【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(91)ドラコスは裁判官権限を持つ元冒険者

(91)ドラコスは裁判官権限を持つ元冒険者



パードユグのトンネルで商隊を助ける
事故の諸々からベドザパードへ、転移で送ることにした。
ラビル、ドラコスが事後処理するとベドザパードへの転移を希望、このイライラを任せる事にした。

「まだ、やってるのか?」
グッドモーニング等はムカデと奮闘中

「こういう時、どうなるんだ?」
「車軸の細工が誰がしたのかで変わりますね、魔法で犯人は調べられます。」
「残留魔力とか言うヤツか?」
「えぇ、残留魔力、残留思念、悪意があるか殺意があるか等判断できます」
「そこまでか?」
ある意味、科学の進んだ日本より凄いかもな魔法。
残留魔力は指紋やDNA並みの個別判断をするもの、魔力波形は個人で違う。加えて殺意や悪意まで解る残留思念とは…今度試してみるか…。

「街道でも色々揉め事が発生します、その解決で茶屋を任されているドラコスさん達は、裁判官並みの権限を持ちます、判決を出せるのです」
「茶屋のおやじが裁判官?」
「茶屋は魔物や盗賊の見張りや報告の役目だけでは無いのです、旅人達の揉め事の仲介もします、無謀な冒険者を注意したりします。」
「そう言えば、模擬戦いどまれたな…」

「仲介の際に、お互いの言い分に違いがある場合、スマホの判定魔法アプリで、真偽の判断、残留魔力の痕跡、残留思念の善悪の識別等をします」
「判定魔法アプリ?」
「茶屋の管理者専用スマホの魔法アプリです。全ての管理者が魔法職とは限らないので、最近作られた魔法アプリです。」
「それが、ドラコスのスマホに入って要る?」
「えぇ…でも、ドラコスさんは、その魔法を使えますから、ドラコスさんは、アプリを使わないでしょう」
「ドラコスってすごかったんだな」
「今更ですね」

「誰が、そのアプリを作ったんだ?」
「解りません、冒険者ギルドのトップシークレットですから」

「ドラコスって事は無いよな?」
「ドラコスさんは、魔法は使えますが、スマホの扱いは苦手なので、アプリを作れるスキルは無いと思いますよ」
何となく解る気がする

まだ、ムカデ討伐は終わらなかった

ドラコス裁判官、判定魔法アプリの話で、俺のイライラは少し落ち着いた。
トンネル内で、暴走はしなくて済みそうだ。

「じゃあ、今頃、判決だしてたりするか?」
「可能性は、ありますね」

「じゃあ、こっちも判決を出すかな?」
「えっ? 判決?」

「グッドモーニング、シュウレイ、しゅうか、ランラン時間かけすぎじゃないか?」
「そんなこと言っても ハアハア」
「流石に、10体はキツいぞ ハアハア」
「もう少し、待ってレロ ハアハア」
「後少しです、ハアハア 後少し ハアハア」
「後2体ですわ ハアハア」

「『パーティーヒール』『元気にするスピリート』『パーティー魔力譲渡トランスファー』『ヒットサポート』『パーティーダッシュ』」
「速く終わらせろ」
全員のHP/MP回復、呼吸を正常化、攻撃力を上げ、俊敏性を上げた。

「…「なっ!」…」同調シンクロした

「はぁ~、だいすけさんは…。」
「もっと、速く回復して欲しかったレロ」
「俺の目に狂いは無かった!はははっ」

全快したら動きが変わった、直ぐにムカデは霧散した

「お前たちが、時間かけすぎるから、また出るぞ」
「え?」
壁、床からワーウフル…二足歩行の狼、武器を使う狼人間が出てきた。8体

「何で、こんな所にワーウフル?」
「普通は、出ないのか?」
「ワーウフルは召喚獣扱いの魔物レロ。」
「召喚獣?」
【神眼】 !? 魔法陣?
「(壁と床に)召喚魔法陣が書かれている」


俺の中のイライラが再発
殺気が漏れる 魔力が上がる トンネルが揺れる

「パパ、ダメだよ」
「だいすけ様、押さえてください」

「アメイヤ、紅、俺は用が出来た後は、任せる」
グッドモーニング、シュウレイ、しゅうか、ランランが見ている事も忘れて、転移したベドザパードへ。

「消えた?」「え?」
「よそ見しちゃダメだよ」ズバッ ドサッ
ワーウフルの腕が切り落とされる

「だいすけ様に任されましたから、参戦します、『ファイアスピア』」グサッ ボワッ
ワーウフルの胸に炎の槍が刺さり、燃え上がる

1体霧散 残り7体、内1体負傷(片腕切断)




~ だいすけside ~
転移後、ベドザパード上空に浮上
【神眼】ドラコスは?
冒険者ギルドか ギルド前へ降りる

カランコロン♪
ドアベルに視線が集まる 俺の殺気、魔力に青くなる職員、冒険者達

「ドラコス、ラビルに会いたい」
カウンターに言う
「お お待ちくださヒ」
今にも泣きそうな震えた声、受付は俺の名前も聞かず2階へ駆け上がって行った。
直ぐにラビルが降りてきた
「どうしたの? だいすけさん」
「ここでは、話せん」
「(ツー 汗が流れる)に 2階へ、ギルマス室へ来て」
ラビルも少し動揺する

〈ギルマス室〉
「どうしたんじゃ?」「ひっ」
ドラコスが俺を見て顔がひきつり、ギルマスが青くなる
「トンネルにワーウフル8体が出てきた。トッティの話では、ワーウフルは召喚獣と言っていた、召喚魔法陣も見つけた。ドラコスは、残留魔力、思念を感知出来るな、その魔法を教えろ。犯人が例の奴等なら俺が始末する」
また殺気と魔力が上がりギルマスが失神した。

俺の中では犯人はアイツ等、だがまだ証拠が無い。

「だいすけ、気持ちは解るが、お主は裁判官権限を持っておらん。魔法を覚え、犯人を特定しても判決を下せん。」
「そうよ、正当防衛なら兎も角、勝手な行為、やり過ぎた行為は、それが正当でも犯罪になるわ、ここは、私達に任せなさい」
「この怒りの押さえ方を教えてくれ」
「本部の闘技場へ行け、あそこなら、お主の捌け口になるじゃろ」
「壊しても責任は取らんぞ」
「本気は出してほしくないな」
「ふん」
俺は、センターギルドの本部、1階闘技場へ転移した。


「オルドル居るか?」
「居ります、何か?」
オルドルが現れた、俺の殺気に震える
「今、俺は怒りが爆発しそうだ、普通の場所では地形が変わる、ここで発散させてくれ」
「そ そういう使い方は し しないのですが…、ま 魔法陣中央へ お お進みください。」
オルドルは普通だったら断っていただろうが、俺の殺気に臆した

言われるままに中央へ歩く
魔法陣が光った

『よ よろしいですよ』
オルドルの姿が見えなくなり声だけが辺りに響いた

「『分身』」「「『分身』」」
四人に分かれる

四人で殴り合った
魔法は使わず、ただ殴り合った
【嫌われ体質】を使わず殴り合った
久しぶりに拳が当たる

俺は何をイラついている?
ボカッ ドカッ バギッ ゴン

俺は何故、ここまでイラつく?
ボカッ ドカッ バギッ ゴン
パシッ 

俺は、何にイラついている?
ボカッ ドカッ バギッ ゴン
パシッ ガン

俺は、誰にイラついている?
ボカッ ドカッ バギッ ゴン
パシッ ガン バガン

許せない?何を?
ボカッ ドカッ バギッ ゴン
パシッ ガン バガン ダン

馬を道具扱いしたことか?
ボカッ ドカッ バギッ ゴン
パシッ ガン バガン ダン
ドン

荷馬車の車軸に細工されたことか?俺には関係ないだろ?
ボカッ ドカッ バギッ ゴン
パシッ ガン バガン ダン
ドン バン

仲間を放置した事か?俺には関係ないだろ?
ボカッ ドカッ バギッ ゴン
パシッ ガン バガン ダン
ドン バン ドフッ 

そう、俺には関係ない、なら何故イラつく?
ボカッ ドカッ バギッ ゴン
パシッ ガン バガン ダン
ドン バン ドフッ バッゴーン

分身が裏目、並列思考が怒りの思考を増幅、身体弱化の重ね掛けをしていても、尋常でない魔力が4つになっていた

拳の痛みが、体の痛みが、吐き出しに来た筈が、自分の中のモヤモヤが増幅された

「「「「うぉぉぉぉぉー!!」」」」

4つの巨大な魔力が更に膨れ上がった!!

闘技場は別空間 でも、完全に隔離されているわけではない、中でのバトルを見るため、繋がっている
 普通のバトルなら、その許容範囲を越えることは無かった、だいすけ1人なら許容範囲を越えることは無かった、分身し4人になり、爆発したのだ、許容範囲を越えた!

パリン 繋がりが 壊れた!

だいすけの視界にあった壁が消し飛んだ

壁の外は闇 何もない

今まで明るかった天井が消し飛んだ
昼から夜に…真っ暗な世界?
だいすけの視界が0、何も見えなくなった。
感じるのは地面の感触のみ

「「「「!? 何だ? どうなってる?」」」」

分身もキョロキョロと回りを見るが何も見えない、側に居る筈の俺も分身も見えない
完全な闇

「「「「灯りライト」」」」
手元に灯りを作り、上空に上げ、光源を大きくする

直径500メートル程の地面…その先は闇

「息は出来るが、まるで宇宙空間にでも来たような闇だな、何も無い」
「「「「『ファイアボール』」」」」
火の玉を四方の闇に飛ばした
火の玉は闇に入ると視界から消えた

「本当に何も無い闇?『ファイアボール』」
大きくして飛ばしたが、闇に入ると視界から消えた
「ヤバそうだ」

「オルドル」
シーン

「オルドル」
シーン

「反応無し、ヤバイな、戻れなくなった?」

スマホのメール
「圏外? やっちゃった?」

「「「「『記憶転移』」」」」」四人とも不発
四人俺等は思考共有でビューティーのベッドへの転移を試みた、成功していたら大変な事になっていたかも…。

「「「「(転移)も、ダメって…どうする俺」」」」






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