本日は性転ナリ。

漆湯講義

168.意識

「ちょっ…莉結!!流石にその…下着は借りられないよぉーーッ!!」
こちらを振り向いた莉結は、何故かドライヤー片手に目をまん丸くして固まっている。次第に顔が真っ赤になっていき…
…気付いた。と同時に莉結が目を瞑って言った。

『服くらい、着てよッ!!下着くらい気にしないで借りていいからサッ!!』
「ご、ごめんッ!!」
私は慌てて洗面所へと戻った。
わぁー…恥ずかしい…莉結の家に男の人居なくて良かったぁ…

莉結の匂いに包まれ浴室を出る。そして身体の水滴を拭き取り…ジャージの間から下着を出した。

下着を手に取り、暫くの間葛藤した。
しかしふと客観的考えて自分が物凄い変態に思えてきたので何も気にしないフリをして下着を装着する。

しかし胸の鼓動は治らない。

「莉結ッ、あ、ありがとっ。お風呂上がったよ。」

莉結は髪を乾かし終わりベッドの上で雑誌を読んでいた。
『うん。ドライヤーそれね。クシは鏡の前のやつ使ってね。』

莉結は何も気にしてないんだから!私だって別に。しかも女同士で下着の貸し借りなんて当たり前だよねきっと!!

長い髪を乾かし終わると、莉結が『衣瑠も女の子なんだから雑誌くらいチェックしなよっ。それとレイちゃんにも服とかあげたら喜ぶかな?』と言って目の前に置いた雑誌を横にズラすと、"ほら、ココ来て"とジェスチャーした。
まだ心臓が高鳴っている。この音が聞こえるんじゃないかとヒヤヒヤしながら少し間を空けて莉結の横にうつ伏せになった。

『この服なんて似合いそうじゃない??』
莉結が楽しそうにモデルが着た服を指差す。
「へぇー…」
『レイちゃん小柄だからこっちの方がいいかなぁ??』
「うん…」
『この子可愛いよね♪』
「そうだねッ。」
…莉結の視線を感じてふと横を見るとふくれっ面の莉結が私を睨みつけていた。

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