【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(154) 計画は完璧だった?

(154) 計画は完璧だった?



時間が戻って

13月27日 17:00過ぎ

とある場所、詳しくは言えないが
ネプトティス領、領主プランテ・ダ・ダフト・ネプトティス白爵しろしゃく邸の斜向はすむかいのネプトティスの文官『エヴル=マシーコヨー』が住む屋敷の隠し部屋

エヴル家はマシーコヨーの父、エヴル=テターコヨーの代から50年、ネプトティス領主に支える文官の家柄

エヴル=マシーコヨーは、ネプトティス領を我が物にするべく、コツコツと策を講じていた

文官に就く前から、コツコツと

冒険者ギルドが出来てから、冒険者として暫く活動した時期もある
あくまで自分が領主に、なったときのために良い人を演じていた。

 ~ ~ ~ ~ ~ ~
そんな経験がネプトティス卿の耳にも入っていて、あまり知られていない冒険者ギルドの内情をグフトじいちゃんがそれなりに知っていた
 ~ ~ ~ ~ ~ ~

生まれも育ちもネプトティスの町、真面目で優秀を装い
いずれは、領主になることを子供の頃から夢見ていた

高齢のネプトティス卿がローラ夫人と結婚した時も、料理に細工
子供跡継ぎが出来ないようにしていた
ネプトティス卿が病弱なのも料理に細工していたから

結婚した当初、ローラは綺麗で痩せていた。
マシーコヨーは、ローラを狙っていた

ネプトティス卿が死ねば、ローラと結婚して、ネプトティスの領主に…とまで考えたこともあった

しかし、子供が出来ないように細工した料理は、ローラの体型を変えた

マシーコヨーは、ぽっちゃり体型がとても苦手、結婚を諦めた

二人を亡き者にすることに変更した

また、計画が変わった

メガクラームが養女になったのだ

魔王様の側室、特別待遇で、メガクラームが次期領主候補?
目が眩む程の容姿のメガクラームでも、魔王の側室では結婚も出来ない
かと思えば、プルクラーム(ビューティー)が生まれ、プルクラームが、領主候補となる

計画変更。
なら、プルクラームと、結婚すれば、マシーコヨー自分が、領主になれる


何度も計画の変更を余儀無くされるものの、
『子供は出来ない』
『跡継ぎ予定のプルクラームは行方不明』
『世間的には好印象的存在』
と、順調に事は進んでいた

プルクラームが成人し、母にも劣らず、目が眩む程の女性に成長

結婚すれば領主になれると思っていたマシーコヨー

かと思えば、プルクラーム(ビューティー)は、結婚相手を自分で探すと、家出。
『探さないで』と書き置きまでして


帰ってきたと思えば、プルクラームがだいすけ人族と結婚しキュート子供までつくって戻って来た


だいすけ人間が領主?

人間の分際で…マシーコヨーには他種族、得に人間を軽視する差別思考があった
魔族のプライド、領主に相応しいのは自分だという顕示欲があった


マシーコヨーは、理性を失った

計画変更のストレスが蓄積されていた、許容の範囲を越えてしまった。
怒りの感情が、マシーコヨーの、冷静さを失わせた


この機会を逃すと領主になれなくなるのではと…
 ネプトティス卿が魔都『アルティスバーナ』に行く
魔王様と謁見にでもなれば
だいすけ人間が領主に?…焦らせてしまった
どんな手を使っても、 魔都には行かせない、領主には自分がなるのだと


マシーコヨーは、冒険者ギルドをよく利用していた
良い文官を装うため、金で動く優秀で口の固い人材をチェックしておくため
後から脅迫されないような性格の冒険者を見つけるため。
自分が領主に、なった時スキャンダルにならないように
全て計画通り完璧に積み上げていた


詳しくは言えないが、コツコツと情報と信頼を積み重ねていた
全て、自分が領主になるため

町民からも、冒険者からも信頼を積み重ねていた
自分が領主に、なったときのために


それなのに、だいすけ人間が邪魔をした


今まで情報を集めてから、行動していたマシーコヨーだが、今回は時間がない
 ネプトティス卿たちを魔都『アルティスバーナ』に行かせたくなかった
だいすけを許せなかった
ビューティーを許せなかった


だいすけ達の抹殺を迅速に計画、迅速に実行、迅速に依頼した


詳しくは言えないが、魔都『アルティスバーナ』へ向かう街道に冒険者10人が待ち伏せさせ、暗殺を企んだ


そこは、マシーコヨーが万が一に備え襲撃に適した場所
魔物も出る、盗賊も出る、魔都『アルティスバーナ』へ向かう者はよく通る

そこで襲われても、盗賊や魔物のせいに出来る場所
計画は完璧だった


詳しくは言えないが、雇われた暗殺者一同の会話

「金は前金で貰っている」
「ここを通る、変わった馬に引かれた変わった馬車に乗る、人間と同乗者を始末して、それを盗賊や魔物のせいに隠蔽する」
「依頼主の言うには、10人もいれば達成出来る仕事だとか」
「門を通れば知らせが来る」
「それまでここで待てばいい」
「出てきた魔物は生け捕りにし、仕事の後それを使えば後始末は魔物がやってくれるはず」
「計画は、完璧だな」
「依頼主様々だ」
「アリバイも依頼主が作ってくれる」
「俺達が疑われる事は無いらしい」
「楽勝だな」
笑いが起きる


だが、だいすけ達は転移したので、ここを通らなかった。
(それを知るのは年開けて、だいすけ達が戻ってきてから)


待ちぼうけをする暗殺者一同

待ちぼうけをするマシーコヨー



そんなことを微塵も知るよしも無い、だいすけ達だった





フォロー、いいね ありがとうございます
感想・誤字報告等ありましたら一言お願いします

「【嫌われ体質】自覚したら最強?かも」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く