これって?ゲーム?異世界?

久留米天狗

第2章 第22話 レインボースライムか?

第2章 ブラックスマホの伝説
第22 レインボースライムか?




前回のあらすじ

ショウリは『加速』で爆走し、『トトマ村』に着いた。ギルド分長のバカデさんに、護衛の死、盗賊の死を伝え、推理した状況を簡単に説明、討伐部隊は解散した
収納アイテムでみんなを驚かせる
ショウリはバカデに呼ばれ分所へ入る…




バカデ「チェア旦那は荷物のチェックしてくれ、ミーゼは表の連中に討伐は中止、いや済んだと伝え解散させてくれ、ミーゼも もういい、また明日だ、ショウリお前は俺と来てくれ」

バカデさんは、それぞれに指示を出し、僕と分所へ入っていった

バカデさんに連れられ部屋に入った
部屋の広さは四畳半くらい、扉の右にタンス、右奥隅にシングルベッド、正面左奥隅に机、 机の上には数札の本が立てられ、 左の壁にはバカデさんの私服らしい服がかかり、その下に低い棚、机の右側の窓はカーテンが閉められていた…そう寝室だった

「すまんが、ここで話そう」
僕は、椅子を進められ、バカデさんは、ベッドに腰かけた

僕は、椅子に座るのを躊躇ためらいながら立ったまま質問した
「あの~どういうことでしょう?」

「まぁ座れ、分所ここには、部屋は寝室ここしかない」
 (分所には所長室のような贅沢?な施設は無いそうだ)

~~~~~~~~~~~~~~~
分所の見取図は、入り口入って正面にL型カウンター(右の壁まで)、カウンター続きで右側が素材買取りカウンター、買取りスペースの後ろにパーテーションの様なものでしきられた鑑定ルーム的なスペース、その奥は倉庫、倉庫の奥に寝室、通路を挟んで奥から(通路奥は裏口の扉)、地下への階段、地下は牢屋(四畳半くらいの部屋が4つ)、風呂とトイレ、ギルド事務処理部屋、雑談スペース、掲示板閲覧スペースだ

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半時計回りで説明しました
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僕は、椅子に腰かけた
目線がバカデさんより高くなるので、なんだか落ち着かない

「頭の上のは、お前の…カードモンスターか?レインボーモンスターか?」

エスプリへの質問を寝室ここでですか?疑問に思いながら
「はい、僕のカードモンスターというか友達です、でも、レインボーモンスターではありません」
(僕はエスプリはカメレオンスライムだとは言わなかった)

「友達? レインボー(スライム)じゃない…虹…じゃないのか」
バカデさんはエスプリを少し見て、両手の指を絡め顎にあて考えていた

虹…じゃない?  エスプリの話題はこれだけだった

「ショウリ、あの死体、どう思う?」

「はい?(・・;)?」

「あのジョーカーたちの死体をどう思うか と聞いている」

「どう というと?」
僕には話がみえなかった

「そうだな、俺の持つ情報も分析には必要だな…」
情報?分析? 僕、あの推理相当自信あるんですけど……

そう言ってバカデさんは、話し始めた
 「商隊は、商人が4人荷馬車4台、荷物は生活物資、護衛にクラスCのパーティー「アンティークシップ」がついた、各荷馬車に、護衛がそれぞれに1人、先頭の『チェア』にパーティーリーダーの『アンクゥ』(死)、2台目の『ジーム』に『クリフ』こいつは表にいるヤツだ、3台目の『インク』に『ミーゼ』、4台目の『コピー』に『ティガ』(死)、クリフ以外は、Cランクの冒険者だ。
 先頭がアンクゥ、リーダーで槍士で妥当、前後左右に対応が出来る魔導師のミーゼが3台目インクが女性ってのもある、後ろをサブのティガ…残るクリフは2台目、配置的には問題はない。
 商隊は、ダダイヤ赤の街からキンゴタウンへの移動途中、セーブポイントの長岩を過ぎ暫くして、盗賊に襲われた。パーティーのリーダーアンクゥは、盗賊に襲われた時、よくやる交渉術で荷馬車1台を開放、通常、先頭の馬車を開放するんだが、ミーゼの話では、馬がやられた(傷ついた)ため…こいつは盗賊のミスだな馬を傷つけちまった、アンクゥの指示で2台目の荷馬車を使い、商人4人とクリフとミーゼが乗り、目的地のキンゴタウンではなくトトマ村ここを目指して走らせた。トトマ村こっちの方が近いから当然だと俺も思う  ここまでは、いいか?」

「はい」
あそこは、長イスじゃなく長岩なんだ
配置などは、商人さん達とミーゼさん、クリフさんから聞いているらしいし
ここまでは、特におかしいところはない
強いてあげるなら、なぜ戦闘をしなかったか? というくらいか
挟み撃ち?囲まれた?見通しのいい草原で?何か戦闘できなかった理由があるはず

「ミーゼの話だと、キンゴタウンへの別れ道を過ぎた頃に、二人の盗賊が襲ってきたらしい。恐らく、『ダーナル』と『バンガ』だろう…おまけに、ダーナルとバンガは、最初の襲撃現場に居たのに、馬などを使わず追い付いたらしい
 荷馬車に、荷物と6人…速くは走れないが…

 ~ ~ ~ ~ ~ ~
 確かに長岩のところから、襲撃現場も別れ道を過ぎたあたりは草原…回り道などは無い…転移?魔方陣的なものは無かった【神眼】を使って回りを確認しているので間違いないない
 盗賊が転移魔法?考えられない
 じゃどうやって近づいた?気づかれずに…
 どうやって、追い付いた、馬などを使わず…
 ~ ~ ~ ~ ~ ~

 「盗賊のジョーカーの仕事範囲は主にトトマ村こことキンゴタウンの間にある『トトキンの森』、キンゴタウンから出た荷物を襲う事が多い…俺のカンだが、キンゴタウンに内通者がいるのではと思っている。街を出たばかりで食料も多い、品物も新鮮、荷物の内容、護衛のレベル等も解っていれば、メリットが高く成功率も高くなる…なかなか捕まらんし…」

 ~ ~ ~ ~ ~ ~
何回か、囮の商隊を使ったらしいがジョーカー達だけが網にかからなかったらしい
(どこかで聞いたような?見たような?)…よくある設定ですから…
 ~ ~ ~ ~ ~ ~

 「だが、今回は、ダダイヤ草原での襲撃…護衛もCクラスのパーティー『アンティークシップ』…魔法が使えるミーゼがいる、盗賊が一番避ける攻撃系の魔導師だ…クリフの話では、突然矢の攻撃をアンクゥとティガが受け、既に囲まれていて、仕方なく交渉したらしい、その後は分からないらしい、そして、ダーナルとバンガに襲われる…クリフが囮になり、ミーゼ達を逃がし、その後、クリフは無事にトトマ村ここへ着いた、話の中でも、死体を見ても魔法の痕跡がない おかしいと思わんか?」

 ~ ~ ~ ~ ~ ~
 僕は、この世界に来てまだ日が浅い(8時間程)、殺人現場なんか現代の日本ではまず経験することは無いだろう、魔法を使った殺人なら尚更、遠距離からの方が安全かつ効率がいいはず、剣より威力も高いはず、現代でも『銃』などを使うのだから
 盗賊は2人なのに、ミーゼさんは魔法攻撃をしなかった、最初の襲撃現場では、回りを囲まれたらしいから、攻撃しにくかったかもしれない、2回目の襲撃の際なぜ使わなかった?…いや、使えなかった、魔力切れ?いや、メーテルポーション(回復アイテム)を使えばいい、使う時間はいくらでもあった、アイテムがなかった?移動中に少しは回復したはず…と言うことは、理由は、わからないが、恐らくミーゼさんは、襲撃された時、魔法が使えかった…自分の意思で使うことが出来ない?結界的な…草原で?盗賊が?
 盗賊は魔法使いを避ける…魔法封じが簡単ならそういうことはない…スキル?特技?魔法?魔道具?
 経験不足、知識不足、情報不足…足りないものが多すぎる…結論を出すには早すぎた、まだ事件は終わっていない

※※※※※※※※※※※※
これって推理物でしたか?おかしいなぁ…ベクトルが僕の意図していない方向に向いている ような…
母さん、推理もの好きだったなぁ… 火曜なんちゃらとか見てたし…(-_-;)
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「すいません、整理していいですか?」

「なんだ?」

「まず、盗賊ジョーカーはダダイヤ草原ではあまり仕事をしない」
「あぁ」

「その理由は、隠れる場所が少ない…奇襲が出来ない から」
「そうだ、気づかれれば『逃げる』、『(護衛側の)攻撃準備が出来る』、『魔法や弓で遠距離攻撃される』…襲撃に成功することが出来ても、全滅させなければ逃走経路もバレバレ、盗賊側に不利、護衛側が有利…特にジョーカーが草 原あんなところで襲撃するとは考えられん」

「ということは、草原あそこでも『アンティークシップ』が護衛してても、成功する自信があった?」
「理由は、わからんが、失敗するより成功の確率がかなり高かった…ジョーカーだから勝算がなければ動かやらんな」

「荷馬車4台(商人4人)護衛4人を盗賊6人で襲って成功する確率は?」
「最悪だな、魔導師ミーゼもいる、返り討ちが関の山だ」

「それなのに、『アンティークシップ』は反撃せず?出来ず?、荷馬車1台開放する交渉をし、その後、襲撃された」
「俺は、交渉後、ミーゼ達が気づかない距離で魔物に襲われた と、考えている」

「あっ魔物の襲撃はジョーカー側には想定外だった、いや、アンクゥさんにも、アンクゥさんと、ティガさんはミーゼさん達を逃がした後、反撃するつもりだった?荷馬車1台は諦め、2台を取り返すつもりだった?」
「俺もアンクゥならそうするだろうと思う」

「そういう作戦?で、ミーゼさんと、クリフさんを護衛に付け、先にトトマ村へ向かわせた」
「ミーゼを商人の護衛にしたのは、盗賊も、あいつらだけじゃない、魔物もいるしな」

 ~ ~ ~ ~ ~ ~
だから、ミーゼさんは、2人が死んだことにあれだけ取り乱したのか…

ミーゼさんは、襲撃された時、魔法が使えなかったのではなく、ジョーカー達に魔法が使えなかった可能性が出て来た、ジョーカー達から離れれば、魔物や他の盗賊から商隊を守れた、だから、ミーゼさんを逃がした?
まだ、なにか足りない気がする
 ~ ~ ~ ~ ~ ~

「盗賊は、毒矢をつかいますか?」
「ジョーカーは使っていた、火矢は荷物をやるから使わんが、麻痺や毒なら効率が上がるからな」

「毒矢は森の中などで隠れての奇襲に使いますよね?」
「見通しのいい場所で、ミーゼの様な魔法使いがいたら、矢が届く前に落とされちまう、ミーゼは風使いだ、矢を落とす事など造作もないレベルだ」

「ということは、やはり、ミーゼさんが離れた後にも毒矢を使った可能性が高いですかね」
「だな、『アンクゥ』『ティガ』とも複数の矢の跡があった、そんなに複数の矢なら、商人や荷物に矢の跡があってもおかしくない」

「盗賊のイエロは全身が変色してましたがどんな毒か解りますか?」
【神眼】を使えばたぶん僕にも解るだろうが…
「あれは、『二尾毒ネズミ』だろうが…」

「イエロが『二尾毒ネズミ』に襲われ毒を受けた なら、他の者は毒を受けなかった、対処とかは?」
「ん、毒消し草があれば対処可能だ、先に使っても体に回るのが遅くなる、複数回噛まれても死ぬことは無くなる、だが、イエロには、そんな噛まれキズは無かった、1噛みくらいでは死ぬことはない」

「『二尾毒ネズミ』の毒は、噛まれないと侵されないということですか?」
「牙に弱毒を持ってるからな」

「その毒を矢または剣に塗っていた?ということでしょうか?」
「そういう使い方もある、盗賊が使ったってなら解るが…」
矢の跡は無かったが、毒を使ったのが護衛?同士討ち?

「盗賊達の荷物には毒付きは無かったと思います。毒矢以外の毒の反応は襲撃現場にはありませんでした、その毒矢も痺れ薬でしたし、持っていた者がその場に居なかったら反応は出ませんが…その毒付を現場以外で処分したのか?」
「『鑑定』系も持ってたか…盗賊の一味でも無さそうだな…」

「えっ?」
「他の連中はどうか知らんが俺の眼は誤魔化せん、襲撃現場から、トトマ村ここまでどれくらいあると思う?」
あっ…僕は速すぎる…

「顔に出すぎだ…頭はいいようだが」
「モンスターのカード化、『収納アイテム』『移動系』に『鑑定系』の能力持ちで、喉が渇いたと『メーテルポーション』を飲み、人前で設定変更をする駆け出しの未登録者…ギルド分長としては、これ以上はタブーに引っ掛かるから、詮索は止めておこう…お前の事はここまでにしよう」

僕が動揺から言葉を失っていると

「ショウリをいじめるな」
エスプリがしゃべった…幼稚園児のような声で

ドン! ベキッ
バカデさんは、驚きのあまりベッドに倒れ込むと後頭部を壁に思いっきりぶつけた、壁板にヒビが入った

「グッ しゃ 喋るのか? そいつ」
バカデさんは、頭を押さえながらそう言った

「そいつ じゃない!ボクには、ショウリに付けてもらった『エスプリ』って名前があるの!」

「エ エスプリ…いたたたっ」
バカデさんは、頭を押さえながら起き上がった

「ふん、いいきみ」
エスプリは、ピョンと頭の上で90℃程左に回って(感じた)、そう言った
(エスプリが普通の女の子なら、首だけを動かす仕草的なことをショウリは思った)

「こ こいつは、たまげた」
バカデさんは、頭をさすりながら言った
エスプリの仕草に驚いたのか喋った事に驚いたのか?

ドタドタドタドタ

「何かあったのですか? 大丈夫ですか?」
商人さん達がバカデさんの壁に突っ込む音に何事かとやって来たみたいだ

バカデさんは、ドアを開けた
「大丈夫だ 何でもない」
頭をさすりながら答える

「そうですか すごい音がしたもので」
そう言ったのは、コピーさん
バカデさんは、笑って誤魔化した

「それと、品物の検品終わりました」
そう言ったのはジームさん

「ショウリ、裏庭に行こうか、続きは後でだ」

「あっ はいっ」
僕は、バカデさん達と裏庭に行った


チェア「あ バカデさん、品物の検品終わりました」

ジーム「諦めていた商品が戻ってきたのには驚きました」

コピー「荷馬車も少し直せば使えそうで…いや~助かりました」

インク「品物は全部じゃなかったのですが、ほとんどが無事で…感謝します、え~と、ショウリさんでしたね?ありがとうございます」

ショウリ「えっ?全部じゃない?」

チェア「はい、銀箱と銅箱2個が見当たらなくて…」

「あるよ」
頭の上のエスプリが答えた…

「「「「え~ あるの?」」」」
商人さん達が同調しハモっ
エスプリがしゃべった事に驚いた…ですよね(--;)

僕は、ポーチから、それらを出した
「あ あります、すいません…忘れてました」
適当に誤魔化す
チェアさん以外の商人さんは、収納にも驚いていた

チェア「これです、品物は全部揃いました。このお礼は、必ずしますので、いや~本当に感謝します、ありがとうございます」

荷物回収のお礼は、キンゴタウン納品後に支払ってくれることになった

僕は、例の事を確かめたく【神眼】を使った

商人達の感情の色別(テスト)、荷物のチェックをしていた
内通者の疑惑、エスプリの転移の原因を探るために

商人さん達は白か、荷物は特別なものは無し、やはりこの中にも無いか…





残り1820日



【神眼】
・特技『千里眼』の上位スキル(遠くの物を見ることが出来る)
・特技『鑑定』の上位スキル(それが何かを判断出来る)
・『隠蔽』しているものを見破る。
・『罠』を識別出来る。
・『感情』の視化(体から出るオーラの識別、嘘や悪意:黒、好意:ピンク、怒りや敵意:赤、安定:青…等)
・特技『診断』の上位スキル(病気を診断出来る)
・特技『解読』の上位スキル(暗号等特殊文章も読める)
・特技『解析』、『分析』の上位スキル(材料等構造が解る)
・特技『透視』の上位スキル(壁などの阻害物の透視できる)


〈作者の呟き〉
6500文字オーバー…予定の2話分…筆が進む?書きたいことが多い、纏めきれない?作力不足でごめんなさい


フォロー、いいね ありがとうございます
感想・誤字報告等ありましたら一言お願いします

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