【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(94)違うなぁ竜人は

(94)違うなぁ竜人は…。



 ~ 紅side ~
私は、走ったトンネルを出るとドラゴンになり、ベドザパードへ飛んだ。

ベドザパード前にラビルさんが、待っていた。
「ラビルさん、私がダレイナユグ、試練の塔オルドルタワーへお連れします」
「まさか、ドラゴンに乗れる日が来るなんてね」
回りには、冒険者、住民が、驚いていた。

ドラゴンが、来ることは伝わっていたのだろう、驚きはしてるが、混乱は無い。

ラビルさんを乗せ、ダレイナユグを目指す

「高所恐怖症じゃなくて良かったわ」
「跳ばします、落ちないで下さいね」

バサッバサッ 私は、加速した



  * * * * * *
 ~ アメイヤside ~

ボクは、走った。パードユグのトンネルを抜け、一旦止まる。
「パパは、救援待ちの商隊の話をしてたのに、居ない?」
『ロケートアイ』で、商隊を見る
「え? ベドザパードに? パパが、転移使ったのかな?」
それしかないよね


また、走り出す。
途中の魔物は無視、邪魔なのだけ魔法で分解
兎に角、ジ・ユグへ早く着きたかった

ホースヒールポイントも茶屋も素通り、休まなくても平気。走り続けた。

冒険者達と擦れ違った、止まることなく横を抜けた、魔物(の群の頭)を分解しながら

途中、商隊と擦れ違った、止まることなく横を抜けた、盗賊を麻痺させて

こんな所で止まっている時間が惜しい


ボクは、ジ・ユグまで走りきった

「ふぅ~、着いた」
検問前で減速

冒険者専用門に並んだ、カイブンさんに言われていたから。
回りの冒険者が、驚く

「ぼく、市民の列はこっちじゃないよ」
後ろから声をかけられる、振り向くと驚かれた、ボクが竜人だから
親切な女の冒険者に答える
「あっ、ボク、冒険者ですから、こっちで間違いじゃ無いですよ」
冒険者カード赤を出した

「えー!? 赤? あ あなたの?」
「はい、ボクのです」ポケットに仕舞う

順番になるまで、色々質問された
適当に答える
「何歳?」 「4歳です」 「よ 4歳…。」
「どこから来たの?」 「あっちからです」
「どこへ行くの?」 「あっちへ行きます」
「一人?」 「はい」

「お父さんは?」 「だいすけです」
知らない聞いたこと無い(わ)

「お母さんは?」 「紅です」
知らない聞いたこと無い(わ)
回りの冒険者も聞き耳をたてていた

順番になり、試練の塔オルドルタワークリアの証を出す。
「ギルドのマスターさんには、連絡いってる筈です、ボク、アメイヤです」
「それと、途中商隊が、盗賊に襲われてました。ここから、10キロくらいの所で、慌てなくていいはずですよ。盗賊は麻痺させて来ましたから」

「…「なんですとぉー! 試練の塔オルドルタワークリア者!? で、盗賊を麻痺させて来た?」…」冒険者達が同調シンクロした
10キロを走ってきたことにも驚かれた
私達(俺達)には、出来んな…。

直ぐに、冒険者と護送馬車が向かった


馬車が、待機していた
馬車で、冒険者ギルドへ連れていかれた

〈ギルマス室〉
「まだ、だいすけさんの状況は解りません、本部の闘技場が閉鎖になった、オルドルが消えたと言うことしか」
ジ・ユグ支部のギルドマスターさんは、ボクに説明してくれた。


「そうですか、じゃあ、ボク、ジ・ザパードへ行きます。」
「え? 今からですか?」
「はい、直ぐに」

パパの情報が無いなら、ここに用は無い。
ジ・ザパードへ行く

「夜になりますよ」
「心配は、要りません、ボクは、試練の塔オルドルタワークリア者ですから。」ニコッ

冒険者ギルドの前で別れた
「ありがとうございます、走った方が速いので、ごめんなさい」


検問に走った 来たときとは違う方、ジ・ザパードの方向に急いだ
ママの背中から見てたから、町の造りは解る
『ロケートアイ』で、ジ・ザパードへの道も確認している

来たときとは違う検問
試練の塔オルドルタワークリアの証で驚かれる

検問を出て直ぐ走り出す。

「速い!?」
冒険者が、検問の門番に聞く。
「あの子、竜人だったよな?」 「えぇ」
「初めて見たよ」 「私もです」
「こんな時間に出していいのか?」
「あの子、冒険者ですから…。」
「え? 冒険者? 何歳だ?」「4歳です」
「よ 4歳? 4歳で冒険者?」
「驚いていたようだが?4歳だったからか?」 「あの子、ランク赤なんです」
「なんですとぉー! 赤?4歳で?」
「違うなぁ~、竜人は」
「それも、試練の塔オルドルタワークリア者です」
「なんですとぉー!」
「ち 違うなぁ…、竜人は…。」


ボクは、走った
分岐点に来た。
「グッドモーニングのルーシーさんが、言っていた冒険者用の近道ってこれかな?」

 ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼
ジ・ユグからジ・ザパードへは、荷馬車用の広い、安全な道と冒険者用の山越えの道があるの、歩いても1日は短縮できるけど、魔物も多く居て、危険度は高いし、休憩する茶屋も無いわ。

夜になる、時間帯には冒険者も避けるレロ

アメイヤなら、大丈夫だろうが、足手まといになる冒険者が、居る可能性もある。

そっちの方に気を付けなさいね
 ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲

「って、言われた。やっぱり、山越えの道にしよう」
「その前に、『ロケートアイ』ボクの足手まといになる冒険者」
「わっ!ビックリした」
「あはははっ、範囲が広すぎたんだ、ビックリした~、100万人くらい見えたから」

「慎重に範囲を狭めて、『ロケートアイ』この道を進む、冒険者***
「2組、2、5人の冒険者が、見えた。」

「急がないと、早速足手まといになりそうだ、…魔物に襲われてる」

ボクは、ペアの冒険者の元へ急いだ。




「こんなに狭かったら、荷馬車は通れないね」
走った、最短コースを最速で

山の中の獣道、そんな感じ、冒険者に踏み固められた道
 広くない、4人並んで通れるくらい、冒険者同士の擦れ違いを考慮した広さかな?


「見えた、まだ、生きてる」
「大丈夫ですか?」
声をかける、驚かれた
「子供は来るな! 危険だ」
「何で、こんな所に子供が?」
男女のペア、二人とも前衛タイプ、剣で戦っていた。
魔物は、ハグレ狼の群、4体。
2体は、事切れている。6体の群だったのか。

「『ウインドカッター』×8」
ハグレ狼の両サイドから、風の刃が襲い、切り刻む

「なっ!魔法!?」
「なんて威力」

ドロップアイテム、『狼の牙』×24、『ハグレ狼の毛皮』×3、『ハグレ狼の核』×4と、モンスター硬貨
※ドロップアイテムの毛皮は、バスタオルサイズ(1体より小さくなる)

「勝手に倒しましたが、良かったですか?」
「え? あぁ、助かった」
「あ ありがとう、!?(竜人?)」

ドロップアイテムを拾う、ペアの冒険者
「『狼の牙』大きさの揃った物は高く買い取って貰えるんだよな、同時に倒すと大きさが揃うから助かったよ。」
「『毛皮』かさ張るから、どうしようかしら?」
「良かったら、ボクが貰っても?」
「え? あぁ、君が倒したんだから、君にも分け前はあるよ。毛皮でいいのか?」
「はい、ランドセルに入りますから」
ランドセルに入れた、不思議に思う冒険者
でも、聞けない

「聞いてもいいですか? ハグレ狼って言うのに、何で、群れるんですか?」
「はははっ、知らなかったら不思議だよな」
「こいつは、ハグレって呼ばれてるが、本当は『歯ぐら狼』歯がグラグラの一度噛むと抜け変わる狼、なんだ」
「『歯ぐら狼』? そうだったんですね。知りませんでした」

「ボク、急ぐので、もういいですか?」

「危険よ、これから山奥になるし、夜になるし、いくら魔法が出来ても、竜人でも、子供には危険よ」

「大丈夫ですよ、ボク、冒険者ですし」
「「え? 冒険者?」」
「何歳なの? ランクは?」
「4歳です、ランクは赤です」
「「え!赤?」 4歳で?」
「それじゃ」
ボクは、走ってその場を離れた

「ち 違うなぁ竜人は」
「違うわね 竜人は」

「『狼の牙』で、君への首飾りを作ろうと思う、受け取ってくれるかい?」
「え?」
「町に戻ったら、結婚しよう」
「え?」
「僕もあんな子供が欲しくなった」
「えー!? プロポーズ? ここで? このタイミングで?」
「僕とじゃ、嫌か?」
涙を流し首を横に振る
「嬉しい」
二人は唇を重ねた

アメイヤは、知らない内にキューピッドになっていた。




『歯ぐら狼』
食事のときは歯は抜けません
生え変わりが早いです
ドロップアイテムの『牙』は、装飾品や差し歯に使ったりする。(ドロップアイテムに限る)

 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
Cupid キューピッド
『d』だから『ド』にしました。


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