俺の妹が知らぬ間にネットでグラドルやってたんですけど

青キング

第3話なぜ中高生は熟女グラドルには興味が薄いんだろう?

RIRUのブログに挙げられている画像はどれを見ても、俺の目には妹以外の人物は映らなかった。
この画像を直接妹に見せつけて問いただせば、観念して自分から話し出すかもしれない。
そう考え俺はスマホで妹だと一目でわかるRIRUの画像を保存して、再び階段を駆け上がった。
「おーい、聞きたいことがあるんだが」
前回の失敗を踏まえ、今回は柔らかくノックして呼び掛ける。
部屋の中にいるであろう妹は、うんともすんとも返事をしない。
しらを切る気か? ならばズルしているようでやりたくなかったがやむを得んな、と次の策を敢行しようと大きく息を吸ったその時、玄関でドアの開く音が聞こえた。間の悪さに舌打ちして渋々俺は玄関に向かった。
「ただいまー、お母さん今日早く帰れましたー、ふふっ」
インターホンを鳴らさない予期せぬ客人、のわけはなく予期せぬ早帰りの母親でした。
出迎えた形となった俺に、淡い白のチュニックを身に纏う母はいつにない含み笑いを向けてきている。これは何か言い出すぞ。
「お母さん今日は機嫌が良いから、夕飯にりくとの好きな物なーんでも作ってあげる。良かったら大人のデザートもりくとの部屋にもってってあげる」
また出た、大人のデザート。隠語の内容を口にするのは少々近親相姦にあたる可能性が高いので伏せておこう。
俺はおかえり、とにべもなく言って、階段に足を掛ける。
「りつなは部屋にいないわよ」
「え?」
立ちどころに母を振り向く。妹が部屋にいない?
「さっきメールが来たんだけど『友達の家に遊びにくいくから帰るの遅くなる』だそうよ」
「マジかよ、想定外だ」
さてはあいつ、密かにグラビアやってるのを白状させられるのが嫌で逃げ出したな。往生際が悪いな。
「りつなに用でもあったの? お母さんが 代わりにニーズに応えてあげるけど」
「あいつに用があったのは確かだが、ニーズって何の事だ?」
尋ねると母は唇に人差し指を添え、艶やかな伏し目でこちらを見て答える。ゆるいチュニックを着ているのに少し母の胸が揺れた。妹は母の遺伝子を受け継いでるってことか。
「知ってて聞くのね、りくとのエッ……」
「しかしなぁー、お母さんに聞きたいことがあるんだよー」
俺は努めて大声を張り上げ母の台詞を断ち切る。
「聞きたいこと?」
「りつなについて」
「そう、でりくとは何を聞きたいの? りつなの体重とスリーサイズ?」
「ちげぇよ。何で母さんはそういう方向にいつも話をもってくんだよ」
「知りたくないの?」
悪戯っぽい笑みを浮かべて母は言う。
うーん、知りたくないわけではない。でも今聞くもんじゃないよな。
「母さんは知ってるのか?」
あれぇ、口が思ったことと違うことを発してる。おかしいな?
「ふふっ、もちろんよ娘だもの。なんだって知ってるわ」
「じゃあ、これも知ってるのか?」
ちょっと得意気に笑う母に、俺はスマホのディスプレイで妹の例の画像をつきつける。
見せられた直後目を見開いたが、すぐに嬉しそうに細まる。
「まさか、あの子がね。これグラビアでしょ?」
「ああ、自身のブログに載ってたやつだ。RIRUっていう名前で活動してるみたいなんだ」
妹の本人の意思など構わず言ってしまったが、悪いことをしたと思う。
「悪いことしたって思ってるわね?」
母には見透かされていたらしい。家族だから伝えないといけないような気がしたんだ。
母は穏やかに微笑む。
「やっぱり親子なんだね」
「どういうことだ?」
合点がいかない俺に、母は人が変わったように目尻を吊り上げて人差し指を立て忠告してくる。
「いい、りくと。りつなの前でこの事を口にしちゃ。りつなが機嫌を悪くするから」
「ああ、わかった。知らなかったことにしとく」
「お母さんがあの子をに直接聞いてみるから、心配しないで」
任せない、とばかりの真剣な眼差しで母はそう言った。

















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