とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

作戦開始










「さあ〜派手に暴れるわよ。晴樹、志穂、はやく行きなさい」

楓先輩がやる気満々という表情で僕と志穂先輩に言う。志穂先輩はすでに能力を使っている。どこにいるのかわからないが近くにいるだろう。

「志穂先輩、逸れないようにしてくださいよ」

「わかってるわよ」

僕は志穂先輩にそう言い走り出す。アビリティア直前まで僕は能力を使わない、ギリギリまで能力を温存しておくためだ。アビリティア直前になったら僕は能力を発動させる。僕の能力は志穂先輩の全裸じゃないと発動できないという制限がないため服など身につけている物も自由に透明化できる。

僕はミカさんから借りた指輪を指につけ指輪だけは透明化させずに志穂先輩が僕の居場所をわかるようにする。

「さあて、じゃあ、みんな頼むよ」

当夜先輩は緑先輩を連れて近くの瓦礫の側に移動する。

「わかってるわよ。適当に暴れてアビリティアの連中を引き付ければいいんでしょ」

楓先輩がそう言いながら能力を発動して近くの鉄などを全てはるか上空へと持ち上げる。







「どうやら来たみたいだね」

空中に浮かぶ鉄の塊の映像を見てビスタが近くにいる杏奈先生に言う。

「そうですね…どうしましょうか…」

「とりあえず君の教え子たちの実力を知っておきたいな…テレシアに出るように伝えてくれ…」

「わかりました」

杏奈先生はビスタにそう言いビスタの部屋から出て行く。










「さあて、おでましみたいね。みんな、あまり離れないように気をつけながらやるわよ」

楓先輩が全員にそう言い勢いよく鉄の塊を振り落とす。
突如振り落とされた鉄の塊を避けるためにアビリティアの連中はあちこちに散っていく。

「あの…すみません…怪我はさせないように….するので…」

百合子先輩はそう言いながら地面に足を何度も叩きつける。
するとアビリティアの連中の足元から謎の衝撃が走りアビリティアの連中は吹き飛んでいく。

「百合子さんの能力って百合子さんの性格に合わない能力だよね….」

瓦礫の裏から様子を見ていた当夜先輩が緑先輩に言う。

「たしかにそうですね…でも、百合子は強いですよ。普段は弱々しく見えるけどいざって時はちゃんとやる子ですから…」

「そうだね」

「なんか…今…変な視線を感じたような……」

当夜先輩と緑先輩の視線を感じた百合子先輩が少し震えながら呟く。

「さあて…あなたたちの相手は私がしてあげるわ…私の新技しっかり味わいなさい」

楓先輩の前に並ぶアビリティアの連中に楓先輩が言う。そして楓先輩は能力を発動させて地面に埋まっている砂鉄を持ち上げる。

無数の砂鉄がアビリティアの連中を囲む。楓先輩が右手を握りつぶした瞬間、アビリティアの連中は無数の砂鉄に飲み込まれた。

「あっ…ちょっとやりすぎたかも…まあ、そのうち全員気絶するしこれでいっか…」

いやいや、良くないですよ……さっきからすごい悲鳴が僕と志穂先輩のもとまで聞こえてるんですけど……しばらくすると砂鉄に流れている電流でアビリティアの連中は次々と気絶していき静かになった。

「まあ、そろそろいいわよね…」

楓先輩が能力を解除すると砂鉄が流れ落ちる。その場には大量の砂鉄と気を失ったアビリティアの連中だけが残った。

「さて…私の相手はあなたってことでいいのかしら…」

ヴィオラ先輩が近づいてくる人影に向かって言う。

「はい。あなたの相手は私、テレシアがさせていただきます」

「そう、なら性勢死なないように気をつけるのかしら…私は強敵相手に加減するのは苦手なのよ…」

「なるほど、わかりました。あなたこそ死なないように気をつけてくださいね…」

テレシアさんはそう言いながら少しずつヴィオラ先輩に近づいて行く。ヴィオラ先輩は2つの巨大なネジを作り出して迎撃態勢に入る。

「良い能力ですね…私の能力に似ていて倒し甲斐がある…」

テレシアさんが何もないところから剣を取り出してヴィオラ先輩に斬りかかる。

「あまいのかしら…」

ヴィオラ先輩はテレシアさんの剣をネジで受け止めてもう片方のネジをテレシアさん目掛けて発射する。

ヴィオラ先輩が発射したネジはテレシアさんのもう一本の剣に止められる。

「剣を作り出す能力…かしら?」

ヴィオラ先輩がテレシアさんから距離を取りながら尋ねる。

「おしいですね。私は実在する好きなものを自由に生成できます」

「敵に能力を教えるなんて…私を舐めているのかしら…」

ヴィオラ先輩が左手で小さめのネジを大量に作り出しテレシアさん目掛けて発射する。

「いえいえ、私だけあなたの能力を知っているのはフェアじゃないと思いまして、あなたのことはかなりの強敵だと捉えてますが…」

テレシアさんは先程作った剣を一本消して代わりに巨大な盾を作りヴィオラ先輩のネジを受け止めた。

「そう、ならいいのかしら…じゃあ、フェアになったことだしお互い全力でやるのかしら…」

「わかりました。私、テレシアが全力であなたを拘束させていただきます」

テレシアさんは巨大な盾を消して1本の剣を構え直す。

ヴィオラ先輩も両手に巨大なネジを装備してテレシアさんと対峙する。

















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