【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(133) スマホで通話

(133) スマホで通話



「お前はいくらだ?」

帝国通貨を出して聞く

帝国での月の収入は、帝国銀貨100枚(10万円)だと言う
家族四人暮らすのには足りてない

今回の報酬は、3ヶ月で帝国金貨10枚(100万円)、既に帝国金貨3枚の前金を貰っている
残り(帝国金貨7枚)を3ヶ月後に貰える約束

「本当に3ヶ月後に残りの金貨7枚を貰えるという保証はあるの?」
タリアが聞く

何故なら、前金金貨3枚なら、普通に3ヶ月で稼げる金額、帝国側に損はない
ディレクション王国に侵略するとは聞いていないかった、ここに来て、引くに引けなくなっていた

「分からん…契約書はあるが、俺が死んだとき、それを証明する人も居ない、証人が帝国の上級兵だけだったからな」
傭兵たちも帝国上級兵を信用しきれていない

「アメイヤ、彼の家族を『ロケートアイ』してくれ」

「パパ出来たよ」
アメイヤの記憶を覗く

「スパイダー召喚、【転移】、『監視眼モニタリングアイ』、今のお前の家族だ」

「… 何が言いたい」

「もし、今、あの家族が消えて困る様な関係者は居るか?祖父母とか、親戚とか」

「ディレクション王国の家族構成は詳しくは知らんが、帝国で自分の親と暮らしているのは、上流階級、裕福な奴等だけだ」
この言葉に頷く数人の傭兵

「自分に孫が居ることさえ知らん親も多い、結婚している事を知らない事も珍しくない」

「親離れが早いと言うことか?」

「生活が苦しくて、一緒に暮らせないんだ、特に男は成人すると、殆どが家を出て、自分で生きていかなくては成らない」
この言葉に頷く数人の傭兵

「じゃ、金を送っても、その金を狙われる可能性が高いんだな」
この言葉に頷く数人の傭兵

「纏まった金は家族を危険に去らす事になってもおかしくない」

母親と食事をしている所が写し出されている、この映像だけなら、幸せそうだ
食事が粗末な所を除けば…

俺と傭兵の会話に、センター兄、リヤド、タリアが感心して聞いていた。
だいすけが、帝国の事情を知っているかの様な内容に


「俺には、こういう事も出来る」

「【転移】」
スパイダーから転移を発動

家族3人を転移させた

「キャッ」「ママ!?」「えっ!」

「なにっ!」

「ピッカ、オービス、イハン」
「あなた?」「「パパ?」」
感動の家族の再会

だいすけあんたの言う事に従う。 俺はここで家族と暮らす」
「【転移】」
その男の家族を、城の一階、畑のフロアに転移
帝国の家を複製する(勿論新築)

「なっ!」「「えっ!?」」
驚く家族

「第一号の住人だ、ベッドはサービスだ」
ベッドが、無かったので、夫婦用と子供(二階建て)をサービスした


「俺は、まだやることがある、家族への説明は任せる」
俺は、二階バトル場へ転移する


 ~ 傭兵の男side ~
家の中へ入る、テーブルの上には食材が置かれている、柔らかいパン、新鮮な肉、野菜、お菓子

「食事を作り直してもらえるか?」
「喜んで…」
感涙する奥さん(ピッカ)

子供たち(オービス、イハン)もお菓子を食べる
「「美味しい!」」

「食べ過ぎると、母さんの料理が食べられなくなるぞ」
男もお菓子を口にする

「旨いな…」
涙を流す

男は妻の料理を作るところを見ながら、子供たちとお菓子を摘まむ

「パパ、一緒にお昼食べるの?」
「あぁ、これからは、ずっと一緒だ、何処へも行かない」
二人を抱き締める男
その姿を奥さんも見て、涙を流す

男は奥さんの料理を食べながら、この現状、これからの事を話すのだった。
 ~ ~ ~ ~ ~ ~




 ~ だいすけside ~
「待たせたな」

監視眼モニタリングアイ』で、家族の様子を見ている

「家族ごと移住させるなんて…」
タリアが呟く


「俺には、こんなことも出来る、他に希望者は居るか?」

俺は、分身を使い、集合住宅…長屋とアパートを造り始めた
オーグ、竜二(りゅうじ)、竜三(たつみ)も手伝わせる


第二、第三…次々と希望者が名乗り出る

「俺は、一人者だ、恋人も居ない、ここで暮らしたい」
数人の傭兵が賛同

「なら、家を造るところから手伝ってもらおうか」
建設している場所へ転移する
もう一人の俺に驚く
『双子?』
分身が出来る人間が居るなんて事を知らないとこうなる。


俺のことはスルー
オーグ、竜二、竜三の指示に従うことを告げる
オーグを獣人かオーガ族だと勘違いしているのはスルー、竜二、竜三を竜人族と勘違いしているのもスルー

「飯はここに置くぞ、食べてからでいい」
サンドイッチ、ハンバーガーを出す
初めて見る食べ物に驚く

「旨い!?」「何だこれは!?」

その味にまた驚き、感涙する男たち
竜二たちは、水属性の魔法が使えるので、飲み物は出さなかった
土属性の魔法も使えるので、コップも出さなかった
このあたりの事は、何も言わなくても、オーグたちは理解した

俺は、建設資材
レンガ、ブロック、木材、塗料、その他を出して、後を任せた
 城の内装等を手伝わせたので、小屋くらいは造る事が出来るオーグ達、『建築』『大工』のスキルを持っている、20年ほどそういうことをしていたから当然である





リヤド「だいすけ、王都センターから応援を呼べるか?」
センター兄、タリアも同意見

ギルド本部に待機中のビューティーに『念話』で、応援要請

ギルド職員30人を転移させ、各家族の説明と手続きをしてもらう

感動の再会、彼らは新たな生活への不安より、今までよりいい暮らしが出来る喜びの方が大きかった
 喜んで、ここで暮らすと言ってくれた


「どれだけ、苦しかったんだ」
「帝国では、どんな生活をしていたんだ」
センター兄が呟く


王国で、生活していたセンター兄には考えられない事だった。
 冒険者として、各地を見てきた経験からも考え及ばない事だった。
 突然、転移させられたのに、回りの知り合いが居ない状況に置かれたのに、今までより、これからの方が幸せになれそうだと言う

センター兄は、当初戸惑っていた
帝国の家族を拉致することに、家族の同意を得る前に転移で連れてくるのだから
ところが誰一人文句を言わない、それどころか感謝される

貧富の差があると知っていても、王国…センター兄の物差しでは、計れなかった、想像以上だった。
 一国の王を継げる立場に居たセンター兄は、帝国に憤りを感じ始めていた


「だいすけ、俺を王宮へ戻してもらえるか? まだ、対応の途中だが、一旦説明に戻りたい」

俺は、センター兄のスマホを通話できるようにする
シムスロットに魔石を加工した物を入れるだけで、通話が出来る様になる

リヤド、タリアも希望した
ギルドからの応援職員が驚く
※帝国の者には知られないようにしている


フレンド登録をする

スマホの通話の仕方を教える
リヤド、タリア、アメイヤ、紅、ギルドからの応援の職員も聞いている

「たぶん、理解出来たと思う」

「この事も報告してもいいんだな」
「魔石を入れるだけだ、特別な事じゃない」
10個ほど魔石を渡す

「この魔石も無属性の魔石を加工した物だ、無属性の魔石を用意して貰えると助かる」
金貨(五百円玉)位の大きさ以上が必要だと伝える

センター兄を、王宮へ転移する

応援に来たギルド職員二人をギルドへ戻ってもらう、魔石を持って、リモート達のスマホを通話可能にするために
序でに無属性の魔石を集めてもらう

アメイヤの分身を、ニージハシタ、ジ・ユグへ行ってもらい、カイブン、ラビルのスマホを通話可能にする
序でに無属性の魔石を集めてもらう




余談
魔獣ヘルペリウム帝国の町に居た迷子の妖精3人を、拉致り、妖精界へ帰しました


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