異世界を追い出された俺は──元の世界でハーレム作りに勤しみます【凍結】

決事

また変なこと聞いてしまった

「もう……無理……」
「おい、勝鬨。こんなんでへばるとかまだまだだぜ」
「某テニヌ漫画の主人公みたいなこと言わないでくれ」
「ほら、みんな自分の人生の主人公ってな」
ははは……。
そんな乾いた笑いしか出てこない。
生徒会室から帰って来ての5、6時間目。
龍生は、それはもう嫌がらせのように怒涛の質問攻めをしてきた。
このクラスには俺しかいないのかと思うくらい。
そんな授業ではあったが非常に受けは良く、生徒たちは勉強に対して積極的な姿勢で臨んでいることがひしひしと感じられた。
前の学校の様子はうろ覚えだが、こんなにも意欲的なクラスじゃあなかったと思う。
そう考えると、龍生の教鞭は本職の教師並み……いやそれ以上に優れたものであるということが浮き彫りになる。
今のところ彼女に好感情を抱いていない俺としては複雑なものがあるけれど。
「なあなあ、このあと暇か? 何人か誘ってカラオケ行こうと思ってんだ。転入生と仲良く、的なコンセプトで」
しつこく肩を揺すって遊びのお誘いをしてくるこの男子生徒は相津藍蔓あいつあいつる
「無理だ。また生徒会室行ってくるから」
「はああ!? 龍生さんと!? それマジ!?」
軽く断って話をブチ切ろうと試みるが、余計に興味を引いてしまった。
原因が全くもって分からない。
俺の胸倉を掴む勢いで迫り来る。
「な、何であれ、違う。あの、違うな。あいつとって話になってんだ?」
「え? いやだってそうだろう?」
そうだけども。
なんだってそんな興奮してるんだか。
訝しそうに見ていたからだろう、あちらから答えを述べてくれた。

「あの人は俺たちのーー英雄ヒーローなんだ!」

世界観、間違えてません?

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