最強になって異世界を楽しむ!
魔剣
明日から諸事情のため1週間ほど更新できなくなります。
読んでくださっている人ごめんなさい。
目が覚めると、ワタルはテントの中にいた。
隣を見るとエレナが寝ており、起き上がろうとすると脇腹に鋭い痛みが走る。
「起きたか。調子はどうじゃ?」
「マリー、俺は……」
状況が理解できず、テントへと入ってきたマリーにどうなったのか聞く。
「ここはあの廃墟から離れた場所じゃ。お主がノクターンを倒したあとエレナの治療を終えてのう。お主を治療して2人をここまで運んだのじゃ」
「そっか、勝ったんだよね」
マリーの説明を聞き、記憶が蘇る。
ノクターンとの激闘を制したワタルは、疲れと痛みからしまっていた。
「まだ安静にしておれ。右の肋骨が全部折れて内蔵に傷も入っていたんじゃからな。放っておいたら死んでおったぞ」
「治療大変だったよね。ありがとう、マリー」
「アホ、本当に大変だったのはお主じゃろ。幹部と1対1で戦い、さらには討伐までしてしまったんじゃからな」
「俺1人じゃないよ。3人でやっと討伐できたんだ」
マリーの援護がなければワタルはノクターンに簡単に殺されていただろうし、エレナの粛清剣がなければノクターンを倒すことは不可能だった。
この勝利はワタル1人ではなく、パーティ3人の功績なのだと胸を張って言える。
「そうじゃな。わしら3人揃ってこその手柄じゃ」
マリーも納得したようで、満面の笑みでそう言ってワタルの隣に座る。
それからワタルとマリーが話をしていると、エレナが目を覚ましたようで起き上がる。
エレナへ状況を説明すると、勝ったことを飛び上がって喜び、治りきっていない腹を抑えてうずくまるなどの出来事も起きながら、3人で勝利の余韻を楽しんだ。
「夜が明けたな。2人とももう動けるじゃろう?」
「うん、大丈夫」
「問題ない」
話しているうちに夜が明け、日が昇り始める。
早く王都に戻る必要があるため、テントを畳みすぐに3人は出発する。
***
帰りはマリーが中心となり魔物を倒し、夕方に無事に王都までたどり着くことができた。
まずは報告のためギルドへと向かうと、既に人気は少なく受付から3人の姿を見たリナが駆け寄ってくる。
「皆さん、お帰りなさい。無事で何よりです」
「リナさん、依頼達成しましたよ」
「本当ですか! すごいですよ、快挙です!」
「あの、それなんですけど、討伐したパーティは不明ってことにしてもらえませんか?」
幹部の討伐という事実に興奮を隠しきれないリナへ、ワタルはそう言って事情を話す。
これは3人で話して決めたことで、幹部討伐で話題にされるといろいろと面倒なことになり、今までほど自由に動けなくなるため討伐したことは隠そうということにした。
パーティの3分の2が人間じゃないというのもまずい。
「そういう事でしたら、私がギルドマスターと話してそういうことにします」
リナに納得してもらい、依頼達成の報酬を受け取る。
その金額は20年は遊んで暮らせる大金で、そのお金で住んでいる家を買うことにした。
それから、すぐにワタルとエレナは治療のため、回復魔法の使い手が揃う教会へと向かった。
マリーの治療もあってか3日後には完治すると言われ、3人は3日間買った家でのんびりと過ごすことになった。
***
「俺の武器がなくなったんだよね」
4日後、傷も癒えて家で朝食を食べていたところで、ワタルが口を開く。
「壊されたんじゃったか?」
「うん、粉々にされた」
「ならば、今日はエリヤにワタルの武器を作ってもらいに行くか」
ワタルの武器がないのは深刻な事態のため、今日の予定をエリヤの鍛冶屋へと行くことにした。
朝食を食べ終え、私服に着替えると3人はエリヤの鍛冶屋へと向かう。
「悪いな、材料がないと武器は作れない」
鍛冶屋でワタルを待っていたのは、エリヤの無理だという言葉だった。
「普通の鉄なんかで作ってもいいんだが、それで作っても長持ちはしない。オススメできないな」
「そうですか……」
討伐達成の証明としてノクターンの腕は持って帰ったが、それは研究のためギルドに渡している。
3人は武器の素材となるものを持っておらず、武器を作ることはできない。
「作ることはできないが、面白い情報ならあるぞ」
「面白い情報ですか?」
「ああ。昨日までギルドで盗賊団の討伐依頼が出てたんだが、その盗賊団のアジトに魔剣が隠されているって話を聞いた」
「魔剣、ですか」
「そうだ。なんでも、人格の宿った魔剣なんだとよ」
エリヤの話を詳しく聞いたところ、数日前から盗賊団の討伐依頼というものがギルドの掲示板にあるらしく、ある冒険者パーティがその依頼を受けたらしい。
ウィケッド盗賊団という名前の盗賊団は実力は大したことなく、依頼を受けた冒険者パーティでも問題なく討伐できる予定だったらしい。
たが、冒険者パーティは惨敗し命からがら逃げ出してきた。
その様子をおかしいと思ったリナが別室で話を聞いたところ、冒険者たちは盗賊団は全員倒れており、雷を操る大男にやられたと答えたそうだ。
「それで、事態を重く見たギルドはその依頼を取り下げて、依頼を頼める冒険者を探しているんだとよ」
「それのどこに魔剣の要素があるんです?」
「依頼を受けた冒険者パーティの1人が、大男の背後の奥に剣が刺さっているのを見たんだとよ。俺の知り合いに魔剣に詳しいやつがいるんだが、そいつがそれは魔剣だって言い張るんだ」
「信憑性は?」
「俺の知り合いに嘘をつくやつはいない。それに、気になるだろ?」
魔剣という言葉はワタルの心をくすぐり、こんなことを聞いてはいるがワタルの中ではその魔剣を取りに行こうと決めていた。
「あのさ、2人とも」
「言わずともよい。その魔剣を取りに行くんじゃろ?」
「ワタルが行くというのなら、私たちも付き合おう」
「ありがとう」
エレナとマリーはワタルの願いを受け入れ、3人でその盗賊団のアジトへ行くことを決めた。
「よし、決まりだな。リナに言えば依頼を受けさせてもらえると思うぞ」
「エリヤさん、ありがとうございました」
「おう、気を付けて行ってこいよ」
エリヤに礼を言って別れ、ギルドへ向かう。
お昼時ということもありギルド内は忙しそうだったが、リナはワタルたちを見つけると時間を作ってくれたようで手招きする。
「どうしました?」
「昨日取り下げられた盗賊団の討伐の依頼を受けに来ました」
「エリヤに聞いたんですね。私エリヤにしか話してませんし」
誰がワタルに依頼のことを言ったのか一瞬で見抜くと、リナは依頼の説明を始める。
「エリヤから説明は受けてると思いますが、依頼は盗賊団アジトの調査及び怪しい存在の討伐に変わっています。敵の戦力は未知数なので、調査だけでも構いません」
「わかりました」
「まあ、目的は魔剣なんでしょうけどね。場所は王都の南門から出て2日ほど歩いた洞窟です。怪我はしないでくださいね」
「はい」
依頼を受けると出発を明日にし、家に帰って3人は各自準備をする。
「ワタル、それは?」
「俺の1番最初に使ってた武器。何も無いのは困るからね」
「シンプルな剣と盾じゃな」
ワタルが自室の奥から引っ張り出してきた女神からもらった剣と盾、それを下で手入れする。
自分専用の武器、というものに憧れシンプルな見た目のこの剣と盾は使っていなかったため、埃をかぶって斬れ味も落ちているかと思ったが、刃こぼれどころか傷一つない。
女神はワタルにこの剣と盾の特性を言っていたが、それはすっかり忘れてしまっていた。
冒険者カードを見てステータスとスキルを確認し、3人は就寝するのだった。
ワタル Lv.281
ステータス
筋力:772
技量:601
敏捷:563
耐久:693
魔力:355
スキル
女神の加護
召喚【デスペリアスライム】
召喚【アンデッド】
守護
エレナ Lv.18
ステータス
筋力:236
技量:261
敏捷:1593
耐久:209
魔力:26
スキル
人狼
加速
瞬間的な敏捷の倍増
マリー Lv.8
ステータス
筋力:61
技量:130
敏捷:76
耐久:86
魔力:2102
スキル
収束
賢者
読んでくださっている人ごめんなさい。
目が覚めると、ワタルはテントの中にいた。
隣を見るとエレナが寝ており、起き上がろうとすると脇腹に鋭い痛みが走る。
「起きたか。調子はどうじゃ?」
「マリー、俺は……」
状況が理解できず、テントへと入ってきたマリーにどうなったのか聞く。
「ここはあの廃墟から離れた場所じゃ。お主がノクターンを倒したあとエレナの治療を終えてのう。お主を治療して2人をここまで運んだのじゃ」
「そっか、勝ったんだよね」
マリーの説明を聞き、記憶が蘇る。
ノクターンとの激闘を制したワタルは、疲れと痛みからしまっていた。
「まだ安静にしておれ。右の肋骨が全部折れて内蔵に傷も入っていたんじゃからな。放っておいたら死んでおったぞ」
「治療大変だったよね。ありがとう、マリー」
「アホ、本当に大変だったのはお主じゃろ。幹部と1対1で戦い、さらには討伐までしてしまったんじゃからな」
「俺1人じゃないよ。3人でやっと討伐できたんだ」
マリーの援護がなければワタルはノクターンに簡単に殺されていただろうし、エレナの粛清剣がなければノクターンを倒すことは不可能だった。
この勝利はワタル1人ではなく、パーティ3人の功績なのだと胸を張って言える。
「そうじゃな。わしら3人揃ってこその手柄じゃ」
マリーも納得したようで、満面の笑みでそう言ってワタルの隣に座る。
それからワタルとマリーが話をしていると、エレナが目を覚ましたようで起き上がる。
エレナへ状況を説明すると、勝ったことを飛び上がって喜び、治りきっていない腹を抑えてうずくまるなどの出来事も起きながら、3人で勝利の余韻を楽しんだ。
「夜が明けたな。2人とももう動けるじゃろう?」
「うん、大丈夫」
「問題ない」
話しているうちに夜が明け、日が昇り始める。
早く王都に戻る必要があるため、テントを畳みすぐに3人は出発する。
***
帰りはマリーが中心となり魔物を倒し、夕方に無事に王都までたどり着くことができた。
まずは報告のためギルドへと向かうと、既に人気は少なく受付から3人の姿を見たリナが駆け寄ってくる。
「皆さん、お帰りなさい。無事で何よりです」
「リナさん、依頼達成しましたよ」
「本当ですか! すごいですよ、快挙です!」
「あの、それなんですけど、討伐したパーティは不明ってことにしてもらえませんか?」
幹部の討伐という事実に興奮を隠しきれないリナへ、ワタルはそう言って事情を話す。
これは3人で話して決めたことで、幹部討伐で話題にされるといろいろと面倒なことになり、今までほど自由に動けなくなるため討伐したことは隠そうということにした。
パーティの3分の2が人間じゃないというのもまずい。
「そういう事でしたら、私がギルドマスターと話してそういうことにします」
リナに納得してもらい、依頼達成の報酬を受け取る。
その金額は20年は遊んで暮らせる大金で、そのお金で住んでいる家を買うことにした。
それから、すぐにワタルとエレナは治療のため、回復魔法の使い手が揃う教会へと向かった。
マリーの治療もあってか3日後には完治すると言われ、3人は3日間買った家でのんびりと過ごすことになった。
***
「俺の武器がなくなったんだよね」
4日後、傷も癒えて家で朝食を食べていたところで、ワタルが口を開く。
「壊されたんじゃったか?」
「うん、粉々にされた」
「ならば、今日はエリヤにワタルの武器を作ってもらいに行くか」
ワタルの武器がないのは深刻な事態のため、今日の予定をエリヤの鍛冶屋へと行くことにした。
朝食を食べ終え、私服に着替えると3人はエリヤの鍛冶屋へと向かう。
「悪いな、材料がないと武器は作れない」
鍛冶屋でワタルを待っていたのは、エリヤの無理だという言葉だった。
「普通の鉄なんかで作ってもいいんだが、それで作っても長持ちはしない。オススメできないな」
「そうですか……」
討伐達成の証明としてノクターンの腕は持って帰ったが、それは研究のためギルドに渡している。
3人は武器の素材となるものを持っておらず、武器を作ることはできない。
「作ることはできないが、面白い情報ならあるぞ」
「面白い情報ですか?」
「ああ。昨日までギルドで盗賊団の討伐依頼が出てたんだが、その盗賊団のアジトに魔剣が隠されているって話を聞いた」
「魔剣、ですか」
「そうだ。なんでも、人格の宿った魔剣なんだとよ」
エリヤの話を詳しく聞いたところ、数日前から盗賊団の討伐依頼というものがギルドの掲示板にあるらしく、ある冒険者パーティがその依頼を受けたらしい。
ウィケッド盗賊団という名前の盗賊団は実力は大したことなく、依頼を受けた冒険者パーティでも問題なく討伐できる予定だったらしい。
たが、冒険者パーティは惨敗し命からがら逃げ出してきた。
その様子をおかしいと思ったリナが別室で話を聞いたところ、冒険者たちは盗賊団は全員倒れており、雷を操る大男にやられたと答えたそうだ。
「それで、事態を重く見たギルドはその依頼を取り下げて、依頼を頼める冒険者を探しているんだとよ」
「それのどこに魔剣の要素があるんです?」
「依頼を受けた冒険者パーティの1人が、大男の背後の奥に剣が刺さっているのを見たんだとよ。俺の知り合いに魔剣に詳しいやつがいるんだが、そいつがそれは魔剣だって言い張るんだ」
「信憑性は?」
「俺の知り合いに嘘をつくやつはいない。それに、気になるだろ?」
魔剣という言葉はワタルの心をくすぐり、こんなことを聞いてはいるがワタルの中ではその魔剣を取りに行こうと決めていた。
「あのさ、2人とも」
「言わずともよい。その魔剣を取りに行くんじゃろ?」
「ワタルが行くというのなら、私たちも付き合おう」
「ありがとう」
エレナとマリーはワタルの願いを受け入れ、3人でその盗賊団のアジトへ行くことを決めた。
「よし、決まりだな。リナに言えば依頼を受けさせてもらえると思うぞ」
「エリヤさん、ありがとうございました」
「おう、気を付けて行ってこいよ」
エリヤに礼を言って別れ、ギルドへ向かう。
お昼時ということもありギルド内は忙しそうだったが、リナはワタルたちを見つけると時間を作ってくれたようで手招きする。
「どうしました?」
「昨日取り下げられた盗賊団の討伐の依頼を受けに来ました」
「エリヤに聞いたんですね。私エリヤにしか話してませんし」
誰がワタルに依頼のことを言ったのか一瞬で見抜くと、リナは依頼の説明を始める。
「エリヤから説明は受けてると思いますが、依頼は盗賊団アジトの調査及び怪しい存在の討伐に変わっています。敵の戦力は未知数なので、調査だけでも構いません」
「わかりました」
「まあ、目的は魔剣なんでしょうけどね。場所は王都の南門から出て2日ほど歩いた洞窟です。怪我はしないでくださいね」
「はい」
依頼を受けると出発を明日にし、家に帰って3人は各自準備をする。
「ワタル、それは?」
「俺の1番最初に使ってた武器。何も無いのは困るからね」
「シンプルな剣と盾じゃな」
ワタルが自室の奥から引っ張り出してきた女神からもらった剣と盾、それを下で手入れする。
自分専用の武器、というものに憧れシンプルな見た目のこの剣と盾は使っていなかったため、埃をかぶって斬れ味も落ちているかと思ったが、刃こぼれどころか傷一つない。
女神はワタルにこの剣と盾の特性を言っていたが、それはすっかり忘れてしまっていた。
冒険者カードを見てステータスとスキルを確認し、3人は就寝するのだった。
ワタル Lv.281
ステータス
筋力:772
技量:601
敏捷:563
耐久:693
魔力:355
スキル
女神の加護
召喚【デスペリアスライム】
召喚【アンデッド】
守護
エレナ Lv.18
ステータス
筋力:236
技量:261
敏捷:1593
耐久:209
魔力:26
スキル
人狼
加速
瞬間的な敏捷の倍増
マリー Lv.8
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筋力:61
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コメント
ノベルバユーザー27545
14話あたりを読んでいるところです。女神からもらった武具を使わないのはなぜですか? 理由がわからないので、奇妙に感じます。