とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

学校生活














「おい花実!はやく起きろ!遅刻!遅刻するぞ!」

僕は全力で花実の部屋の扉を叩きながら言うが返事はない。僕の後ろでは花実に電話をかけているダイナと時計を見ながら慌てているゆき姉がいた。

「花実!頼むから!はやく起きて!」

「う…ん…晴樹?おはよう」

部屋の扉を開けてパジャマ姿で寝癖が大量についている花実が現れた。

「さっさと着替えてこい!遅刻するから!急いで!」

僕はスマホに表示されている時間を花実に見せる。現在朝礼の5分前、あと5分で遅刻だ。

「嘘!もうこんな時間?晴樹のテレポートで行けばいいや、と思って油断してた」

「おい、俺の能力はお前を時間ギリギリまで寝かせるためのものじゃないぞ…」

「晴樹さん、今はそんなことどうでもいいですから、花実さん、はやく着替えて!」

ダイナが慌てて花実に言う。ダイナの言葉を聞き花実は慌てて学校に行く支度を始めた。

3分後…髪の毛をいじりながら食パンを口にくわえた花実が部屋から飛び出してきた。僕はすぐに花実の手を掴みテレポートを使う。

「晴樹、助かった…じゃあ、また帰りね」

ゆき姉はそう言いながら慌てて教室に向かった。ごめん、花実のせいで…

教室に無事到着した僕達は席に着きほっと一息…なんとか間に合った。僕達が席に座った直後にチャイムが鳴ったのを聞き冷や汗をかいたが、まあ間に合ったからよしとしよう…

そんな慌てた朝とは違いまったりと迎えた昼休憩の時間…

「晴樹さん、花実さん、一緒に食べましょう。今日もみなさんの分のお弁当作ってきましたから」

ダイナがそう言いながら僕達のもとにやってくる。いつも通り僕は机を引っ付けようとしたのをダイナが止めた。

「今日はゆきさんも一緒に食べることになっているので中庭で食べましょう」

「ゆきさんも一緒なんだ!じゃあまたせちゃ悪いしはやく行きましょう」

朝散々僕達を待たせた癖に……

「ゆき姉、おまたせ」

中庭のテーブルを1つ確保したゆき姉のとなりに僕が座り僕達の前にダイナと花実が座る。

「ダイナちゃんが作ったお弁当すごく美味しい…」

ゆき姉がお弁当を一口食べて言う。本当にダイナが作った料理は美味しいんだよな…

「む、そこにいるのは我がライバル白雪姫ではないか!それに完全模倣の晴樹も一緒か!」

あっ、リンリン先輩だ。面倒な人に会ってしまった…

「あの、リンリン先輩、完全模倣の晴樹ってなんです?」

「お前の通り名だ。この前の白雪姫との戦いの後お前は完全模倣の使い手や反則能力保持者、クソスキルのチーターなどと呼ばれているのだぞ」

ちょい待て、最初の完全模倣の使い手以外悪口にしか聞こえないぞ…

「晴樹、あんた爆裂姫のも知り合いなの?」

花実が呆れた表情で僕に尋ねる。

「うむ、以前に一度話したことがあってな…それよりも爆裂姫と呼ぶのはやめてくれ…リンリン先輩でいいぞ」

「人のことを散々白雪姫って言っておいて自分だけ爆裂姫と呼ぶな、はないと思うぞ…」

リンリン先輩の横でゆき姉がボソッと呟く。まあ、リンリン先輩にそんなこと言っても無駄だと思うが……

「あっ、そろそろ昼休憩終わっちゃいますね…」

ダイナが腕時計で時間を確認して言う。たしかにあと5分で昼休憩が終わる時間だった。

「じゃあそろそろ教室に戻ろうか…」

僕はそう言いながら立ち上がる。

「そうね…みんなは学校が終わったらガーディアンズの仕事があるんだっけ?」

「はい」

ゆき姉の質問にダイナが即答する。

「じゃあ今日は一緒に帰れないわね…じゃあ明日の朝また会いましょう」

「はい。すみません」

「謝らなくていい…ガーディアンズの仕事頑張ってね」

ゆき姉は僕達に別れを告げて教室に戻っていった。

「ちょい待て白雪姫、我を置いていくな!」

ゆき姉に放置されたリンリン先輩が慌ててゆき姉の後を追いかける。

その後僕達も教室に戻り午後の授業を受けた。そして授業が終わるとガーディアンズ第11番基地に向かった。















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