これって?ゲーム?異世界?

久留米天狗

第2章 第29話 魔力寄付割引?

第2章 ブラックスマホの伝説
第29話 魔力寄付ドネーション割引?



前回のあらすじ
セーブポイントの事をチェアさんたちに聞く、セーブポイントは冒険者にとってはレベルアップのための更新所的なものだということ、商人は、盗賊に襲われた時の保険の証明的なものだと知る





宿屋の受け付けに鍵を渡す
「お世話になりました、鍵です」

「宿泊代は商人のチェア様から既に頂いております」
「今日のご宿泊はどうなさいますか?」 

「そうですね、今日も同じ部屋をお願いできますか?」

「1泊、(今日の)夕食と(明日の)朝食付きで銀貨4枚になります」

「あっそうだ これ使えますか?」
ポーチから、『宿屋10%割引券』を出した

「はい使えます、ショウリ様、魔力を少し魔力寄付ドネーションしてもらえますと、更に10%引きになりますが?」

魔力寄付ドネーション?」

「最近の、宿屋の施設・設備は魔力で稼働しており、魔力寄付ドネーションをしていただくと割引させていただいております。これは寄付用のパネルです、魔力持ちのお客様から設備、照明や給湯のための魔力を少し寄付して頂いています。」
「給湯に『水』や『火』の属性魔力、照明に『光』、空調に『風』、清掃に『闇』や『無』属性の魔力を使用するので、魔力別の寄付も受付しております、どうでしょう、ご協力お願いできますか?」

「清掃に『闇』や『無』の属性とは?」

「はい、『闇』属性…ダークホールでゴミを吸引します。『無』属性…コーティングで汚れを着きにくくします」

掃除機とワックスみたいなことかな?

「それくらいのことでしたら 協力しますよ」

僕は、パネルに手を乗せ魔力を込めた、全属性100くらいで
(600くらいならメーテルポーション1本分だからいいかな?)
(MP  1800/2400)
「これでいいですか?」

「へっ? え~え~え~全属…(彼女は手で口を抑え 辺りをキョロキョロ その後は小声で) え~1ヶ月分… え~1部屋なら約5ヶ月分 えっ えっ嘘~」
受付の女性はパニクっていた
「な 何か? 問題でも?」

「全属性持ちって見たことも聞いたこともありません!おまけにショウリ様の魔力寄付ドネーション量は、とんでもない量なんです、施設1ヶ月分…こんなこと初めてで…お お体大丈夫ですか?」
他の宿泊客に聞こえないような声で、カウンターに前のめりで谷間を強調するような体勢で話す立派な物をお持ちの彼女

「えっはい、大丈夫です ギルドに行ってきます」
デカ過ぎ じゃない やり過ぎた? 僕は、そそくさと宿屋を出てギルドへ向かった
あっ!宿代払ってない…割引券は渡してたし戻ってきてからでいいかな?たぶん
ショウリはそのままギルドへ向かった

※宿屋受付の彼女も冒険者等の個人情報(通称タブー)の保護厳守義務がある※




村の道沿いでは雪掻きをしている人と何やら液体を撒いている人がいた
「あの おはようございます、何をされているのですか?」
側に居た人が良さそうに見えたおばさんに声をかけた

「あ~~(頭の上のエスプリに驚いてます)~~ お おはようございます、いえね、昨晩出たらしいんですよ、だから、聖水を撒いてます」

「出た? 出たって何がですか?」

スピリッツが出たんですよ」

スピリッツ?」

「えぇ、昨晩何人もの目撃者がいまして、村のあちらこちらでスピリッツらしい白い影の目撃情報がありまして、聖水を撒いてます」

それは、僕ですとは言えないショウリだった
エスプリはクスクスと笑っていた

聖水は持ってないから
「あの 雪掻きなら、お手伝いできますよ、(合成魔法 『ストーブ』と『ストーム』で)『熱 風ストーブストーム』」(加減しながら)

「キャッ」「キャッ」
「おぉ~」 (パチン)
僕は通りの雪を魔法で溶かした、エスプリに興味を持ったと思われる寄って来た若い女性達のスカートが捲れたのは不可抗力です、不可抗力、それを見た男性が殴られたのも…

「へっ? はぁ~ すごいね あんた…」
村人から、注目されてしまった

「ショウリは相変わらずだね スケベなところも」
「ち 違う 不可抗力だから~」

「………………… (パクパク)」(@o@)
おばさんだけには聞こえたようで、エスプリが喋ったことは魔法で雪を溶かしたこと以上に驚いていた
 
この後、このおばさんが村中にエスプリの事を喋り回る事など知るよしもなかった



「おはようございます、バカデさん」
丁度、ギルドから出てきたバカデさんに挨拶する

「おっ 来たな ショウリ」
「早いじゃないか 昨日の続きで気になることがある、ここじゃ寒い、中で話そう…それにしても…また派手だな」
バカデさんは、頭の先の先(エスプリ)から足下まで目線をやりそう言った

いつのまにか筋肉痛も楽になり、さっき消費した(寄付と熱風)MPも完全回復していた
あれ?MP回復してる…早くない?

僕とバカデさんは昨日の雑談スペースで
「これは昨日のだ、返しておく…」
皮袋(乾燥肉入り)とメーテルポーションを渡してくれた

「忘れてました。 それで、気になることとは?」
袋をポーチに入れる

「ショウリ お前、スマホに色違いがあるのは解るか? 昨日のスマホは何色だった?」

「袋に入れていたスマホですか? 赤と白と緑の3色でした」

「やはり、緑が見えてたか?」

「え? 緑が見えてたか? まぁ緑ぽく光っていたという方が正しいかもしれませんが」

「あれは、パーティーリーダー『アンクゥ』のスマホだ」
「でも、ミーゼさんに渡すときには白でしたよ 2台とも 処理したからですか?」

「いや、あれは偽物にせもんだ」
「偽物?」

「これが『アンクゥ』のだ」
そう言ってテーブルの上に緑光のスマホを置いた
「そいつは俺にも白にしか見えんが、スマホの所持者、ギルドの機械を使えば緑に見える、後 特別な能力を持つ者には緑に見えるらしい」
「パーティーリーダーのスマホにはメンバーの状況が分かるようになっている、アプリを使えばだが…アンクゥはそのアプリをインストールしていた。だから、緑に光っていた『メンバーの状態異常』を感知してな」

「『メンバーの状態異常』? 死亡…ですか?」

「あぁ これがメンバーの状態だ」
バカデさんはそのスマホとソファーに置いていたタブレットをケーブルで接続しリストを表示した

 ∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴
【アンティクシップ】

アーシ=アンクゥ 〈リーダー〉
レベル: 死亡
H P: 死亡 
M P: 死亡

リストナ=ティガ  〈サブ〉
レベル: 死亡
H P: 死亡
M P: 死亡

シップ=ミーゼ   〈メンバー〉
レベル: ??
H P: 122/122
M P:   1/250

クリュー=クリフ  〈メンバー〉
レベル: 死亡
H P: 死亡
M P: 死亡

 ∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴

「なっ? クリフ 死亡? クリフさんが死んでる? えっ」
(ミーゼさんの 『??』って?)

「じゃぁ 昨日のクリフは何者なにもんだ? 俺が見たクリフは死人には見えなかったが?」

「アンデッド? ですか?」

「その可能性もあるが、村の中で平気なアンデッドヤツらは、たぶんいない、聖水に強いアンデッドなんかいないはずだからな」

「あ 今朝もスピリットが出たとかで聖水撒いてましたね」
(ごめんなさい。夜中にうろうろしてたの僕で~す、心の中で謝罪)

トトマ村ここの土地柄でそれ系統が出やすいから、対策に(聖水を)撒くんだ」

土地柄なんだぁ、だからみんな、あまり気にしてなかったみたいだった(ということにしておこう)

「アンデッドでないなら… 変装?何らかのそれ系スキル?ですか? 誰が? 何の目的で?」

偽クリフやつが誰かはわからん 目的もまだな」

「ミーゼさんの『??』は何ですか?」

「このアプリが判断出来ない状態…MP1が関係している何か? MP回復しない 出来ない状態異常?」

「『呪い』 ですか?」
ゲーム等にこういうアイテムもある、そういった現世むこうの知識から聞いてみた

「いや、呪いなら、『呪い』の表示が出るはずだし、トトマ村ここで聖水で清められた土地でミーゼ呪われた者が平気なのもそれを否定している」

「ここはやはり、(偽)クリフさんに直接聞かないとダメですかね?」

「そろそろ2人も来る頃、それしかあるまい…協力 頼めるか?」

「勿論」

僕達は偽クリフ捕縛作戦の打ち合わせをした

バカデさんに僕のスキル能力、『鑑定』(神眼を隠蔽)と『魔法無効マジックデザーブ』(『無の空間ナインラウーム』を隠蔽)を教え
このタイミングでエスプリは魔法を修得していた
魔力譲渡トランスファー、『状態異常回復アヌマリディタ・レフェクティー
僕の筋肉痛緩和と魔力回復はエスプリのおかげだった

この4つを使い、僕が『鑑定』でクリフの正体とミーゼさんの状態を鑑定、『魔法無効マジックデザーブ』でクリフの魔法を無効化(魔法時の対応)、エスプリがミーゼさんに何らかの方法で接触し、『状態異常回復アヌマリディタ・レフェクティー』で状態異常回復後『魔力譲渡トランスファー』を使う が基本的流れ、後は各自の状況判断ということで一応決まった 頃に2人が来た

「筋肉痛が軽くなったのとMP回復はエスプリのお陰かな?」
「うん、ショウリの力になりたくて、そしたら覚えたの… 」
「エスプリは賢いからかな?これで作戦がやり易くなったよ、頼りにしてるよ」
照れくさそうに微笑んだエスプリ

僕はエスプリに同調念話シンクロフォンで連絡し会うことを伝えた


ミーゼ「おはようございます バカデさん、ショウリさん、エスプリさん」
クリフ「おは え? エスプリさん?」

エスプリ「おはようございます、ミーゼさん」

クリフ「え~~~~~ 喋るんですか?このスライム」

エスプリ「ボクの名前は『エスプリ』 このスライムじゃない!」

バカデ「ははははっ そうなるよな 俺もひっくり返った、おはようミーゼ、クリフ」

ショウリ「おはようございますミーゼさんに、初めましてクリフさん、おはようございます」

 自然だよエスプリ、ナイスだよ
僕は、上手くやれるか不安だったがエスプリが僕の緊張をほぐしてくれたし、(偽)クリフに充分すぎるすき**が出来た

クリフ「ミーゼは知ってたのか? びっくりだよ、スラ いや『エスプリ』 さ ん が喋れるなんて…」
「あっ 初めまして クリフです。おはようございます、ショウリさんの服も凄いです、俺も欲しいです」はぁ~
 
(ミーゼ『え? 俺も?』)
クリフは、普段自分の事を『自分』と言っていた、『俺』と言うクリフに驚いていた


さぁ、ここからが勝負ですよ 偽クリフさん
“もしもしエスプリ始めるよ“
【神眼】





残り1819日



〈魔法紹介〉
◆〈無〉◆
魔力譲渡トランスファー
・自分の魔力を接触対象に譲渡することが出来る

◆〈光〉◆
状態異常回復アヌマリディタ・レフェクティー
・身体の状態を正常な状態に回復させる
 「毒」「麻痺」「石化」「火傷」「凍傷」等


~~ 魔力寄付ドネーション ~~
トトマ村の宿屋は6室、1部屋MP4の消費
600÷(4×6)=25×(25/30)=30
600÷4=125÷25=5
      (※1ヶ月25日稼働で計算)

※MP600は、Cランク魔導師3~5人分
※全属性持ちは宿屋受付勤務の彼女も未確認な存在


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