とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

白雪姫vs爆裂姫














「へえ、ここがランキング戦の会場なのか…」

僕が頭のおかしな先輩に絡まれてゆき姉と再開した日の授業後、僕達はランキング戦の会場を訪れていた。

ランキング戦には様々な形式の戦いがある。トーナメントや学校側が組んだ1対1や団体戦など…それらの合計ポイントが高い順にランキング付けされるらしい。戦いはバーチャルリアリティ空間で行われるので怪我したり死んだりしても問題ないらしい。1年生がランキング戦に参加できるのは来月からだが、今日は多くの1年生が会場を訪れていた。理由は……

爆裂姫vs白雪姫

リンリン先輩とゆき姉、2人のsランク能力保持者の一騎討ち…

「始まるみたいですね…」

ダイナが会場に入ってきた2人を見て言う。ゆき姉とリンリン先輩だ。

「さてさて、今日こそ我が白星をいただくとして、お前には黒星をプレゼントしてやろう」

リンリン先輩がゆき姉を指差して言う。勝利宣言だ。リンリン先輩の勝利宣言を聞いてもゆき姉は何も言わない。ていうかゆき姉なんか怒ってないか?昔ずっと一緒にいたからわかる。ゆき姉が黙って下を向いている時は大抵の場合怒っている時だ。リンリン先輩ゆき姉に何かしたのかな?

「おい!聞いているのか!我がお前に勝つと言っているのだぞ!少しは反論したらどうだ!」

「…………黙れ、ぶち殺す」

あっ、絶対怒ってるはこれ…怒ってる時のゆき姉は加減というものを知らない。バーチャルリアリティ空間でなければ本当にリンリン先輩は死んでいたかもしれない……

「………お、おう…なんでそんなに怒って…」

「(私の晴樹にちょっかいかけたからに決まってるだろ…)」

ゆき姉は小声でそう呟いた。当然僕やダイナには聞こえていないしゆき姉の近くにいたリンリン先輩も聞こえていないみたいだった。

「では時間になりましたのでランキング戦ソロ戦を始めてください」

アナウンスでそう流れた瞬間、ゆき姉は自身の真横からリンリン先輩まで巨大な氷の柱のようなものを伸ばす。

「くっ…いきなりかい!」

リンリン先輩も予想外だったらしく慌てて回避する。

「白雪姫、今日は最初から全力だな…」
「いつもならじわじわと追い詰めてからとどめを刺しにいくのに…」
「ランキング戦に参加する予定の1年生達への戦線布告の意でも込めてるのか?」

会場全体がざわめいた。どうやら今日のゆき姉の戦い方はいつもと全然違うみたいだ。そんな会場の雰囲気を無視してゆき姉は次々と氷の柱を伸ばす。次から次へと伸びてくる氷の柱をリンリン先輩は避けることで精一杯だった。

「くっ…やるではないか….…ちょっ!我が決め台詞を言おうとしてる時くらい攻撃を緩めるのが筋だろう!」

リンリン先輩の言葉を無視してゆき姉はさらに攻撃を続ける。同じsランクの能力保持者同士の戦い….なのにゆき姉はリンリン先輩を圧倒していた。このままゆき姉があっさりとリンリン先輩に勝ち越すと思えるほどに…

「さて、そろそろいいかな…さあ、皆の衆!ここから始まる我が逆転劇とくと見よ!」

リンリン先輩が観客に向かってそう叫ぶと観客は熱気に包まれた。

「ようやく爆裂姫の準備が整ったみたいだな…これは爆裂姫の勝ちか…」
「いや、白雪姫も本気になったみたいだ」
「本当ですね…青くなってる…」

周りの観客達が何を言っているのかよくわからなかったがどうやら勝負はこれかららしい。周りの雰囲気からして勝率は五分五分といったところだろう。どちらが勝ってもおかしくない…そんな雰囲気だった。ちなみに今までの戦績は14戦中ゆき姉が14勝だ。ちなみにゆき姉はランキング戦の1対1の戦いで78戦中全勝…故に白雪姫らしい….リンリン先輩は84戦中70勝14敗…つまりゆき姉以外には負けたことがない。

無敗の白雪姫と最高の矛爆裂姫

2人の戦いは終盤に差し掛かっていた。そして爆裂姫がついに攻撃へと踏み出した。
















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