ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~
第八十話 双子の妹メル
先に行ってしまったローザ達を追いかけていく途中の岩場で、キラリと光る結晶がふと目に入った。
「ん、何かあるぞ? レイチェル、シルヴィア! ちょっと止まってくれるか!」
俺の声に気付いた二人は揃って馬を止める。
「どうしたのであるか? 道草をくっているとどんどんみんなに置いてかれてしまうのであるぞ」
「そうなんだけどちょっと気になるものを見つけてな。これをちょっと見てくれないか」
先程見つけた結晶を指さすと、ちびっ子たちは興味深そうにそれを覗き込んだ。
「こ、これは!? ……なんであるか?」
不思議そうな顔をしてレイチェルは結晶を手に取った。
「……それは……クリスタル……オーブ」
俺が説明するより先にシルヴィアが説明してくれた。
面が全て五角形の輝く球体、これは間違いなくローザが見せてくれたクリスタルオーブと同じものだ。
「そうだ、クリスタルオーブだ! 早速一個ゲットだな! ……この様子だと見落としてるオーブが他にもあるかもしれないから、二人はここでオーブの探索をお願いできるか? 幸いこの辺りにはモンスターもいないみたいだし」
「いいのであるが、ユートはどうするのだ?」
「俺は先に行ったローザ達を追うよ、ジャイアントクラブに苦戦してるかもしれないしな」
レイチェルとシルヴィアがわかったと頷いたのを見てから、俺は再び馬に乗り走り出した。
――――――――――――――――――――
先に進んでいくと突然俺の視界はでかい蟹、蟹、蟹――ジャイアントクラブの群れで覆われた。
「ジャイアントクラブか……」
おれは気だるげにイフリートの炎弾を五回ほど打ち込むと全員仲良くお腹を向けてひっくり返ってしまった。
「俺にジャイアントクラブは通用しないってな!」
誰もいない虚空に向かって誇らしげにポーズを取って見せる。
「ちょっと! 調子に乗ってないで助けなさいよ!」
アリサの声がした。
声の方を見ると、網の中でぐちゃぐちゃに捕えられているアリサ、ローザ、エリーの姿が見えた。
「お前たち、どうしたんだよ!?」
「――気をつけなさい!!」
ローザの鬼気迫る声により、後方から新手のジャイアントクラブの大きなはさみによるフックがとんでくるのに気付いた。
俺は間一髪で攻撃をかわし、いつも通りにイフリートで丸焼きにしてやった。
「……ここはジャイアントクラブが多いな。と、それより早くあいつらを助けてやらないとな」
俺が網の方に近づいていくと、その刹那、炎弾が飛んできて俺の足元をかすめた。
「――!? これはイフリート!?」
炎弾の飛んできた位置をスッと見上げると、そこにはピンクのリボンをつけた双子の妹――メルが岩の上に立っていた。
「――ユートさんっ! これは警告です! 痛い思いをさせたくありませんがこれもうちのギルドのため……。今日の所はわたしたちがクリスタルオーブを頂いて帰ります!」
「おい、ちょっと待て!? さっきまではあんなに友好的だったのにあんまりじゃないか!?」
「うぅ……、アデル先輩にやれっていわれたんですよ。わたしは本当はこんなことしたくないんです! でもギルドの争いはそういうものだってきつく言われました! 信じられないかもしれないですが、ユートさんたちを止められなかったら夕ご飯抜きなんですよ! アデル先輩は鬼畜です、悪魔です!」
最後の方は完全にアデルへの愚痴になってしまっているが、話を聞く限りここで大人しく引き下がってはくれなそうだ。
「アデルの奴、後できついお灸をすえてやらなければいけないな。――おい! メル! そっちがその気ならこっちも手加減はしないぞ!」
「――ひぃっ!? 手加減してください! わたしはか弱い女の子なんですよ!」
「イフリートを操る女の子がか弱くってたまるかよ! そらっ!」
俺はメルの足元目掛けて炎弾を撃ち込んだ――が、メルもイフリートを使える身。メルも同じように炎弾を飛ばして打ち消してしまった。
「これじゃ埒が明かないなオーディンで距離を詰めるか……」
しかし切り札のオーディンを早々に使いたくない気持ちがあったので一瞬躊躇してしまう。
それをメルが見逃さなかった。
「ジャイアントクラブ! ユートさんを捕えちゃって!」
またもや後方に新手のジャイアントクラブが、しかも二体も現れた。
不意を突かれた俺はハサミで体ごと持ち上げられてしまった。
「どういうことだ!? まるでメルの言葉に呼応してジャイアントクラブがやってきているようじゃないか」
「ふふ~ん。実はわたしは魔物を操ることが出来る召喚サタンを使えるんですよ。どうですか? 見直してくれましたか?」
エルは召喚したサタンの横で誇らしげにドヤっている。
それにしても魔物を操ることが出来る召喚だって? とんだチート召喚じゃないか!
「でも残念だったな。ここにいるジャイアントクラブは俺の敵じゃないんでね……よっと」
ジャイアントクラブのハサミの中でイフリートによる熱を発すると、ジャイアントクラブはすぐにハサミを開いて俺を解放した。
解放されてからすぐに、念のためルーペでサタンを覗き込んだ。
『SSランク召喚獣 サタン』 ●〇〇〇〇
神の御使いから転身し、地獄を治める長となった存在
全魔界の悪魔を統べることができるほどの強大な力をもつ。
サタンの加護を得たものは視界に入るモンスターを自在に
操ることが出来るようになる。
【召喚持続時間:一時間】
いやはや、凄い召喚だ。
これがあればどのダンジョンでも楽々攻略できるじゃないか。
「なあ、メル。アデルのギルドをやめてうちのギルドに来ないか?」
「え!? これは……ユートさんからの愛の告白!? どうしましょうどうしましょう!? 突然すぎて胸がドキドキで破裂しちゃいそうです!! ……でもギルドを移るのはダメですダメです。姉やアデル先輩を裏切ることはできないですから!」
「じゃあ今からオーディンを使ってお仕置きをすることになるが、それでも良いか?」
「――ひぃ!? わかりました! わたしの負けです降参です。捕まえたみなさんは解放するから許してください!」
メルは最初にあった時のように凄い勢いで土下座をはじめた。
「はぁ、まあいいよ。あっちのみんなが許してくれればだけどな」
俺はチラリと三人が捕えられた網のほうを見て言った。
「ん、何かあるぞ? レイチェル、シルヴィア! ちょっと止まってくれるか!」
俺の声に気付いた二人は揃って馬を止める。
「どうしたのであるか? 道草をくっているとどんどんみんなに置いてかれてしまうのであるぞ」
「そうなんだけどちょっと気になるものを見つけてな。これをちょっと見てくれないか」
先程見つけた結晶を指さすと、ちびっ子たちは興味深そうにそれを覗き込んだ。
「こ、これは!? ……なんであるか?」
不思議そうな顔をしてレイチェルは結晶を手に取った。
「……それは……クリスタル……オーブ」
俺が説明するより先にシルヴィアが説明してくれた。
面が全て五角形の輝く球体、これは間違いなくローザが見せてくれたクリスタルオーブと同じものだ。
「そうだ、クリスタルオーブだ! 早速一個ゲットだな! ……この様子だと見落としてるオーブが他にもあるかもしれないから、二人はここでオーブの探索をお願いできるか? 幸いこの辺りにはモンスターもいないみたいだし」
「いいのであるが、ユートはどうするのだ?」
「俺は先に行ったローザ達を追うよ、ジャイアントクラブに苦戦してるかもしれないしな」
レイチェルとシルヴィアがわかったと頷いたのを見てから、俺は再び馬に乗り走り出した。
――――――――――――――――――――
先に進んでいくと突然俺の視界はでかい蟹、蟹、蟹――ジャイアントクラブの群れで覆われた。
「ジャイアントクラブか……」
おれは気だるげにイフリートの炎弾を五回ほど打ち込むと全員仲良くお腹を向けてひっくり返ってしまった。
「俺にジャイアントクラブは通用しないってな!」
誰もいない虚空に向かって誇らしげにポーズを取って見せる。
「ちょっと! 調子に乗ってないで助けなさいよ!」
アリサの声がした。
声の方を見ると、網の中でぐちゃぐちゃに捕えられているアリサ、ローザ、エリーの姿が見えた。
「お前たち、どうしたんだよ!?」
「――気をつけなさい!!」
ローザの鬼気迫る声により、後方から新手のジャイアントクラブの大きなはさみによるフックがとんでくるのに気付いた。
俺は間一髪で攻撃をかわし、いつも通りにイフリートで丸焼きにしてやった。
「……ここはジャイアントクラブが多いな。と、それより早くあいつらを助けてやらないとな」
俺が網の方に近づいていくと、その刹那、炎弾が飛んできて俺の足元をかすめた。
「――!? これはイフリート!?」
炎弾の飛んできた位置をスッと見上げると、そこにはピンクのリボンをつけた双子の妹――メルが岩の上に立っていた。
「――ユートさんっ! これは警告です! 痛い思いをさせたくありませんがこれもうちのギルドのため……。今日の所はわたしたちがクリスタルオーブを頂いて帰ります!」
「おい、ちょっと待て!? さっきまではあんなに友好的だったのにあんまりじゃないか!?」
「うぅ……、アデル先輩にやれっていわれたんですよ。わたしは本当はこんなことしたくないんです! でもギルドの争いはそういうものだってきつく言われました! 信じられないかもしれないですが、ユートさんたちを止められなかったら夕ご飯抜きなんですよ! アデル先輩は鬼畜です、悪魔です!」
最後の方は完全にアデルへの愚痴になってしまっているが、話を聞く限りここで大人しく引き下がってはくれなそうだ。
「アデルの奴、後できついお灸をすえてやらなければいけないな。――おい! メル! そっちがその気ならこっちも手加減はしないぞ!」
「――ひぃっ!? 手加減してください! わたしはか弱い女の子なんですよ!」
「イフリートを操る女の子がか弱くってたまるかよ! そらっ!」
俺はメルの足元目掛けて炎弾を撃ち込んだ――が、メルもイフリートを使える身。メルも同じように炎弾を飛ばして打ち消してしまった。
「これじゃ埒が明かないなオーディンで距離を詰めるか……」
しかし切り札のオーディンを早々に使いたくない気持ちがあったので一瞬躊躇してしまう。
それをメルが見逃さなかった。
「ジャイアントクラブ! ユートさんを捕えちゃって!」
またもや後方に新手のジャイアントクラブが、しかも二体も現れた。
不意を突かれた俺はハサミで体ごと持ち上げられてしまった。
「どういうことだ!? まるでメルの言葉に呼応してジャイアントクラブがやってきているようじゃないか」
「ふふ~ん。実はわたしは魔物を操ることが出来る召喚サタンを使えるんですよ。どうですか? 見直してくれましたか?」
エルは召喚したサタンの横で誇らしげにドヤっている。
それにしても魔物を操ることが出来る召喚だって? とんだチート召喚じゃないか!
「でも残念だったな。ここにいるジャイアントクラブは俺の敵じゃないんでね……よっと」
ジャイアントクラブのハサミの中でイフリートによる熱を発すると、ジャイアントクラブはすぐにハサミを開いて俺を解放した。
解放されてからすぐに、念のためルーペでサタンを覗き込んだ。
『SSランク召喚獣 サタン』 ●〇〇〇〇
神の御使いから転身し、地獄を治める長となった存在
全魔界の悪魔を統べることができるほどの強大な力をもつ。
サタンの加護を得たものは視界に入るモンスターを自在に
操ることが出来るようになる。
【召喚持続時間:一時間】
いやはや、凄い召喚だ。
これがあればどのダンジョンでも楽々攻略できるじゃないか。
「なあ、メル。アデルのギルドをやめてうちのギルドに来ないか?」
「え!? これは……ユートさんからの愛の告白!? どうしましょうどうしましょう!? 突然すぎて胸がドキドキで破裂しちゃいそうです!! ……でもギルドを移るのはダメですダメです。姉やアデル先輩を裏切ることはできないですから!」
「じゃあ今からオーディンを使ってお仕置きをすることになるが、それでも良いか?」
「――ひぃ!? わかりました! わたしの負けです降参です。捕まえたみなさんは解放するから許してください!」
メルは最初にあった時のように凄い勢いで土下座をはじめた。
「はぁ、まあいいよ。あっちのみんなが許してくれればだけどな」
俺はチラリと三人が捕えられた網のほうを見て言った。
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