【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(19)『念話』解禁

(19)『念話』解禁



俺は、魔道具屋で、如意棒の様に伸縮自在の魔法のステッキを手に入れた。
 魔道具屋の婆さんが、ウナに感動して、くれた物だ。

魔力次第で、剣や刀、小さくすればウナも使える武器になった。

お昼には少し早い、武器屋に行く必要が無くなった。
『仙人眼』でチラッと確認。

防具屋にも用はない。
『仙人眼』でチラッと確認。


魔道具屋に入った目的も忘れていた。
もう一度戻るのも気が引けた。

普段着にも困らないから、服屋もスルー。
『仙人眼』でチラッと服を確認。

鍛冶屋の前で仕事を見ていた。
カンカン トントン
農具や馬具専門店か?

別の串の屋台
「おっちゃん、これ何の肉?」
「オーガだ、旨いぞ。一本銀貨小5枚だ、どうだ?」
旨そうな匂いはする、でもお昼が食べられなくなるのは困る。

「屋台って、何時までやってるんだ?」
「朝の7時から夕方19時位までだ、串が無くなれば早じまいするがな。」
今じゃなくても良いな…。ランドセルに入れておけば。

「おっちゃん、二本くれ」
「毎度!」
銀貨小10枚渡し、串二本貰う。
暫く歩き、路地でランドセルに入れる。
でも、よく考えたら、串をイメージして、オークやオーガの肉を出せば良かったのでは?まあ、タレは屋台の味だからいいか。


教会 『仙人眼』でチラッと中を確認。

「お願い。お姉ちゃんが具合が悪いの、司祭様に頼んでください、お姉ちゃんを診てください。」
「連れてきたら、診てあげますよ」

居るんだなぁこんなヤツ
見習い神官のような男に無下にあしらわれる

出てきた女の子は麻袋に穴を開け、手と首を出した格好…、あれじゃ追い出されるかもな
『追跡』+『仙人眼』ロック

教会の中へ入る。
さっきの男が営業スマイル ニコニコ
「どのようなご用でしょうか?」
「教会って、どんなことをするのですか?教会に初めて来たので教えてもらえますか?」

説明してくれた
教会は神に感謝する場所
お布施で回復、呪解、蘇生を行える。

蘇生は、教会内でしか出来ない。二人の司祭による儀式蘇生。失敗することもある。成功率99.5%
この世界は遺体があれば、金次第で生き返れる
代償は色々、所持金、所持品、レベル、記憶etc.

回復系の職業の者は祈ることで回復効果が上がる。

大聖堂では、生誕の儀が行われる。
5歳の子のステータスの確認の儀式。

銀貨大1枚を出して
「お祈りをしたいのですが」
男はそれをポケットに入れた
俺を左の小祭壇(左右に1つづつある)に案内する。
普段は本祭壇(中央)は使わないようだ

俺は、方膝を付、両手を合わせ祈りの格好をする。
祭壇(中央)にある水晶が光を放つ。
ウナには見えたが、男には見えない光の様だ。
「眩しい、何かな?」

「なぁ、祭壇の水晶が光るときってどんな時だ?」
「はい? なんの事でしょう?」
やはりこの男は今の光が見えてない。

「あそこの水晶が光るときだ」
「あの水晶が光るときは、生誕の儀の際、特別な加護を持つ子に光ると言われてます。私はまだ光ったのを見たことがありません」
「それに、大聖堂の水晶は光りますが、この教会のは光らないでしょう、飾り物ですから。 ははは」

お前には一生見えんよ、俺は心の中で思った。
俺が、生誕の儀を受けてないから光ったのか?

ステータスを確認してみた。
監視眼モニタリングアイ】獲得
盗聴耳プロジェクトイヤー】獲得
『地獄耳』獲得
『念話』解禁、ウナ・ブリーザと念話が出来るようになりました。

ウナにも念話解禁のメッセージが届いた様で、驚いた。
「『念話』解禁って何?」
“俺とウナが『念話』出来るって事だろ?”
頭で考えたことがウナに伝わる
「頭の中で、だいすけの声が聞こえたよ」
「今のが『念話』だよ、言葉に出さずに相手に伝えられる。離れた場所でも」
「すご~い」

俺は、教会を出て、さっきの女の子の居る場所に向かった。

ライトタウンには、畑もあった、畑を通りすぎ、牧場ぽい場所の片隅、馬小屋だったらしいボロ小屋
「誰か居るか?」
監視眼モニタリングアイ】で見ていたから中に少女の他に二人居るのは解っていたが、声をかけた。

「誰?」
さっきの女の子が出てきた。
「神の遣いだ」
「そんな格好の神の遣い見たこと無い」
赤いランドセルを背負った小綺麗な服を着た青年だ。司祭の格好も神父の格好もしてない。
「診察と回復してやれるぞ」
「嘘つきは神様の罰を受けるんだぞ」
男の子が少女の後ろから俺に言う。

背負ったランドセルに手を入れ、クッキーを三枚出す。
一枚をかじり、二枚を持つ手を伸ばす
「食べるか?」
物凄い勢いで男の子が俺の手の中のクッキーを奪った
かじりかけを左肩に持っていくとウナがかじった。クッキーの角が欠けた。
ボリボリ 音が聞こえる。

「え? 何?」
「妖精さん、俺が神の遣いだから」
少女の手の中のクッキーを前に出し
「わ 私のも食べますか?」
疑心暗鬼 半分信じてない
ウナがクッキーをかじった。 ボリボリ

涙を流しながら
「お姉ちゃんを診てください。」
少女が頭を下げた

ボロ小屋に入ると、女の人が寝ていた。
「クッキー旨いか?」
「うん、甘い、こんなに美味しいの食べたの初めて」
男の子が答える

「名前は?」
「私は、スプーン、この子はエージ。お姉ちゃんはレディロって言います」

『鑑定』
 §§§§ ステータス(黄緑) §§§§
名前:レディロ
種族:人族
職業: ー
性別:女  (19歳)
身分保証クラス:平民
健康状態:瀕死(毒)
 § § § § § § § § § § § § §

「毒? 何か毒にやられたのか?」
「『解毒キュア』(赤)『ヒール』(赤)」
「お姉ちゃん、薬草を採りに行ったときに蛇に噛まれたらしいの」
掛けてある布の足元を捲る、足に蛇に噛まれた跡があった
噛まれた跡に触れ『解毒キュア』(赤)

『鑑定』
健康状態:良好

「もう、大丈夫だ」
顔色も良くなった
苦しそうだった寝息も穏やかになる。

「本当に?もう大丈夫?」
「俺は神の遣いだ、嘘はつかない」
『神の遣い』って嘘をついてますが、ウナがクスクス笑っていた

さっき買ったオーガの焼き串をランドセルから出す
「食べるか?」
「お金無い」グゥ~
「神の遣いはお金はとらない」

二人は泣きながらオーガの焼き串を頬張る
二日ぶりのまともな食事らしい
二人に緑茶を出した

「美味しいね、この飲み物」

「う う~ん」
レディロが目を覚ました。
起き上がる
「スプーン、エージ、誰か来てるの?」
レディロは服を着ていなかった
本人も服を着てないことを知らなかった

俺は、慌てて目を反らす
その仕草で自分を確認したレディロ
「キャッ」手ブラで後ろを向く

「お姉ちゃん、大丈夫?」
「元気になった?」
俺も元気になった、17歳の健康な男の男の子の反応。

グ~ レディロも空腹には勝てなかった
俺はサンドイッチ(卵サンド)を出して、小屋を出た。

俺は、宿屋に戻るべく歩を進めた。





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