歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~

なつきいろ

第23歩目 はじめての感謝!ラズリさんとデート?②


魔法道具店では色々あったが、買い物じたいは順調だ

───ゴーン
───ゴーン
───ゴーン

お昼12時を告げる鐘の音

それと同時に、

───くううう

かわいい空腹音が鳴り響いた

「くうううだってー( ´∀` )歩~おなかすいたー」
「お前は少し慎みをもて」

「ふふっ。12時ですし、お昼にしましょうか。
 おいしいお肉の料理を出すお店を紹介しますよ」

さすがギルド職員。この手の情報はお手のものか
ラズリさんは婚活バカなところを除けば頼りになる

「やったー!お肉ー!ねー早くいこー!はーやーくー!」

アテナにぐいぐい引っ張られるように先を急がされたが当然......

「そっちじゃないですよ」
「ふえーーーーーーーーん(´;ω;`)」

アテナの頬をつねりながら、ラズリさんオススメのお店にいくことになった

□□□□

料理店に着いた

注文したのはラズリさんオススメのものだ
黒パンに、野菜スープ、野菜炒め、ローストビーフみたいなもの
どれも結構な量がある

まずは黒パンを食べてみる
まずくはないが、やっぱり固い。日本のパンが恋しい

次はメインディッシュのローストビーフを口に入れてみる
少し臭みはあるが、癖になる味だ
噛むと肉汁がジュワーと溢れ出てくる

「うまい!」
「でしょう?ここらでは一番おいしいお店なんですよ」

ラズリさんがオススメするだけのことはある

「ねーねー!私も食べたいー!早く早くー!あーん!」

アテナは俺の膝の上で目を輝かせ、ジタバタと暴れている
そしてローストビーフを指差し、あ~んと口を開けてきた
肉をアテナの口に入れる

もぐもぐもぐ
アテナは咀嚼し飲みこむと(*´μ`*)←こんな顔で至福の表情だ
癒される

「おいしぃーーーーーーーーーーーーーーーー!
 ジュワーと溢れ出た肉汁が口の中ではじけてるー!
 ねーもっとちょうだーい!お肉ちょうだいー!」

どうやらアテナも気に入ったようだ

アテナに肉を食べさせつつ、野菜スープと野菜炒めに手を伸ばす
どちらもうまい。ローストビーフによく合う

「歩~。お肉ちょうだーい!」
「野菜も食えよ。うまいぞ」
「野菜やだー!きらいー!お肉がいいー!」
「好き嫌い言うな!野菜も食べなきゃ肉あげないからな」
「ふえぇ(´;ω;`)」

野菜をアテナの口に押し込む

もぐもぐ......ごくん

あっ。咀嚼せず飲み込みやがった
それでも、苦虫を噛み潰したような顔をしつつもちゃんと食べるのだから偉い

───ぽふっ。ぽんぽん

アテナの頭をぽんぽんする
がんばった子供を誉めるのは大人として当然のことだ

「にへへー!じゃーお肉ちょうだーい!」

アテナはにぱー☆と満面の笑みを返してきた
かわいい

その後も俺は、アテナの苦虫、にぱー☆とコロコロ変わる表情を堪能した

□□□□

「ダンジョンの時も思ったんですが、ラズリさんって結構ガッツリ食べますよね」

俺はふと思ったことを口にしてみた

基本的に、こちらの世界の料理は日本人の俺からすると量が多い
残さず食べるとなると、正直女性にはきついんじゃないかと思う

でも目の前のラズリさんは、特に問題なく自然と平らげている

「あぅ......やっぱり変でしょうか?」
「いえ。変というよりはよく食べるな~って思っただけです」

「私は元冒険者なのはお話ししましたよね?
 その影響で、食べられる時には食べられるだけ食べる習慣が身についてしまったんです。
 ですから、どうしても食べる量が少し多くなってしまいまして......」

いつも死と隣り合わせの冒険者にとっては、食事や酒、娯楽などは楽しみの一つになる

なるほど。ラズリさんにとっての楽しみは食事になった訳か

「大食いの女はやっぱりはしたないですよね......」
「そんなことはないですよ」
「......え?引いてないんですか?」
「そんなことぐらいで引きませんよ。第一、アテナもよく食べますし」
「うんー!おいしいものはいっぱい食べられるよー(*´∀`*)」

ラズリさんはあからさまにホッとした表情を見せた

「私、今婚活中だって話しましたよね」
「そうですね」
「こんな性格だからか、アユムさんも引かれていると思うんです」

ラズリさんも自覚はあったんだな

「ええ、婚活モードのラズリさんにはちょっと引いてますね」
「ひどい!?」
「さっきラズリさん本人がそう言いましたよね!?」

「そこはウソでも引いていないと......
 まぁ、気が利かないアユムさんでは仕方がないですね」

さりげなくdisられたような気がする

「とりあえず、こんな性格なのと大食いのせいでお付き合いしている人は大抵私に冷めてしまうことが多いんです。ですからなかなか結婚相手も見つからず......」

ラズリさんの見た目はとてもきれいだ
日本だったら、そこらのアイドルよりもはるかにきれいだと思う
それに料理も上手だ。結婚相手としては正直引く手あまたなはずだ

それなのに結婚相手が見つからないのはそういうことなのか

「こんな性格と言っても、ただ一生懸命すぎるだけですよね?
 まだ若いんですから焦る必要ないと思いますよ」

「若い......アユムさんも私と大して変わらないですよね?」
「俺26なんですけど」
「ええええ!?26!?てっきり私と同じぐらいかと......」

あっ。冒険者カードには年齢表示ないんだった
若く見られるのは日本人だからかな?ベビーフェイス的な

「それに大食いも大した問題じゃないと思いますよ」
「どういうことですか?」

「いいじゃないですか、食べるのが好きな女性。
 俺は嫌いじゃないですよ。そもそも俺も食べるのは好きですし」

食は健康の基本というし、好きなら好きでいいと思う

「それに大食いと言っても、自己管理はしっかりされているんですよね?」

「ええ、太らないよう食べ過ぎには気を付けています」

「だったらなにも問題ないですよ。
 むしろ俺は、ラズリさんが食べている姿は好きです」

「え!?私が好き!?」

ラズリさんの瞳が妖しく光った気がする
絶対勘違いしてそうだぞ、この婚活バカ

「とても幸せそうに食べている姿を見ると、こちらも幸せな気分になります」

「や、やだぁ......そういうのは言わないでください!恥ずかしいですから!」

あれ?食べている姿を見られるってのは恥ずかしいものなのか?

「でも、一緒にご飯を食べるなら、ラズリさんみたいな人と食べたいですね」

「ねー歩~?私はー?私ともいっしょに食べたいー?」
「お前は俺がいないと食べられないだろ」
「じゃー食べるときはいっしょだねー!えへへー!」

「アユムさん......ありがとうございます。すごくうれしいです!
 私の大食いを見て引かなかっただけではなく、そう言ってくれた人は初めてです!」

そう言うと、ラズリさんはきれいな笑顔を向けてきた

婚活バカな一面を除けばきれいな人なんだよな~。ぺったんこだけど

「早くいい相手が見つかるといいですね。
 ラズリさんの全てを受け入れてくれる、いい人が」

俺は少し冷めたローストビーフを口にいれた。うまい!

いいものは冷めていてもうまい
それと同じで、いい人はどんなことがあってもいい人だ

ラズリさんは婚活バカで大食いなのかもしれないけれど、それでもすてきな人には違いない

「私の全てを受け入れてくれる人......」
「ええ。必ずどこかにいますよ」

じっ──────。

ラズリさんから視線を感じる

「なんです?」

今度は冷めた野菜スープを口に含む。うまい!
暖かい時とはまた違うおいしさだ

「私の全てを受け入れてくれる人がいました。アユムさんです」
「ぶふぅ!?」
「やー!!!歩、きたないー!ふいてよー!」

ラズリさんの思いがけない言葉に、野菜スープをアテナに吐きだしてしまった

俺はアテナをふきながら、恐る恐るラズリさんに尋ねてみた

「アユムさんなら私の全てを受け入れてくれるんじゃないですか?」
「えっと......」

「私の大食いは引かれていないんですよね?」
「ええ」

「ご飯を一緒に食べる相手として、私は好ましいんですよね?」
「そうですね」

「では、もう結婚するしかないですね」
「なんで!?」

いきなり話が飛躍しすぎだから!

「性格さえなんとかすれば問題ないじゃないですか!」
「そうかもしれないけれど、俺の意思は!?」
「アユムさんは私のこと嫌いですか?」
「嫌いじゃないですが......」
「その言葉はずるいです。好きか嫌いかはっきりしてください!」

その質問こそ、ずるくないか?

「す、好きです?」
「ありがとうございます!アユムさん!」

俺の答えに、ラズリさんは一気に華やいだ笑顔を見せてきた
う~ん。やっぱりきれいだな

「では、私を貰って・・・」
「ごめんなさい!」
「な~んでですか~!?」

その後もラズリさんの猛アピールは続いたが、楽しく食事と買い物ををすることができた


ラズリさんとの別れ際......

「今日はありがとうございました。
 今度なにかお礼をさせてください」

「気になさらないでください。
 でもお礼と言うなら、私を・・・」

「それ以外でお願いします」
「あぅ......」

しつこいな!性格直す気ないだろ!

それでも、俺に断られたラズリさんは晴れやかな表情だった
どこか吹っ切れたようだ。婚活にいい影響がでてほしい

俺は切に願う

誰かはやくラズリさんを貰ってあげて!


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『アテナ』 レベル:3 危険度:極小

種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀

職業:女神
称号:智慧の女神

体力:50
魔力:50
筋力:50
耐久:50
敏捷:50

女神ポイント:850【↑510】

【一言】ラピスが言ってたけどー。歩って女性の扱い方下手だってー( ´∀` )
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アユムの所持金:760000ルクア
冒険者のランク:A(クリア回数:0回)

このお話の歩数:約10500歩
ここまでの歩数:約801380歩
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『アユム・マイニチ』 レベル:1265【↑8】

種族:人間
年齢:26
性別:♂

職業:凡人
称号:女神の付き人

体力:1275(+1265)【↑8】
魔力:1265(+1265)【↑8】
筋力:1270(+1265)【↑8】
耐久:1270(+1265)【↑8】
敏捷:1325(+1265)【↑8】

技能:言語理解/ステータス/詠唱省略

Lv.1:初級火魔法/初級水魔法/初級風魔法
    初級土魔法/初級光魔法/初級闇魔法

Lv.2:隠密/偽造/捜索/吸収/浄化魔法
    治癒魔法/物理耐性/魔法耐性/共有

Lv.3:鑑定/剣術/体術/索敵/感知
    状態異常耐性

共有:アイテムボックスLv.3
   検査Lv.1

固有:ウォーキングLv.1265 630/1266
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