手違いダンジョンマスター~虐げられた魔物達の楽園を作りたいと思います~
罠張り大会
「んー、おっかしいなー」
「クロトーどうしたの?」
「あぁ、モニターから敵反応が消えない」
それは昨日のことだ。
突如マスタールームにアラームがなり、ついに来たか冒険者よ! と思ってモニターを見たら何も居なかった。
実際にユキムラ達に現場に出てもらったが何も見つけることは出来なかったらしい。
え? 俺が出ない理由? めんど……ゲフンゲフン! 俺が出ると襲われて万が一死んだら終わりだからな。
もし相手が姿が見えないだけなら、ダンジョンマスターである俺が死んだ場合、恐らくきっとダンジョン崩壊する。
そうなるくらいなら配下が減る方がマシだという判断ですけど?
「やっぱりラビィのポンコツさが原因かなぁ」
「ねぇ、なんで本気の目をしてるの? ちょ、哀れみの目で見ないで、頑張るから」
「それはさておき」
「それはさておき!?」
アホの子は放っておいて、本気で何が原因かわからん。
……本当に透明にでもなっているのだろうか? だとしたら、ソイツは何をしに?
まぁ、普通に考えたらダンジョンの調査だろう。
でもそう考えるとなると、ソイツはダンジョンの事を何で知っている?
偶然、透明になれる奴がここに迷い混む事は無いだろうし、どんな確率になるか分かりゃしない。
と言うことは誰かがダンジョンの場所を教えた?
誰が? となると大分前に来た冒険者共が怪しいがそれは今サイゾウが見張っているはず、サイゾウが見過ごすようなへまをするだろうか……いや、アイツはやりそうだな。
でも、昨日と位置は何一つとして変わってないしその可能性はない……か?
ダンジョンの調査ならもっと奥に進むだろうし、モニターに表示されているマーカーは一切動いていない。
何がしたいんだ?
考えても埒があかんな、にしても透明かぁ、スキルにあるのかね……おっと5万DPだ。
手が届きそうで微妙に届かない、なんとも口惜しいお値段。
「……一先ずは保留にしておくか? でもな、今日は1層に罠を仕掛ける予定なんだよなぁ」
DPでも設置は出来るけどあまり使いたくはない。
家は貧乏なの! だから基本的に手作りだ。
罠を作るのは手の空いているホブゴブリンの女衆がやってくれる。
あと子供もだな。
子供はどこにいようが嫌がらせや悪戯が好きな生き物だ。
なので、どんな罠が良いかとか時々聞きに行く。
色んな罠を考えてくれるので非常に有難い存在である。
そんな訳で今日は設置しようと思っていたらこの敵反応だ。
これでは子供が悲しんでしまうではないか、この日をどれだけ心待にしていたと思う。
……幸い、動く気配がないし、入口付近を避けて罠を設置しよう。
距離もあるし、きっと大丈夫でしょう。
思い立ったが吉日、さっさと行こう。
「ラビィ、行くぞ」
◇
「さて諸君、良く集まってくれた」
「マスター早くやろうぜ!」
「うるさい、ちょっと黙ってなさい!」
折角ちょっとカッコつけたのにこの子供ゴブリンめ!
なんだろうな、俺、マスターなのに子供ゴブリンには嘗められてる気がする……。
は、ハナクソ付けやがった、後でシバく。
「コラ! マスターに失礼でしょう!」
「えー! 母ちゃん、マスター優しいから大丈夫だよ!」
ほらそこ、話を聞け。
どうやら子供達はこの日をとても楽しみにしていたらしい。
話ははしょって進めるとしよう。
「んじゃあ、一先ず罠を張っていくが入口には近づくな。異変があるっぽいからな。それと子供ゴブリンはお母さんから離れちゃ行けません」
「なんで離れちゃダメなんだよー!」
「うるさい、良いか子ゴブリンよ。君が一人で罠を張りに行って自分の罠にかかった所を友達に見られてみろ。恥ずかしいぞ」
「た、確かに」
「その点、お母さんといっしょならバレる前に抜け出せる。そう言うことだ、分かったかな?」
「わかったー!」
「よし、これより罠張り大会を開催する! 各々、自慢の罠を仕掛けまくるのだ!」
「「「おぉー!」」」
よし、行ったな。
俺も罠を仕掛けるついでに色々と様子見するか。
後ハナクソ付けてきたゴブリンには少し仕返しをしなくちゃな。
「マスター家の子がスミマセン! どうかご容赦を!」
突如現れた母ホブゴブリン。
キレイな土下座だ。
「いえいえ、気にしないで下さい。子供が元気なのは良いことですし」
「ホントにスミマセン! マジで、躾ておきますのでスミマセンでしたぁぁぁぁ!」
顔の半分が地面にめり込んでるぞ痛くないのか……。
いかんいかん、このままでは窒息する。
「いやいや、良いんで、このくらい問題ないので、それより仕事に戻ってお子さんを見ててください」
「なんと寛大な、貴方が神か!」
神じゃねぇよ何言ってんだコイツ。
その場は何とか収束し、引き続き罠を張りに行かせた。
……うーむ、なんだか対応の差に困るな。
子供ゴブリンは俺を嘗め腐ってるが、親のホブゴブリンは恐れてる感じがする。
特に母親の方が。
男の奴等は気軽に絡んでくる事が多いけど、なんでああもビクビクするかね。
俺の顔って怖いかな……、ヤバい、精神的ダメージ。
「クロトー私達も早く行こうよ」
「なんだ居たのかラビィ」
「ついてこいって言ったのはクロトだよ!?」
そうだったかな?
◇
半日経った。
皆ワイワイと楽しんでいる様子だ。
順調に罠張りも終えてきているしあと1、2時間位で終わるかな?
ラビィも罠を仕掛けるのを楽しんでる様だし、たまに引っ掛かったり子ゴブリンにちょっかい出されて追いかけ回してるけど。
森をキョロキョロとしながら歩いてると、先程地面に顔を埋めてたホブゴブリン母があちこち見回していた。
「どうかしたんですか?」
「っ!? マスター、申し訳ございません!」
またしても顔を地面にめり込ませるホブゴブリン母。
あー、痛そうだな。
「クロトーどうしたの?」
「あぁ、モニターから敵反応が消えない」
それは昨日のことだ。
突如マスタールームにアラームがなり、ついに来たか冒険者よ! と思ってモニターを見たら何も居なかった。
実際にユキムラ達に現場に出てもらったが何も見つけることは出来なかったらしい。
え? 俺が出ない理由? めんど……ゲフンゲフン! 俺が出ると襲われて万が一死んだら終わりだからな。
もし相手が姿が見えないだけなら、ダンジョンマスターである俺が死んだ場合、恐らくきっとダンジョン崩壊する。
そうなるくらいなら配下が減る方がマシだという判断ですけど?
「やっぱりラビィのポンコツさが原因かなぁ」
「ねぇ、なんで本気の目をしてるの? ちょ、哀れみの目で見ないで、頑張るから」
「それはさておき」
「それはさておき!?」
アホの子は放っておいて、本気で何が原因かわからん。
……本当に透明にでもなっているのだろうか? だとしたら、ソイツは何をしに?
まぁ、普通に考えたらダンジョンの調査だろう。
でもそう考えるとなると、ソイツはダンジョンの事を何で知っている?
偶然、透明になれる奴がここに迷い混む事は無いだろうし、どんな確率になるか分かりゃしない。
と言うことは誰かがダンジョンの場所を教えた?
誰が? となると大分前に来た冒険者共が怪しいがそれは今サイゾウが見張っているはず、サイゾウが見過ごすようなへまをするだろうか……いや、アイツはやりそうだな。
でも、昨日と位置は何一つとして変わってないしその可能性はない……か?
ダンジョンの調査ならもっと奥に進むだろうし、モニターに表示されているマーカーは一切動いていない。
何がしたいんだ?
考えても埒があかんな、にしても透明かぁ、スキルにあるのかね……おっと5万DPだ。
手が届きそうで微妙に届かない、なんとも口惜しいお値段。
「……一先ずは保留にしておくか? でもな、今日は1層に罠を仕掛ける予定なんだよなぁ」
DPでも設置は出来るけどあまり使いたくはない。
家は貧乏なの! だから基本的に手作りだ。
罠を作るのは手の空いているホブゴブリンの女衆がやってくれる。
あと子供もだな。
子供はどこにいようが嫌がらせや悪戯が好きな生き物だ。
なので、どんな罠が良いかとか時々聞きに行く。
色んな罠を考えてくれるので非常に有難い存在である。
そんな訳で今日は設置しようと思っていたらこの敵反応だ。
これでは子供が悲しんでしまうではないか、この日をどれだけ心待にしていたと思う。
……幸い、動く気配がないし、入口付近を避けて罠を設置しよう。
距離もあるし、きっと大丈夫でしょう。
思い立ったが吉日、さっさと行こう。
「ラビィ、行くぞ」
◇
「さて諸君、良く集まってくれた」
「マスター早くやろうぜ!」
「うるさい、ちょっと黙ってなさい!」
折角ちょっとカッコつけたのにこの子供ゴブリンめ!
なんだろうな、俺、マスターなのに子供ゴブリンには嘗められてる気がする……。
は、ハナクソ付けやがった、後でシバく。
「コラ! マスターに失礼でしょう!」
「えー! 母ちゃん、マスター優しいから大丈夫だよ!」
ほらそこ、話を聞け。
どうやら子供達はこの日をとても楽しみにしていたらしい。
話ははしょって進めるとしよう。
「んじゃあ、一先ず罠を張っていくが入口には近づくな。異変があるっぽいからな。それと子供ゴブリンはお母さんから離れちゃ行けません」
「なんで離れちゃダメなんだよー!」
「うるさい、良いか子ゴブリンよ。君が一人で罠を張りに行って自分の罠にかかった所を友達に見られてみろ。恥ずかしいぞ」
「た、確かに」
「その点、お母さんといっしょならバレる前に抜け出せる。そう言うことだ、分かったかな?」
「わかったー!」
「よし、これより罠張り大会を開催する! 各々、自慢の罠を仕掛けまくるのだ!」
「「「おぉー!」」」
よし、行ったな。
俺も罠を仕掛けるついでに色々と様子見するか。
後ハナクソ付けてきたゴブリンには少し仕返しをしなくちゃな。
「マスター家の子がスミマセン! どうかご容赦を!」
突如現れた母ホブゴブリン。
キレイな土下座だ。
「いえいえ、気にしないで下さい。子供が元気なのは良いことですし」
「ホントにスミマセン! マジで、躾ておきますのでスミマセンでしたぁぁぁぁ!」
顔の半分が地面にめり込んでるぞ痛くないのか……。
いかんいかん、このままでは窒息する。
「いやいや、良いんで、このくらい問題ないので、それより仕事に戻ってお子さんを見ててください」
「なんと寛大な、貴方が神か!」
神じゃねぇよ何言ってんだコイツ。
その場は何とか収束し、引き続き罠を張りに行かせた。
……うーむ、なんだか対応の差に困るな。
子供ゴブリンは俺を嘗め腐ってるが、親のホブゴブリンは恐れてる感じがする。
特に母親の方が。
男の奴等は気軽に絡んでくる事が多いけど、なんでああもビクビクするかね。
俺の顔って怖いかな……、ヤバい、精神的ダメージ。
「クロトー私達も早く行こうよ」
「なんだ居たのかラビィ」
「ついてこいって言ったのはクロトだよ!?」
そうだったかな?
◇
半日経った。
皆ワイワイと楽しんでいる様子だ。
順調に罠張りも終えてきているしあと1、2時間位で終わるかな?
ラビィも罠を仕掛けるのを楽しんでる様だし、たまに引っ掛かったり子ゴブリンにちょっかい出されて追いかけ回してるけど。
森をキョロキョロとしながら歩いてると、先程地面に顔を埋めてたホブゴブリン母があちこち見回していた。
「どうかしたんですか?」
「っ!? マスター、申し訳ございません!」
またしても顔を地面にめり込ませるホブゴブリン母。
あー、痛そうだな。
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