朝起きたら女の子になってた。

スライム3世

沙雪ちゃんは恥ずかしい。



水泳の授業が終わると、制服に着替えて教室に戻る。そして今現在、完全に乾ききっていない髪を後ろに座っている沙雪が櫛で梳いてくれているところだ。

「ふんふんふ〜ん♪ ふふんふふ〜ん♪」

とても上機嫌に沙雪は鼻歌を歌いながら私の髪を梳いてくれている。何かあったのかを聞いてみる事にした。

「何かあったの?」
「そうだよ〜 正確には何かがあるんだけど、紗香お姉ちゃんには内緒ね〜」
「そう……」
「髪型は何にする?」
「沙雪と一緒ので良いよ」
「じゃあ、ツインテールだね。ゴムある?」
「あるよ」

私は何も考えずにポケットの中に入っているゴムを取り出して沙雪に渡す。

「紗香お姉ちゃん、これ輪ゴムだよ」
「あ、こっちこっち」

沙雪から輪ゴムを返してもらい、本当のゴムを渡す。因みに、輪ゴムを持っている理由としては、沙雪に悪い虫が付いた際に追い払う用として使う為だ。

「……よいしょっと、出来たよ」
「ありがと」
「どういたしまして」

私の髪から手を離すと、沙雪は机の引き出しから次の授業に使う英語の教科書とノートを机の上に出した。ここで私の脳裏に一つの疑問が生まれた。

ノートは今の沙雪が書いた物じゃないという事に。もし、そのノートを見た沙雪がどんな反応をするのか想像がつかない。

「沙雪、ノート見せて?」
「ん? いいよ」

沙雪からノートを貸してもらうと中身を拝見する。すると、驚くべき事実を知ってしまった。

「な!?」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」

左側のノートに英文、右側のノートにその英文の翻訳を書いているのは良いのだが、上の日付などを書く欄にうさぎやらイルカなどの可愛らしい絵が描かれていたのだ。

(まさか、お兄ちゃんは無意識に女の子らしさに磨きを……)

私は意を決して聞いてみる事にする。

「ねぇ沙雪? この絵は何?」
「それは、うさぎのうーちゃん。そっちはイルカのハナちゃん」
「名前あるのか……」

でも、分かったことはある。本体の沙雪が描いた物なのだが、こちらの沙雪が描いた物となっている事だ。この法則から、こちらの沙雪は本体の沙雪の記憶を受け継いでいるという事になる。だから、不思議に思わないのだ。

そう結論付けた私は、ある実験をしてみる事にした。

「沙雪」
「何?」
「大好き」
「うん……ふぇっ! きゅ、急にどうしたの……?」

沙雪はオーブンレンジの早さに負けないほどのスピードで頬を赤く染め上げる。

「我慢できなくなった」
「だ、ダメだよ。家に帰ってからじゃないと……」

(自分で言ったけど何を帰ってからするの!)

とは、言えない。

「その、どうしてもなの……?」

沙雪はその低身長を利用して上目遣いで私を見つめてくる。しかし、机に座っている状態なのであまり効果は為さないが……。

「どうしても」

沙雪が見つめてくる時点で、私は抗えなかった。

「そうなんだ……」

沙雪は前の黒板上にある時計を見て「まだ、時間はあるね」と独り言をする。そして、沙雪は立ち上がり私の手を掴んで立たせる。

「付いてきてね」
「あ、はい」

教室を出ると、沙雪は二つ右隣にある空き教室へと赴く。その後を追って中に入ると、沙雪は中に入ったところを見ている人がいないか廊下を見て、確認してから内側から鍵を閉めた。

「授業始まるのが後、8分ちょっとだから早く済ませてね……」

(だから、何を済ませるの!)

とも、言えない。

そして、沙雪は何を思ったのかYシャツのボタンを外していき……果てにはキャミソールも脱いでブラだけになってしまった。

(スカートは脱がないのか……って何を考えているの!)

私は冷静になって何をしているのかを聞く。

「あの〜沙雪? 何してるの?」

私がそう尋ねると沙雪は体を隠すように屈んで、答えた。

「紗香お姉ちゃん……それ、言わせる気なの? その、すっごく恥ずかしいんだよ……」
「あ、ごめん」

残念ながら聞けなかった。

仕方なく冷静になりきれていない脳を働かせて考える。

…………
………
……



(分かるか!)

もう知らない。私はやりたいようにする!

そう決めた私は迷わずに、ブラの上から胸を触る。

「んっ……」

柔らかい。

大き過ぎないし、小さ過ぎなくもない。丁度いい。それが合っている。

(莉奈に揉まれて大きくなったか……)

お兄ちゃんがどんどん女の子らしくなるのは感心しない。でも、今の沙雪は女の子である。なんとも言えない気持ちだ。

ただ触るのは飽きたので揉んでみる。

「ひゃぁっ……」

可愛い。とってもキュート。

(いや、元からだった)

それから意を決してブラを外すと、沙雪が手ブラをして胸を隠した。しかし、私は止まらない。沙雪の手を掴んで下げさせると、薄っすらとしたピンク色の小さい実を視認することができた。それを試しに摘んでみる。

「んぁ……紗香お姉ちゃん、そこダメぇ……」

ダメと言われるとやりたくなるのがお年頃です。

私は小さい実を軸に揉む。

程よい張り付きが両手に感じられる。自分のを揉むより他人の胸を触った方が心地いい。知りたくなかったが、少しは莉奈の気持ちが分かった。

無我夢中で堪能していると、沙雪の手が私を止めさせようと抵抗を始めた。

「止めて欲しいの?」
「あ……うん」
「そうなんだ。でも、ダメ。始めたのは沙雪の方なんだから、私が満足するまで最後まで付き合ってね」
「え……?」

まだ続くの? と言いそうな顔をしている沙雪を無視して、私は沙雪の胸を堪能するのだった。


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