充実した異世界ライフを送る......はずだったが

ざん

9話 サウシャーナ。


   日差しが目にあたり、目が覚める。

「ん~~~~~~~」

(あれ、なんでこんなとこにいんだ?)

翔太は木の上の太い枝の上に寝転がっていた。
昨日、翔太は色々ありすぎて眠いと思い、どこか眠れる場所がないか探していたところ、ここになったのだ。
今は......5時ぐらいだろうか、やけに眠い。しばらくぼーー、としていたが地面に降り背伸びをしたあと、だんだん頭が回ってきた。

「よしっ!」

とりあえず、神マップ(神様がくれた紙のこと)を手にとると、マップが現れた。

(おぉー、凄いな。さて、ここから近い町とか探すか)

すると、10秒もかからないうちに一つの町を見つけた。名前を見ると、『サウシャーナ』という町名で、ここから約500メートル先にある。

(うーん。町を見つけたはいいものの......)

彼が悩むのは、服装だ。この異世界は中世後半ぐらいの世界なので、文明が発達している国の服を着ていたら目立つ。というか、怪しまれる。他にも考えることがあるが、考えるのが面倒になったため、思考放棄した。
彼のポケットに入っている金貨10枚。その事も悩んでいた。おじいさんが話すには、金貨なんて人々が持つものじゃないと言っていた。持っている人としたら貴族ぐらいだ。
改めてこの世界の通過について話そう。通過には下から鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨の順番で、それぞれ100枚ぶんの差がある。例えば、銅貨100枚で銀貨1枚という感じだ。

(はぁ~。今考えても頭が爆発するだけだ。とりあえず行こう)

実際に歩くと15分位だが、俺は素早さが高い、しかもチーターの能力を足に付ければ1分位だろう。そう思い、能力を付けた。この能力を翔太は『エンチャント』と言った。


「止まれ止まれ止まれーー!!!」

あまりの速さにビビり、ブレーキをかけるのが遅くなり、慌てて足でブレーキをかけるが、間に合わず正面にある木にぶつかってしまった。

「いてぇー」

気づいたらサウシャーナは目の前にあった。

(おっあそこにいるのは門番かな?)

「すいませーん」

「ん?」

門番のように門の前に立つ人に話しかける。全身鎧で、強そうだ。もっとも、俺ほどじゃないけど。

「何だお前、旅人か?」

違うが、話を合わせることにした。その方が怪しまれずに入れるからだ。

「何だその服、見たことないな」

(ヤベっ!このことすっかり忘れてた、なんとか言い訳しなきゃ)

「こ、これは。戦闘中にいきなり魔法かなんかで変な服に変えられちゃったんですよ。ハハッ...」

話を聞いていたと思われる、隣にいた人が話しかけてきた。

「確かにそんな魔法あるっていう噂を聞いたことがある。もしかしてそのことなんじゃないか?」

(え、あるの?!)

「うーん。なるほどな、見るとダサいしな」

(ダサいって......ひどい。これでも頑張って選んだ方何だぞ...)泣

「そ、そうなんですよー。この町って冒険者がたくさん集まるらしいじゃないですか?なので俺、あ、いや僕、冒険者登録しようかなぁなんて......」

(うん。本当のことだ)

「分かった。入っていいぞ」

「ありがとうございます」

そして導かれるままに入っていった。

(うわー。緊張したーー)

(それにしても人が多いな)

それはそうだ。なぜならここは冒険者が世界一集まる町なのだから。そしてそれを聞いて、依頼者がギルドに依頼を持ってくる。さらに、いい依頼を求める冒険者たちがどんどん集まっていくうちにサウシャーナは、大きな町となっていったのだ。

「さてと、まずはこの服をどうにかしないとなぁ」





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