とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

作戦











はい。僕の期待はあっさりと裏切られました…

そりゃこんなに大きなお屋敷ですし浴室が2つあってもおかしくありませんよね……クソっ…

「わー、お風呂広いね〜」

突如聞こえて来た声に僕はとっさに反応する。
どうやら壁の向こう側から聞こえて来たらしい、どうやら壁の向こう側は女風呂のようだ。

「覗き…しようとしてるならやめた方がいい…」

僕が振り返ると信一先輩が床に倒れていた。

「信一先輩、どうしたんですか…」

「女風呂を覗こうとしたら男風呂と女風呂の間にある小さな部屋にいたアシュリーさんにぶっ飛ばされたんだよ…」

信一先輩の横にいた信二先輩が言う。信二先輩は覗こうとしなかったためアシュリーさんにぶっ飛ばされなかったらしい……僕も覗くのはやめておこう………

「ちょっ、百合子…あんたいつのまにそんな立派なものぶら下げるようになったのよ」

緑先輩の声がこっちまで聞こえてくる。たしかに百合子先輩大きいもんな……

僕はそんなことを考えながらお湯に浸かる。ふぅ…いい湯だな〜

「じゃあ、晴樹君、僕は先に失礼するよ」

当夜先輩がそう言いながらお湯から出る。

「あっ、僕ももうでますよ」

僕も当夜先輩に続いてお湯から出る。
僕達が浴室から出るとちょうど女性陣も浴室から出てきた。

「あっ、晴樹君と当夜先輩も入ってたんですね」

僕達に気づいたダイナが話しかけてくる。

「晴樹君、おはよう」
「おは…よう……」

ダイナに続いて緑先輩と百合子先輩も挨拶してくれる。うん、やっぱり大きいな…僕の視線はついつい百合子先輩に向いてしまった。

「皆様…朝食の準備が出来てますのでホールにお集まりください」

突然現れたアシュリーさんが僕達に言う。僕達はアシュリーさんの言う通りホールに入った。

「みなさん、おはようございます。昨日はゆっくり休めましたか?」

すでに席についていたミカさんが僕達に尋ねる。

「はい。おかげさまでゆっくりできました。ありがとうございます」

「なら良かったです。では揃ったみたいですし朝食をいただきましょう」

その後僕達は朝食をいただき昨晩話し合ったことをみんなに相談する。

「なるほど、たしかにそれが一番なのかしら…まずは情報を集めるのが最優先なのよ…」

「私もとりあえずは情報を集めるべきだと思いますよ」

ヴィオラ先輩とアシュリーさんが僕達の意見に同意してくれる。どうやら反対意見はないみたいだ。

「それよりも、昨晩からこの屋敷周りを怪しい人影が行き来しているみたいですが…」

アシュリーさんがそう言い屋敷の庭に仕掛けられている監視カメラの映像を見せてくれる。たしかに同じ人が何度も行き来している。

「どういたしましょうか…」

「とりあえず向こうから何かするまでは無視しましょう。下手に危害を加えると後から面倒なことになるかもしれませんし…」

ミカさんがアシュリーさんにそう言うとアシュリーさんは手に持っていた短剣をしまう。短剣って…襲ってきても殺しちゃダメですよ……

「たしかにそれが一番ですね。とりあえずはどうやってアビリティアまで行くかを考えよう」

当夜先輩はそう言いながらミカさんに借りた地図を取り出す。アビリティアは地下にあるために入り口が一箇所しかない、故に侵入がすごく大変なのだ…

「あと、アビリティアへ侵入するならアビリティア入り口を開けるためのキーカードが必要ですよ」

ミカさんが僕達に言う。そういえば僕達がアビリティアに行ったときテレシアさんが入り口でカードを使ってたな……

「まあ、キーカードは私が持っているものを貸しましょう」

アシュリーさんがそう言いながらポケットから1枚のカードを取り出し机の上に置く。

「アシュリーさんはアビリティアに?」

当夜先輩が少し警戒しながらアシュリーさんに尋ねる。

「いえ、ただ潜入することがあるかもしれないので一応手に入れてありました」

「どうやって手に入れたんですか?」

「…………まあ、裏のルートで……」

アシュリーさんの答えを聞きこれ以上追求するべきではないと思ったのか当夜先輩は質問をやめた。

「とりあえずキーカードはアシュリーさんから借りるとして、どうやってアビリティアまでいくの?」

楓先輩が僕達に尋ねる。

「まず、緑さんのテレポートで戦闘向きの能力を持ってる人と晴樹君、志穂さんで近くまで移動する。そして志穂さんと晴樹君の侵入が完了するまでみんなには緑さんを守りながら適当に暴れてアビリティアの人達の注意を引きつけてもらう」

「なるほど、人が少なくなった隙をついて侵入してもらうわけね」

「ああ、そう言うことだよ」

「さて、大体の作戦は決まったみたいですね。アシュリーも一緒に行かせたいのですがそれだと屋敷の警備が薄くなってしまうので…」

「いえいえ、気にしないでください」

当夜先輩が謝るミカさんにそう言う。

「さて、メンバーはこれでいいかな…」

当夜先輩がいくつかグループ分けをした。

まず、アビリティアに侵入するのは僕と志穂先輩、僕達が侵入しやすくするようにしてくれるのは当夜先輩、緑先輩、信一先輩、信二先輩、ダイナ、巫女さん、楓先輩、百合子先輩、ヴィオラ先輩、そして屋敷にて待機する花実とティナちゃん

「じゃあ、気をつけてくださいね」
「みんな、頑張って」
「楓…志穂…はやく帰って来てね」

ミカさん、花実、ティナちゃんの言葉を聞きながら緑先輩はテレポートを発動した。















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