー(´-ε -`)」

タチの悪い冗談はやめろ!

「お待たせしました」

俺達がいつものやり取りをしていると、ラズリさんが分厚い冊子を持って戻ってきた

「なんですか、それ?」
「雇用名簿です」
「雇用名簿?」

差し出された名簿をパラパラとめくってみる
中には人の名前とランク、ステータスが記されていた

「仲間を増やす3番目の方法が雇用契約です」
「雇用契約?」

「雇用契約とは所謂、ギルドからの人材派遣みたいなものです。
 ギルドと冒険者個人が契約をして、契約した冒険者を一時的に他の冒険者の仲間としてギルドから紹介するものです」

「なるほど」

「雇用契約が仲間を増やす方法としては最も多いですね」
「どうしてです?」

「メリットとしては、ギルドからの紹介なので信頼はともかく信用はしやすいかと思います。さらにお互いが気に入れば、そのままパーティーになるってケースもありますね」

ギルドの後ろ盾と冒険者の出会いの場の提供も兼ねているのか

「それにこの雇用契約は、雇う側だけでなく雇われる側にもメリットがあります。契約期間満了時には、昇格クリア回数が1つ加算される仕組みとなっています」

Aランク以上からは昇格が厳しくなる
まさに両者win-winな関係ってやつか。うまくできてるな

「契約期間は最長で7日間です。
 日給は契約者と相談の上で決めることになります。
 また契約期間中の契約者の衣食住は雇用主負担です」

日本だと雇用主が立場が上なことが多いが、こちらは契約者が上みたいだ
まぁ、借りる立場だし当然か

「契約期間中、契約者は雇用主の安全をはかる義務があります
 優秀なボディーガードみたいなものですね」

「わかりました」

「最後に報酬面ですが、紹介料としてギルドに2割納めてもらいます
 そして残り8割をどうするかは、契約者と相談となります
 基本的には山分けになるでしょう」

報酬は少なくなるけど、後腐れない関係を金で買うってことか

「なら今回は雇用契約にしてみようかと思います」
「そのほうがいいでしょう」

パラパラと冊子をめくってみる

記載されているのは、AとSランクばかりだ
それに数が多すぎる

「SSランク以上はいないんですね」
「SSランク以上は指名依頼で忙しいですから」

と言うことは、SSランクになれば昇格は苦労しないってことか

「なにか雇うための条件とかありますか?
 オススメできる冒険者を紹介しますよ」

「条件ならアテナを邪険にしないことぐらいです」

───ぽふっ。ぽんぽん

「にへへー!どうしたのー?」

アテナは、なぜぽんぽんされたか訳がわからずとも、いつものようににぱー☆と微笑んだ
かわいい

「こんなバカで、ただのおっぱいでしかない、どうしようもない子供のアテナでも、大切なものは大切ですからね」

「そうですか......アテナさんがうらやましいです」

ラズリさんは羨望の眼差しをアテナに向けていた

「ちょっとー!どういうことよー!
 うらやましがられるようなこと言われてないんですけどー!
 むしろバカにされたんですけどーヽ(`Д´#)ノ」

バカでもバカにされたことは分かるんだな


とりあえず俺とアテナはラズリさんに紹介された項目に目を通すことにした

紹介されたのは3人

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ケインズ』 レベル:86(Aランク) 

種族:人間
年齢:20
性別:♂

職業:剣士
称号:なし

体力:3380
魔力:2800
筋力:3250
耐久:3200
敏捷:3330
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『カリー』 レベル:95(Aランク) 

種族:人間
年齢:23
性別:♀

職業:魔術師
称号:なし

体力:2200
魔力:3900
筋力:2890
耐久:2800
敏捷:2780
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『レオン』 レベル:112(Sランク) 

種族:人間
年齢:36
性別:♂

職業:戦士
称号:なし

体力:5560
魔力:3000
筋力:5240
耐久:4980
敏捷:3520
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

みんな強すぎ!
俺って、魔術師よりもステータス低いのか......

「たくさん登録されてるのに3人しかオススメできないんですね......」

アテナの悪名どんだけ拡がってるんだよ!

「いえ。本当はもっといますよ」
「え?じゃあこの3人をオススメする理由はなんです?」
「私の友人だからですね。仕事を斡旋してくれと頼まれたんです」

アテナは関係なかった!
てかこれって、職権乱用になるんじゃないのか?
まぁいいか

「アテナ。誰がいい?」
「だれでもいー。興味ないー。歩が決めてよー」

アテナは心底興味なさそうだ

「俺も条件満たしてるなら、実は誰でもいいんだよな~」
「真剣に考えたほうがいいですよ?命に係わる問題ですし」

そう言われてもな......
ぶっちゃけ仲間募集もアテナを魔物から守るためなだけだし

俺が困っていたら、アテナが予想外なことを言い出した

「ねーねー!ラピスはダメなのー?
 仲間にするならラピスがいいんだけどー?」

「え?私ですか?」
「ラズリさんはギルド職員だから無理だろ」
「そうなのー?つまんなーい!」

確かにラズリさんならアテナを邪険にしない
いい案ではあるが、冒険者じゃないしな......

「いえ。私もいちお登録してますよ」
「してるの!?ギルド職員なのに!?」
「はい。これも婚活に役立ちそうですし」
「あんた、ほとんどそんなのばっかだな!」

話を聞くと、ラズリさんだけでなく他の職員も登録してるらしい
異世界の職員は意外とパワフルだ

「私で本当にいいんですか?
 以前にもお話しましたが、あまり強くないですよ」

「構いませんよ。むしろラズリさんがいいです。
 これからよろしくお願いします」

「私がいいなんて......ありがとうございます!
 こんなに熱い求婚初めてです!ふつつかもの......」

また言い出したよ、この婚活バカ

「ごめんなさい!」
「あぅ......」
「ラピスー!よろしくねー!」


こうして、再びラズリさんが仲間に加わることになった


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『アテナ』 レベル:3 危険度:極小

種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀

職業:女神
称号:智慧の女神

体力:50
魔力:50
筋力:50
耐久:50
敏捷:50

女神ポイント:0【↓2400】

【一言】今回私の出番少なかったねー!
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アユムの所持金:1850000ルクア【↑59万2千ルクア】
冒険者のランク:A(クリア回数:1回)

このお話の歩数:約104150歩(3日分+当日分)
ここまでの歩数:約932110歩
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『アユム・マイニチ』 レベル:1364【↑78】

種族:人間
年齢:26
性別:♂

職業:凡人
称号:女神の付き人

体力:1374(+1364)【↑78】
魔力:1364(+1364)【↑78】
筋力:1369(+1364)【↑78】
耐久:1369(+1364)【↑78】
敏捷:1424(+1364)【↑78】

技能:言語理解/ステータス/詠唱省略

Lv.1:初級火魔法/初級水魔法/初級風魔法
   初級土魔法/初級光魔法/初級闇魔法

Lv.2:隠密/偽造/捜索/吸収/浄化魔法
   治癒魔法/共有

Lv.3:鑑定/剣術/体術/索敵/感知
   物理耐性/魔法耐性/状態異常耐性

共有:アイテムボックスLv.3
   検査Lv.1

固有:ウォーキングLv.1364 1175/1365
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