本日は性転ナリ。
After story...Dear Rei .9
「何故ここに来たんですか…?誰の為に来たんですか。」
『なに言ってるんだよこいつは、だから嶺の為に決まっているだろ。まともな奴は居ねーのか?』
「マトモじゃないのはあなたじゃないですか。嶺ちゃんの為と言うのなら何でもっと早くに、嶺ちゃんの人生が終わってしまう前に会いに行ってあげなかったんですか…」
『嶺がいつ死ぬかなんて俺に分かるわけが無いだろ!!知っていたらもっと早くに会いに行ったに決まっているさ。』
ダメだこの人…何も分かっちゃいない。
「そんなコトを聞いているんじゃないです。人がいつ死んでしまうかなんて分かるわけがない、いつ死ぬか分からないからこそ共に生きている今その時の掛け替えのない時間を大切にするべきだった…"嶺ちゃんの為"、そのキモチがあったのなら何故今まで見放し、手を差し伸べることをしなかったのか聞いてるんです。」
『何で俺がお前みたいなガキに説教されなきゃならないんだ?あぁ?お前は嶺の"ただのオトモダチ"だろ?俺は"父親"だ。分かったらとっとと帰んな。』
「そうですね、私は"ただのオトモダチ"です。ですけど私はあなたよりずっとずっと稚華さんのコト大切に思ってるし、一緒に過ごした時間だってあなたみたいに薄っぺらな感情で過ごしたじゃない。なんで"ただのオトモダチ"より"父親"の方が稚華さんを大切に思ってないんですか…?稚華さんをこんな目に合わせて…そんな父親なら二度と2人の前に現れないで欲しい。」
すると父親は、私の目の前まで歩み寄り、息を大きく吸い込むと、罵声を辺り一帯に響かせた。
『だからなんだよっ!!このクソガキが!!黙って聞いてりゃいちいち意味のわからない事抜かしやがって!!ふざけんな殺すぞこのクソ!!』
その迫力に一瞬たじらぎそうになるも、グッと堪えて私の"声"を絞り出した。
「アンタが自分の事だけを考えて生きている間、稚華さんと嶺ちゃんがどれだけ一生懸命に、必死に生きてきたのかも分かってらあげられない人は父親を名乗る資格なんてない!!もう一度言います!!二度と稚華さんと嶺ちゃんの前に現れるなッッ!!」
すると父親は『そんなのは父親の俺が決める事だろーが!!』と叫び、右手を大きく振りかぶり、一直線に私に向かってその拳を投げた。
…私、キライだ、この人。
私の顔に向けて放たれた拳の風を右頬に流し、左腕をその真っ直ぐに伸びた腕に絡ませる。そして身体の重心をふっと斜め下へと移動させた。
父親の身体は見えない糸に引っ張られるかのように跪き、私に見下ろされたその顔をゆっくりとあげた。
そして私は"状況を理解できていない"その男に向かって静かに告げた。
『なに言ってるんだよこいつは、だから嶺の為に決まっているだろ。まともな奴は居ねーのか?』
「マトモじゃないのはあなたじゃないですか。嶺ちゃんの為と言うのなら何でもっと早くに、嶺ちゃんの人生が終わってしまう前に会いに行ってあげなかったんですか…」
『嶺がいつ死ぬかなんて俺に分かるわけが無いだろ!!知っていたらもっと早くに会いに行ったに決まっているさ。』
ダメだこの人…何も分かっちゃいない。
「そんなコトを聞いているんじゃないです。人がいつ死んでしまうかなんて分かるわけがない、いつ死ぬか分からないからこそ共に生きている今その時の掛け替えのない時間を大切にするべきだった…"嶺ちゃんの為"、そのキモチがあったのなら何故今まで見放し、手を差し伸べることをしなかったのか聞いてるんです。」
『何で俺がお前みたいなガキに説教されなきゃならないんだ?あぁ?お前は嶺の"ただのオトモダチ"だろ?俺は"父親"だ。分かったらとっとと帰んな。』
「そうですね、私は"ただのオトモダチ"です。ですけど私はあなたよりずっとずっと稚華さんのコト大切に思ってるし、一緒に過ごした時間だってあなたみたいに薄っぺらな感情で過ごしたじゃない。なんで"ただのオトモダチ"より"父親"の方が稚華さんを大切に思ってないんですか…?稚華さんをこんな目に合わせて…そんな父親なら二度と2人の前に現れないで欲しい。」
すると父親は、私の目の前まで歩み寄り、息を大きく吸い込むと、罵声を辺り一帯に響かせた。
『だからなんだよっ!!このクソガキが!!黙って聞いてりゃいちいち意味のわからない事抜かしやがって!!ふざけんな殺すぞこのクソ!!』
その迫力に一瞬たじらぎそうになるも、グッと堪えて私の"声"を絞り出した。
「アンタが自分の事だけを考えて生きている間、稚華さんと嶺ちゃんがどれだけ一生懸命に、必死に生きてきたのかも分かってらあげられない人は父親を名乗る資格なんてない!!もう一度言います!!二度と稚華さんと嶺ちゃんの前に現れるなッッ!!」
すると父親は『そんなのは父親の俺が決める事だろーが!!』と叫び、右手を大きく振りかぶり、一直線に私に向かってその拳を投げた。
…私、キライだ、この人。
私の顔に向けて放たれた拳の風を右頬に流し、左腕をその真っ直ぐに伸びた腕に絡ませる。そして身体の重心をふっと斜め下へと移動させた。
父親の身体は見えない糸に引っ張られるかのように跪き、私に見下ろされたその顔をゆっくりとあげた。
そして私は"状況を理解できていない"その男に向かって静かに告げた。
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