朝起きたら女の子になってた。
旅行 part8
紗香にすっぽんぽんにされた隙に、俺はタオルを掻っ攫って、逃げる様に内風呂に繋がる引き戸を開けた。
「おぉぉぉぉぉぉぉ」
すげぇ、大きい風呂に良い眺めだ~~~
(湯煙先輩と美人さんのBeautifulπとロリロリのSmallπ達!)
(今行くよ、このビッグウェーブに!)
早速、俺は入り口から近くにあった泡風呂に突撃した。あ、髪はお湯に入れない様に上に束ねるのを忘れずに。
「ぶくぶくぶく……(ゆ、揺れてる)」
犬掻きで近場にあったお姉さんのπを目指して確認したら、泡でぷるぷると揺れているんだ。それに、その妹っぽい子のちっπも僅かに揺れている。最高だね!
よし、次だ!
泡風呂から出て次に向かった所は3つ隣り合っている座湯。左右に1人ずつ座っていたので、真ん中に座って右、左と交互に見る。
(膨らみかけの控えめなサイズとロリの小さいの!)
(えへへへ、ここはHeavenでもありUtopiaだ……。紗香ありがとう、誘ってくれて……)
(は!紗香はどこにいる?)
あまりにも良い景色で忘れていた紗香の存在に気づいて探すと、入り口付近にいた。そして誰かを探している様な仕草をしていた。
(俺を探しているのか?しかし残念だったな、今の俺は髪型も変わっているし、湯煙先輩にカモフラージュされている。それにより今の俺は発見できまい。ふははははは)
俺がそうして調子に乗っていると、紗香は諦めたのか俺がさっきまで入っていた泡風呂に入った。
(ふむ、それにしても前に見た時よりも大きくなっているな。実にけしからん)
しばらく俺が紗香を観察していると、不意に湯の匂いを嗅ぎ始めた。そして何かにつられる様に泡風呂から出てこちらに近づいてくる。
(ま、まさか、湯の匂いから俺の匂いを探し出したのか?変態だ……。いや、変態を通り越して超人じゃないか)
とにかく俺は座湯から素早く出て、外にある露天風呂に向かう。
引き戸を開けると、風がびゅーびゅー吹いて俺の体に直撃した。
(ぎゃぁぁぁぁぁぁ寒いぃぃぃぃぃぃ)
外に出て、引き戸を閉めようとするが、風の影響で重たくなっており今の俺の力じゃ閉まらない。
(仕方ない、次に通る人に任せるか)
引き戸を閉めるのを諦めて、すっかり冷めてしまった体を温める為に、近くにあったジェットバスに入る。
(あぁ、ぴょんぴょんしちゃう~~ 最近、映画化もしちゃってる~~)
地味に宣伝をして、ジェットバスを楽しんでいたら、隣のジェットバスに姉貴がやってきた。
「沙雪か?」
「良く分かったな」
「髪型は変わっているが、体型は変わっていない」
(確かにそうだったわ。なら、紗香が俺に気付かなかったのは湯煙先輩のおかげか。流石、先輩です)
「えーっとだな、女になって何か不便な事はないか?」
「何だ、急に?」
「いや男のお前が急に女になったから困る事だってあるだろ?」
「そうだな、コーラ飲めなくなったり、低身長になって、それをネタにされたりな」
「それもあると思うが、男に好意を抱いたりとかそんな事は無いのか?」
「気持ち悪い事言うな、吐き気がするぞ。体が女になったからって俺は変わらん。俺は俺だ。女になる所はネトゲだけで充分だ」
「うははははははは」
「何だよ」
「お前が変わってなくて安心しただけだ。なぁ樹、私は普段お前に素っ気ないが、いざとなったら私を頼れ、何とかしてやる。家族だしな」
(家族か……)
「それに私はお前が弟で良かったと思ってる。性格を変えた時だって、大分お前にも冷たくしたな。だが、お前は私を受け入れてくれた。なら私もお前がどう変わろうと受け入れてやる」
(そうか、根は優しいままなんだな……)
「俺も安心したぞ、お姉ちゃんにも優しい部分が残ってたからな」
「フンッ、余り他の女の裸をジロジロ見るなよ。変人だと思われるぞ」
そう言い残して、姉貴はジェット風呂から出て行った。
(げっ、姉貴に見られてたのか……。だが、これは男の性だから仕方のない事なんだよね)
俺は言われた事を正当化してから、次なるπを求めてジェットバスから出るのだった。
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