本日は性転ナリ。
After Story…Aya.11
気がつくと辺りは再び闇に包まれ、そしてまた白い靄がゆっくりとその姿を現わす。
あれは…
「稚華…!!たすけて…」
私はそう言って、視線の先に現れた稚華の背中に届かぬ手を伸ばす。
『彩ッ♪』
そしていつもの優しい口調で稚華が振り返る。と同時に安堵からか、大粒の涙が次々と溢れ出すのを感じる。
「稚華ッ…稚華ぁーッ!!」
『触んなよブス♪』
え…
伸ばした手から力が抜け、私は稚華を呆然と見つめた。
『何?私アンタみたいな女1番キライなんだよね。私にいい顔して仲良くするフリなんかしてさ。裏ではこんな隠し事してたなんて見損なった。だから早く死んじゃえよ♪アンタなんて誰にも必要とされないんだからさ、ねッ?』
稚華の笑顔が涙に歪み、私から全てが消えた。
「ぁ…ぁあ''ーーァァァァ…」
耐えきれず、喉の奥から隙間風のように吐き出された私の叫びが全身に響いた時、辺りがまた暗闇に包まれ、完全なる無の世界へと私は放り込まれた。
…直前まで吹き荒れていた皆の言葉も、雷ように全身を走っていた心臓の鼓動も、そして自分の呼吸する音すらも今はその音潜めている。
ただ…頬を伝う温かい感触だけが止まることなく伝わり続ける。
そんな時が永遠と思える程に流れていく。
このまま私は消えてしまいたい…
私の頭にはそんな事だけが浮かび続けていた。
そんな時、漆黒の闇に微かに浮かぶ光を見た。
しかし私はもうそんなモノはどうでも良かった。だって…消えるべき人間には光などもう必要ないのだから。
その光はだんだんと私へと近づいてくる。厳密に言えば光の尾を引きながらだんだんと私に向かって伸びてくるようだった。
花…
無数に咲き乱れる小さな花々。その花々が一つ一つ光り輝きゆっくりと私の側へと近づいてくる。
そして、遂に私の足元まで伸びたその光の花々が、ゆっくりとその進路を変え、上へと伸びていく。
私は細く開いた目で無気力にその花々を見つめた。
そして私の身長程に伸びたその光る花々の塊がゆっくりとその灯りを消した時、何処か遠いような、耳元で囁くような、そんな声が私の頭の中に響いた。
『怖かったわね。でも、もう大丈夫よ。』
その声は懐かしく、そしてとても温かいモノに感じた。
『他の人の事は忘れて私と行きましょう、彩。』
そうだ。この声は…
「アヤ…?」
『そうよ、ワタシ。久しぶりね。突然に彩が私たちの扉を閉め、鍵を掛けてしまうんだもの。寂しかったわ…ううん、それはもういいの。それよりも…あなたを愛する人はもう何処にも居ないの。分かったでしょ??』
「どうして貴女が…」
『そんなに落ち込まないで♪何故ワタシが此処に現れたかなんてそんなの決まっているわ。だって貴女を愛する人はワタシ以外居ないのだから。』
「私を…?そんなの嘘…私はこのまま、この闇に身を捧げて無くなるべきだもの…」
『ワタシは貴女、彩を愛しているわ。そして彩は私を愛していいの。唯一の貴女の味方。』
「だけれど…私は罪を犯した…そしてその罪を忘れ、更なる罪を重ね続けた…そんな私に人を愛する資格など無いわ…」
『大丈夫。だって"ワタシ"は"彩"だもの。誰も傷つけない。誰にも迷惑なんて掛けないのだから。好きなだけワタシを愛していいの。ワタシはそれ以上に貴女を愛してあげる。』
あれは…
「稚華…!!たすけて…」
私はそう言って、視線の先に現れた稚華の背中に届かぬ手を伸ばす。
『彩ッ♪』
そしていつもの優しい口調で稚華が振り返る。と同時に安堵からか、大粒の涙が次々と溢れ出すのを感じる。
「稚華ッ…稚華ぁーッ!!」
『触んなよブス♪』
え…
伸ばした手から力が抜け、私は稚華を呆然と見つめた。
『何?私アンタみたいな女1番キライなんだよね。私にいい顔して仲良くするフリなんかしてさ。裏ではこんな隠し事してたなんて見損なった。だから早く死んじゃえよ♪アンタなんて誰にも必要とされないんだからさ、ねッ?』
稚華の笑顔が涙に歪み、私から全てが消えた。
「ぁ…ぁあ''ーーァァァァ…」
耐えきれず、喉の奥から隙間風のように吐き出された私の叫びが全身に響いた時、辺りがまた暗闇に包まれ、完全なる無の世界へと私は放り込まれた。
…直前まで吹き荒れていた皆の言葉も、雷ように全身を走っていた心臓の鼓動も、そして自分の呼吸する音すらも今はその音潜めている。
ただ…頬を伝う温かい感触だけが止まることなく伝わり続ける。
そんな時が永遠と思える程に流れていく。
このまま私は消えてしまいたい…
私の頭にはそんな事だけが浮かび続けていた。
そんな時、漆黒の闇に微かに浮かぶ光を見た。
しかし私はもうそんなモノはどうでも良かった。だって…消えるべき人間には光などもう必要ないのだから。
その光はだんだんと私へと近づいてくる。厳密に言えば光の尾を引きながらだんだんと私に向かって伸びてくるようだった。
花…
無数に咲き乱れる小さな花々。その花々が一つ一つ光り輝きゆっくりと私の側へと近づいてくる。
そして、遂に私の足元まで伸びたその光の花々が、ゆっくりとその進路を変え、上へと伸びていく。
私は細く開いた目で無気力にその花々を見つめた。
そして私の身長程に伸びたその光る花々の塊がゆっくりとその灯りを消した時、何処か遠いような、耳元で囁くような、そんな声が私の頭の中に響いた。
『怖かったわね。でも、もう大丈夫よ。』
その声は懐かしく、そしてとても温かいモノに感じた。
『他の人の事は忘れて私と行きましょう、彩。』
そうだ。この声は…
「アヤ…?」
『そうよ、ワタシ。久しぶりね。突然に彩が私たちの扉を閉め、鍵を掛けてしまうんだもの。寂しかったわ…ううん、それはもういいの。それよりも…あなたを愛する人はもう何処にも居ないの。分かったでしょ??』
「どうして貴女が…」
『そんなに落ち込まないで♪何故ワタシが此処に現れたかなんてそんなの決まっているわ。だって貴女を愛する人はワタシ以外居ないのだから。』
「私を…?そんなの嘘…私はこのまま、この闇に身を捧げて無くなるべきだもの…」
『ワタシは貴女、彩を愛しているわ。そして彩は私を愛していいの。唯一の貴女の味方。』
「だけれど…私は罪を犯した…そしてその罪を忘れ、更なる罪を重ね続けた…そんな私に人を愛する資格など無いわ…」
『大丈夫。だって"ワタシ"は"彩"だもの。誰も傷つけない。誰にも迷惑なんて掛けないのだから。好きなだけワタシを愛していいの。ワタシはそれ以上に貴女を愛してあげる。』
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
4
-
-
24251
-
-
4405
-
-
140
-
-
75
-
-
104
-
-
107
-
-
52
-
-
1978
コメント