冒険者は最強職ですよ?
決戦の始まり 1
目の前には魔王城、周りには何も無い。遥か彼方が見えるだけ。魔王城の大きさは半端じゃない。こんな大きな建物を走り回ると考えると、気が重くなる。
武装を解除せず、進んで行くジン達は、入り口であろう場所へ辿り着き、皆顔を合わせ、頷き、気持ちを決めていざ進入する。
ずっしりとした重みのあるドアを開け、中へ入る。暗く、寒く、恐ろしい。外にも伝ってきていた邪悪な気が、魔王城の中へ入った途端にさらに強くなる。
前が見えないため、ドアを開けたままゆっくりと奥へと進んで行く。だが、全員が進入し、ある程度進んだところでドアは突然閉まる。ドカン、と音を立てて。
皆は背中を寄せ合い、声を掛けながら確認をしていると、部屋の奥が明るくなる。その灯りは次第に近づいてきて、ジン達のいる部屋全体が明るくなる。すると、ジンの目の前に、フードを深くかぶった魔族らしき者が目の前に立っていた。
「お前は……誰だ?」
恐る恐る声をかけ、それを聞いたほかの者は、皆、ジンの目線の先の人物へと注がれる。
なんだろう、何か特別な感じの気を少しだけだけど感じる……でも本当に極わずかだけど……。
そう思っていると、レッドが突然耳打ちをする。
『おいジン。あれはもしかすると……』
「もしかすると?」
『……女神かもしれん』
「なっ!?」
ジンが驚くのと同時のタイミングで、フードをかぶった人物は突然襲いかかってくる。それを見ていたレベッカ達は、咄嗟にジンの前に入り、構えを取る。
フードをかぶった人物が、先頭に立つへレーナに殴り掛かるが、へレーナは軽々と避け、腹に蹴りをお見舞する。続けて、宙に浮いたその人物を、レベッカが踵落としをして地面に叩きつける。地面に這いつくばっている状態の所を、エレンがさらに蹴りをいれる。
「ちょっ、まっ……!」
咄嗟に止めに入り、飛んでいったフードをかぶった人物に近づき、取り押さえてフードを、捲る。が、全く見たことの無い人物だった。
「女神様じゃない……か」
『いや、ジン。多分それは女神で間違いない。其奴、多分抵抗されて女神の力を使い切れてない。我にはわかる』
「本当にですか?」
『ああ。ブラックとホワイトはわからんと思うが、我にはわかる。古い仲だからな』
「……じゃあレッドさんを信じてみます。それに、実は僕も魔族が持つ特有の気とは、違った気を感じていました」
『それをジンが感じ取れていたなら話は早い。さっさと助けてやれ。其奴も早く解放されたがっているだろう』
「わ、わかりました……」
うわぁぁ〜! いざ助ける方法を行うってなると恥ずかしい〜! 結婚を申し込まれてるのに、こんな見たことを無い人にキスをするところを見られたらと思うと……女神代行エル様、他に手段は無いものか……。
『何をしている? 時間は無いのだぞ?』
レッドに急かされ、さらに恥ずかしくなる。ジンも分かってはいるが、中々実行できない。
いざこころを決め、キスをしようとした瞬間、ジンは、脇腹に激痛が走り、そう思った瞬間に壁に激突していた。
「……いて、は?」
『おいジン! 大丈夫か!? 何が起きた!?』
「いえ、僕にもわかりません!」
レベッカ達も何が起きたかわからず、それはブラック、ホワイト、レッドも同じだった。ただ、ジンがわけもわからずぶっ飛んでいったようにしか見えなかった。
一旦部屋の中央らへんに集まり、全方位を見れるように円になって部屋を見る。
すると、先程ジンと女神と思しき人物がいた方向から、足音と、少し高い声が聞こえてくる。
『ほう? 今の蹴りを食らって余裕な顔して立ち上がりますか……私もまだまだ甘いのですね……』
「誰だ!」
声の方向は、ちょうどジンが見ている方向で、そのジンの叫び声につられ、皆もその方を向く。
『どうも、わたくし、魔王様の元で魔王幹部をやらせてもらっています。ハルッド=メデス、と言います。以後お見知りおきを』
「ハルッド……お前、そのフードを、被った女性を助けたのか? それとも、ただ僕を殺す気で蹴ったのか?」
『この女性ですか? ああ、この方は魔王様の言成りと化した女神ですよ。あっさりやられていたのは少し驚きましたが……』
「よし、それがわかれば……」
『あ、それと、言っておきますけど、わたくし、かなり強いですよ? 自分で言うのもなんですが、魔王軍の中では三番目くらいには強いと思いますよ』
「前に戦ったやつより強いのか……」
『まぁ、ここで全員死ぬのですから、安心して死んでください』
「それはどうかな……?」
武装を解除せず、進んで行くジン達は、入り口であろう場所へ辿り着き、皆顔を合わせ、頷き、気持ちを決めていざ進入する。
ずっしりとした重みのあるドアを開け、中へ入る。暗く、寒く、恐ろしい。外にも伝ってきていた邪悪な気が、魔王城の中へ入った途端にさらに強くなる。
前が見えないため、ドアを開けたままゆっくりと奥へと進んで行く。だが、全員が進入し、ある程度進んだところでドアは突然閉まる。ドカン、と音を立てて。
皆は背中を寄せ合い、声を掛けながら確認をしていると、部屋の奥が明るくなる。その灯りは次第に近づいてきて、ジン達のいる部屋全体が明るくなる。すると、ジンの目の前に、フードを深くかぶった魔族らしき者が目の前に立っていた。
「お前は……誰だ?」
恐る恐る声をかけ、それを聞いたほかの者は、皆、ジンの目線の先の人物へと注がれる。
なんだろう、何か特別な感じの気を少しだけだけど感じる……でも本当に極わずかだけど……。
そう思っていると、レッドが突然耳打ちをする。
『おいジン。あれはもしかすると……』
「もしかすると?」
『……女神かもしれん』
「なっ!?」
ジンが驚くのと同時のタイミングで、フードをかぶった人物は突然襲いかかってくる。それを見ていたレベッカ達は、咄嗟にジンの前に入り、構えを取る。
フードをかぶった人物が、先頭に立つへレーナに殴り掛かるが、へレーナは軽々と避け、腹に蹴りをお見舞する。続けて、宙に浮いたその人物を、レベッカが踵落としをして地面に叩きつける。地面に這いつくばっている状態の所を、エレンがさらに蹴りをいれる。
「ちょっ、まっ……!」
咄嗟に止めに入り、飛んでいったフードをかぶった人物に近づき、取り押さえてフードを、捲る。が、全く見たことの無い人物だった。
「女神様じゃない……か」
『いや、ジン。多分それは女神で間違いない。其奴、多分抵抗されて女神の力を使い切れてない。我にはわかる』
「本当にですか?」
『ああ。ブラックとホワイトはわからんと思うが、我にはわかる。古い仲だからな』
「……じゃあレッドさんを信じてみます。それに、実は僕も魔族が持つ特有の気とは、違った気を感じていました」
『それをジンが感じ取れていたなら話は早い。さっさと助けてやれ。其奴も早く解放されたがっているだろう』
「わ、わかりました……」
うわぁぁ〜! いざ助ける方法を行うってなると恥ずかしい〜! 結婚を申し込まれてるのに、こんな見たことを無い人にキスをするところを見られたらと思うと……女神代行エル様、他に手段は無いものか……。
『何をしている? 時間は無いのだぞ?』
レッドに急かされ、さらに恥ずかしくなる。ジンも分かってはいるが、中々実行できない。
いざこころを決め、キスをしようとした瞬間、ジンは、脇腹に激痛が走り、そう思った瞬間に壁に激突していた。
「……いて、は?」
『おいジン! 大丈夫か!? 何が起きた!?』
「いえ、僕にもわかりません!」
レベッカ達も何が起きたかわからず、それはブラック、ホワイト、レッドも同じだった。ただ、ジンがわけもわからずぶっ飛んでいったようにしか見えなかった。
一旦部屋の中央らへんに集まり、全方位を見れるように円になって部屋を見る。
すると、先程ジンと女神と思しき人物がいた方向から、足音と、少し高い声が聞こえてくる。
『ほう? 今の蹴りを食らって余裕な顔して立ち上がりますか……私もまだまだ甘いのですね……』
「誰だ!」
声の方向は、ちょうどジンが見ている方向で、そのジンの叫び声につられ、皆もその方を向く。
『どうも、わたくし、魔王様の元で魔王幹部をやらせてもらっています。ハルッド=メデス、と言います。以後お見知りおきを』
「ハルッド……お前、そのフードを、被った女性を助けたのか? それとも、ただ僕を殺す気で蹴ったのか?」
『この女性ですか? ああ、この方は魔王様の言成りと化した女神ですよ。あっさりやられていたのは少し驚きましたが……』
「よし、それがわかれば……」
『あ、それと、言っておきますけど、わたくし、かなり強いですよ? 自分で言うのもなんですが、魔王軍の中では三番目くらいには強いと思いますよ』
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