本日は性転ナリ。
106.困惑の先
『……え?誰…』
そこには同い年くらいの女の子が映っている。
見覚えはある。いや、"見慣れた自分"によく似た女の子なのだ。
しばらく鏡を凝視した後、鏡を裏返しにしては、また鏡を凝視する。それを何度か繰り返すと、急に恐怖に包まれた。
『姉ちゃん…コレ…僕なの?』
姉ちゃんは何も言わなかった。
その反応が意味するコトを理解したとき、慌てて身体を起こして洗面所の鏡の前へと走っていた。
そんなことがあるはずがないリアルな夢だ。そうでもなければいつも観ているテレビのドッキリかなんかだ…
頬に絶えず滴り落ちる温かいモノを感じつつ
鏡の前に立った。
深呼吸をして気休め程度に心を落ち着かせ、心臓が抉られる思いで顔を上げると…
やはり"彼女"がいた…
真っ白…でもなく、"色"という概念すら存在しないキャンパスを眺めているようになんの感情もなく、ただただ立ち尽くした。
っ痛…
突然"キィーン"と頭痛がした。
無のキャンパスに痛覚が描かれる。
すると頭の奥深くから声が聞こえた。
『成功です………3日後くらいには……変異が起こりますが……には心配いらないですよ。如月先生が……感謝しておりますと…ました。』
…なんだったんだ今の…
…………
それからすぐに母さんの入院先の病院へ姉ちゃんと向かった。
向かっている途中なにを話すこともなく、ただバスに揺られていた。
病院前に着くと、僕は走っていた。
いつのまにか現れた母さんの病室のドアを突き飛ばすようにスライドすると、驚嘆の表情をした母さんが目に映る。
しかしそこから足が動かなかった。
踝まで床に潜り込んでしまったかのようだ。
何も言いだせない僕に母が掛けた言葉は思いがけないものだった。
そこには同い年くらいの女の子が映っている。
見覚えはある。いや、"見慣れた自分"によく似た女の子なのだ。
しばらく鏡を凝視した後、鏡を裏返しにしては、また鏡を凝視する。それを何度か繰り返すと、急に恐怖に包まれた。
『姉ちゃん…コレ…僕なの?』
姉ちゃんは何も言わなかった。
その反応が意味するコトを理解したとき、慌てて身体を起こして洗面所の鏡の前へと走っていた。
そんなことがあるはずがないリアルな夢だ。そうでもなければいつも観ているテレビのドッキリかなんかだ…
頬に絶えず滴り落ちる温かいモノを感じつつ
鏡の前に立った。
深呼吸をして気休め程度に心を落ち着かせ、心臓が抉られる思いで顔を上げると…
やはり"彼女"がいた…
真っ白…でもなく、"色"という概念すら存在しないキャンパスを眺めているようになんの感情もなく、ただただ立ち尽くした。
っ痛…
突然"キィーン"と頭痛がした。
無のキャンパスに痛覚が描かれる。
すると頭の奥深くから声が聞こえた。
『成功です………3日後くらいには……変異が起こりますが……には心配いらないですよ。如月先生が……感謝しておりますと…ました。』
…なんだったんだ今の…
…………
それからすぐに母さんの入院先の病院へ姉ちゃんと向かった。
向かっている途中なにを話すこともなく、ただバスに揺られていた。
病院前に着くと、僕は走っていた。
いつのまにか現れた母さんの病室のドアを突き飛ばすようにスライドすると、驚嘆の表情をした母さんが目に映る。
しかしそこから足が動かなかった。
踝まで床に潜り込んでしまったかのようだ。
何も言いだせない僕に母が掛けた言葉は思いがけないものだった。
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