とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

式神使い












「無駄ですよ。あなたの攻撃は私に絶対に届きません」

反射の式神の力を使いテレシアの攻撃を全て反射していた。次々とテレシアが攻撃してくるが巫女さんの反射の式神の前では全く無意味なものになっていた。

「くっ…守ってばかりいないで少しは攻撃してきてはいかがでしょうか?」

「そうですね。じゃあ、遠慮なく攻撃させていただきますね」

巫女さんがテレシアにそう言いもう一体の式神を動かす。

「死なないように加減はしますけど、気を付けてくださいね」

「ええ、ご忠告ありがとうございます。式神に頼らないとなにもできない癖に気を使っていただけて嬉しいです」

「私を煽っても無駄ですよ。私は式神でしかあなたに攻撃する気はありませんから」

巫女さんがテレシアにそう言いながら式神を少しずつテレシアに近づけていく。
テレシアのすぐ側に移動した式神がテレシア目掛けて何枚かのお札のようなものを投げつける。
テレシアが飛んできたお札を作り出した剣で真っ二つにする。

テレシアの剣がお札を真っ二つにした瞬間、お札が小さな爆発をした。お札の爆発に巻き込まれたテレシアが爆風で吹っ飛んだ。

「今のは……」

「その式神は爆発の式神、その式神が放ったお札が何かに触れた瞬間お札は爆発します。今のは火力を抑えて上げましたからたいしたダメージになっていないと思いますが次からあ加減しませんよ。大人しく撤退するなら今が最後のチャンスですよ」

「ご忠告ありがとうございます。ですが、私に撤退という選択肢はありませんので……」

「そうですか…残念です。じゃあ、死なないように頑張ってください」

巫女さんがそう言った直後、爆発の式神はテレシアの上空に大量のお札をばらまく。テレシアは短剣を作り出しお札目掛けてぶん投げる。テレシアは次から次へと短剣を作り出してお札目掛けて放り投げる。テレシアが放り投げた短剣は次々とお札を貫きテレシアを巻き込まない範囲で次々と爆発していく。

「上ばかりに気を取られちゃだめですよ~」

テレシアの真横に回り込んでいた巫女さんがテレシアを全力で殴りつける。巫女さんに殴られたテレシアは勢いよく地面に倒れこんだ。

「な……」

「あれ?もしかしてさっき私が言ってたこと真に受けちゃいました?ダメですよ~敵の言ってることを簡単に信じちゃ……」

巫女さんが地面に倒れこむテレシアの前に立ちテレシアを見下ろしながら言う。

「さて、じゃあしばらくここで大人しくしといてくださいね」

巫女さんが笑顔でテレシアにそう言い3体の式神を消してもう一体の式神を出す。新たに現れた式神は両手から鎖を放ちテレシアの自由を奪う。

「拘束の式神の力であなたの身動きを拘束させていただきました。1時間後に解除されるのでそれまでここでじっとしててくださいね」

巫女さんは鎖で自由を奪われているテレシアに笑顔で言いヴィオラ先輩のもとに戻る。

「ヴィオラ先輩、お待たせしました。とりあえず回復の式神を出すのでしばらくじっとしていてください」

「助かるのかしら…ありがとなのよ」

「いえいえ、たいしたことしてませんから」

巫女さんはそう言いながら回復の式神を召喚する。巫女さんに召喚された回復の式神はヴィオラ先輩をそっと抱きかかえる。

「疲れが取れていくのかしら…」

回復の式神に抱きかかえられているヴィオラ先輩がそうつぶやく。数分後ヴィオラ先輩の体力を完全に回復させた回復の式神は消えていった。

「どうやら終わったみたいですね。どうですか?疲れは取れましたか?」

「ええ、おかげ様でばっちりなのよ」

「そうですか、ならよかったです。じゃあ、ヴィオラ先輩、そろそろ集合の時間ですし当夜先輩たちのいる場所に戻りましょう」

「ええ、そうするのかしら……」

ヴィオラ先輩と巫女さんは当夜先輩たちが待つ場所に戻っていく。








その頃……

「志穂先輩、そろそろ僕も能力を使いますね」

「わかりました」

志穂先輩の返事を聞いた僕は能力を発動させて目印になる指輪以外を残して透明になる。

「じゃあ、ちょっと急ぎますよ」

「わかりました」

僕は志穂先輩がついてこれるくらいのスピードで走り出した。しばらく走るとアビリティアへと繋がる建物があり、僕たちは建物の中に入る。みんながアビリティアの連中を引き付けてくれているからか建物の中には誰もいなかった。

僕はアシュリーさんから借りたキーカードを使いアビリティアへの道を開く。

「待ってましたよ。晴樹君、志穂さん」

僕がキーカードで扉を開いた瞬間、僕と志穂先輩はアビリティアの兵士に囲まれた。その兵士たちを統率していたのは杏奈先生だった。




















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