とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

雷帝と白雪姫















「じゃあ、楓先輩、志穂先輩、あとはよろしくお願いします」

僕達は楓先輩と志穂先輩と交代し帰路につく。第11番基地を出る際に楓先輩と志穂先輩から明日頑張れと言ってもらえたのがすごく嬉しかった。

「そうだ。昨日作ったカレーがまだ余ってるんですけどよかったら一緒に食べませんか?」

「本当?ダイナちゃんの料理美味しいからすごく楽しみ〜」

花実がはしゃぎながら言う。僕も来ていいとのことなのでせっかくだからご一緒させてもらうことにした。

「あっ、ちょっとコンビニ寄っていいかな?夜食買わないといけないんだ」
「あっ、私も買う〜晴樹、ありがとね」

つまり僕に奢れと…こいつ……

「これとこれとこれもお願い」

花実は容赦なく僕の買い物かごに商品をぶち込んでくる。プリン、シュークリーム、ポテトチップス、チョコレート、クッキー、ショートケーキ、アイスクリームと…容赦ねえな!

「ダイナも何かいる?カレーごちそうになるんだし何かおごるよ…」

「いえ、それ以上はかわいそうなので私は大丈夫です…」

かごの中に入ったお菓子等を見てダイナが言う。

「あ、あとこれもお願い」

遠慮してくれているダイナとは正反対に花実は容赦なく僕の買い物かごに商品をぶち込む。そろそろやめて…本当に…僕の財布が死んじゃうから…まあ、家に帰ればこの前入ったお金があるし明日も生放送のお金が入るからいいけど普通の高校生なら発狂するぞこれ…

さらに追加でカップラーメンとあんぱん、カレーパン、ジャムパンを追加でぶち込んだ。をい、そろそろやめてよ…

「お会計4853円になります」

店員さんが笑顔で僕に告げる。ちなみに僕は108円のアイスクリームと150円のポテトチップスしか買っていない…残りは全て花実のものになる。くそぅ…そもそも僕が奢らないといけない理由ないよな?

「花実、これ何日分の夜食?」

「え、たぶん今日全部食べると思うけど…」

キョトンとした表情で花実が僕の質問に答える。よく太らないなこいつ…

「花実さん、食べたものどこに消えていくんですか…」

「ちょっ、ダイナちゃんやめてくすぐったいから…」

ダイナが花実のお腹を触りながら尋ねる。花実は笑いながらダイナを止めていた。あっ、なんかいい光景だなぁ…眼福、眼福…

そんなやり取りをしているうちに僕達はアパートに着いた。

「ようやく来た〜待ってたよ〜」

「あなたは誰でしょうか?」

ダイナが少し警戒しながら尋ねる。長い金髪の女性、制服からして神峰学園の生徒、そして明日、僕と戦う相手…

「雷帝、雷電いかさんですよね?」

僕が目の前に立つ女性に尋ねる。

「うん、そうだよ〜君が明日私の相手をする子だよね?明日はよろしくね〜私、退屈な試合大嫌いだから〜」

「そう簡単にはやられませんよ。雷帝様…」

「そんな呼び方しなくていいよ〜気楽にいかちゃんって呼んで〜」

「わかりました。いか先輩、明日はよろしくお願いします」

「うん、じゃあ、挨拶も済んだしそろそろ帰るね〜」

そう言いながら金髪の美少女は立ち去ろとする。

「いか先輩、明日は負けませんから…」

「うん。楽しみにしてるよ〜君と白雪姫の戦いを見た時からずっと楽しみにしてたんだ〜君と戦うのをね…明日は最高の戦いをしよう。君とならかなり楽しい戦いができそうだから〜期待してる」

金髪の美少女、雷帝いか先輩は僕にそう言い残して帰っていった。そういえばあの人僕に挨拶するためだけにここで待ってていてくれたのかな?





「ふう…白雪姫が苦戦したっていうから楽しみにしてたのにあの程度か〜あれなら去年の総合ランキングで戦った電撃使いの方がまだマシだよ〜」

いか先輩は1人そう呟きながら歩いていた。

「晴樹はあなたが思っている程弱くないわよ」

突如現れた声がいか先輩に言う。

「やっと会えた〜会いたかったよ。私のゆき…」

「あなたのものになんかなった覚えはないわ…それに私にはちゃんと好きな人がいるから…」

「それがあの坊やか〜憎いね〜わたしの白雪姫を奪おうとするなんて〜明日必ず潰さないと〜安心してね、あなたに近づく悪い虫は全部わたしが潰すから…」

「晴樹はあなたなんかに負けないわ…負けを覚悟しておきなさい…」

ゆき姉はいか先輩にそう言い切る。必ず僕が勝つと…

「へえ、そこまで言うんだ〜面白い…なら掛けをしない?」

「掛け?」

「うん。あの子がわたしに勝てばわたしはあなたに金輪際関わらない…その代わりわたしがあの子に勝ったらあなたはわたしのもの…わたしの言いなり…本当にあの子のことを信じてるんでしょ?邪魔に思ってるやつを遠ざける絶好のチャンスだよ〜」

「その話をするために来たのね…いいわ、乗ってあげる。私は晴樹が勝つって信じてるから…」

ゆき姉はいか先輩に向けて本気で言った。必ず僕が勝つと信じて…

「ふう…明日が楽しみだよ〜ようやくあなたが手に入る。愛しのあなたが…」

いか先輩はそう言い残してその場から消えた。




















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