劣等魔術師の下剋上 普通科の異端児は魔術科の魔術競技大会に殴り込むようです
24 世界の壁 上
拳を握り絞めた。
ここから先攻撃を掻い潜ってこの拳を叩き込む。
その為に全神経を集中させる。
此処から先、いくら目の前に対象がいるとはいえ、目の前にだけ意識を向けていればやられる。
おそらく、当然大半の攻撃は正面から飛んで来るだろう。
だけどもう少し。そのもう少しがどの程度なのかは分からないけれど、そうなればもうそこは暁の距離だ。
正面からだけではなく赤坂から見て全方向。どこから奇襲のような、或いは堂々とした強力な攻撃が飛んで来る可能性も否定できない。
故にこれまでもだがこれからも。より一層気は抜けない。
そして、暁の攻撃を躱しながら距離も残り100メートルとなった時だった。
暁が左手から赤い魔術弾を射出させる。
そして次の瞬間、超高速で放たれたそれを身を反らして躱した瞬間、暁は地面にデバイスの刀身を擦り、それを勢いよく降り上げた。
次の瞬間、背後で轟音が聞こえ、思わず一瞬だけ視線を背後へと向ける。
出現していたのは巨大な壁だった。
中之条が昨日使っていたような結界ベースのものではなく、文字通りそこに壁を生やしたようだった。
そして暁の放った魔術弾が着弾する。
……次の瞬間だった。
「……ッ!?」
魔術弾が着弾したポイントを中心に魔法陣が展開され、次の瞬間暁を巻き込むほどの出力で無数の雷撃が放たれる。
間違いなく当たればただでは済まない。そういう攻撃。
そういう攻撃と挟み撃ちにするように刀を持った暁が迫ってくる。
自身にその被害が及ぶ事など考えないように。
そして雷撃どころでは無い。
上空からも魔術弾の雨が降り注ごうとしていたのが見えた。
(……マジかよクソ!)
思わず心中でそう叫ぶが、一つある事に気付く。
(……よし)
ある意味これはチャンスだった。
今の地形がそれをチャンスに変えてくれた。
前方、後方、上空。その全てからの攻撃が赤坂に向けられる。
だが左方右方への回避ができない訳ではない。
左右の民家に飛び込むという選択肢が用意されている。
……赤坂だけに。
ここから先攻撃を掻い潜ってこの拳を叩き込む。
その為に全神経を集中させる。
此処から先、いくら目の前に対象がいるとはいえ、目の前にだけ意識を向けていればやられる。
おそらく、当然大半の攻撃は正面から飛んで来るだろう。
だけどもう少し。そのもう少しがどの程度なのかは分からないけれど、そうなればもうそこは暁の距離だ。
正面からだけではなく赤坂から見て全方向。どこから奇襲のような、或いは堂々とした強力な攻撃が飛んで来る可能性も否定できない。
故にこれまでもだがこれからも。より一層気は抜けない。
そして、暁の攻撃を躱しながら距離も残り100メートルとなった時だった。
暁が左手から赤い魔術弾を射出させる。
そして次の瞬間、超高速で放たれたそれを身を反らして躱した瞬間、暁は地面にデバイスの刀身を擦り、それを勢いよく降り上げた。
次の瞬間、背後で轟音が聞こえ、思わず一瞬だけ視線を背後へと向ける。
出現していたのは巨大な壁だった。
中之条が昨日使っていたような結界ベースのものではなく、文字通りそこに壁を生やしたようだった。
そして暁の放った魔術弾が着弾する。
……次の瞬間だった。
「……ッ!?」
魔術弾が着弾したポイントを中心に魔法陣が展開され、次の瞬間暁を巻き込むほどの出力で無数の雷撃が放たれる。
間違いなく当たればただでは済まない。そういう攻撃。
そういう攻撃と挟み撃ちにするように刀を持った暁が迫ってくる。
自身にその被害が及ぶ事など考えないように。
そして雷撃どころでは無い。
上空からも魔術弾の雨が降り注ごうとしていたのが見えた。
(……マジかよクソ!)
思わず心中でそう叫ぶが、一つある事に気付く。
(……よし)
ある意味これはチャンスだった。
今の地形がそれをチャンスに変えてくれた。
前方、後方、上空。その全てからの攻撃が赤坂に向けられる。
だが左方右方への回避ができない訳ではない。
左右の民家に飛び込むという選択肢が用意されている。
……赤坂だけに。
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