朝起きたら女の子になってた。

スライム3世

爆死?いいえ違います、勝利です。



『おい、もうやめとけって、どんだけ回すんだよ』

何回目だっけ?150ぐらいか?おそらくな… 男の時にバイトして稼いだ金が消えていく… だが、

『うるせえ!俺は出すまでやる。まだ課金だからな』
『課金してるだろ!』

課金?ふっ、違うな

『いいか?課金ってのは欲しい物が手に入った時に課金って言うんだ。そして、欲しい物が手に入らなかった時に無課金って言うんだよ』
『意味わからねえよ…』
『なら分かりやすく言ってやろう。無課金って漢字は最初に「無」ってつくだろ?それで、欲しい物が手に入らなかった。この時点で収穫0だ。つまり「無」、無いって事だ』
『むちゃくちゃだな、おい』
『だからまだ俺は無課金だ!』

それにしても、どうしてこうなった……

*****

~沙雪がガチャを回す前~

『じゃあ、回すぞ』
『回して俺にくれ!投資しろ!』
『ふざけんなw』

そして、数十秒が経ったところでチャットに変化が訪れた。

『ハズレだったわ』
『うんうん、俺にくれなかったからだな。じゃあ、俺の番だな』
『あ、回したら爆死しちゃうぞ?』
『逆に当てちゃうフラグありがとう』
『へいへい』

そこでチャットを一時止めて、ガチャ画面を開く。

(相変わらず、どのゲームもガチャ画面って凝ってるよな)

ピックアップガチャ開催という文字が書かれている。
そしてピックアップ装備は真ん中に大きめで載っている。その下には初回ガチャと10連のクリックボタンがある。

とりあえず、初回ガチャをクリック

R 剣士の剣

うん、ゴミだ。次からが本番だ

10連ガチャをクリック

UR 大天使の翼
R  木の杖
R   HP回復薬(中)×5
SR  エリクサー ×3
R     バケツ
R     雑巾
SR  天使の翼
SR  天使の兜
R   MP回復薬(中)×10
SR  堕天使の鎧

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

そっちのURかよぉぉぉ。持ってんだよ… だが、ピックアップはされているのが分かったから進歩だ。

そこで一度、俺はガチャ画面を閉じてチャットに入力していく。

『UR出たなり!だが、持ってるなり!』
『あぁ、そっちの方か… だが、幸先はいいじゃねえか』
『おう、俺はもう終わらせるぜ!』
『おい、何で自分からフラグ立てるんだよw』
『フラグなんか叩き折ってやる』

だが、ここからが本当の地獄の始まりだと『いっちゃん零』いや、沙雪は気づかなかった。

*****

20連目---

R     木の剣
SR   エリクサー ×5
SR   復活の雫
R     HP回復薬(大) ×5
R     木の盾
SR   セイントバール
R     天然水 ×6
SR   絵の具セット
R     蚊取り線香 ×3
SR   十字架のペンダント

「まぁ、出ないのは当たり前だな……」

次だ、次!

~以下、沙雪さんの反応ダイジェスト~

30連目---

(まぁ、出ないのは知ってた)

40連目---

(ま、まだ、全然痛くねえわ)

50連目---

「50連目だじぇ~~~~」
「うるせぇぞ、沙雪!」
(姉貴に叱られた……うるうる…)

60連目---

(ま、まだ、ろ、6回だぜ?)

70連目---

(セブンイ○ブ○)

80連目---

(うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ)

90連目---

(9をひっくり返したら6だ!という事で、60連目だな)

100連目---

(10連だよ……?)

110連目---

「パソコン、ぶっ壊れてんな、ふざけ(ry)」

120連目---

(120れ……)

130連目---

「ひゃくさんじゅうれんめ」

140連目---

「ボク、さゆきっていいまちゅ。4ちゃいでちゅ……」

150連目---

(ふはははははははははは)

そして現在に至る。

『俺が10連1回やってやるから、もうやめとけ』
『本当か!』
『ああ、だから待っとけ』

それから数分経ったらチャット欄に書き込みがあった。

『零、出たぞ。仕方ないからやるよ』
『ファッ!』

そして、交換機能を使って俺のアイテムボックスの中に「エンジェルブーツ」の文字が現れた。

『ありがとう、ペン棒…いや、天使様』
『お前の装備が天使だわ…』
『俺はこの幸せを噛み締めてもう寝るぞ、またな』
『おう、またな』

そして俺はログアウトをしてパソコンをシャットダウンをする。次に電気を消して布団に潜り込んだ。

あぁ、いい安眠になりそうだ。

*****

ペン棒---いや、茅野かやの 莉奈りなは『いっちゃん零』がログアウトした後、直ぐにログアウトした。

そして一言

「流石に初回・・で当ててた事は言えないな~」

莉奈は初回限定のガチャで「エンジェルブーツ」を当てていた。言わないつもりだったが、虚しい気持ちになっていき、回す事を告げて数分後に「当てた」という事にして「エンジェルブーツ」を授けていたのだ。

「はぁ~、疲れた。も明日、始業式だから早めに寝ようかな」

茅野 莉奈は、おっさんではなかった。現役の女子中学生であった。所謂いわゆる、ネナベだ。沙雪も見た目で判断するならネナベだ。

「はぁ、怠い…夏休み終わっちゃった……学校行きなくない……」

そして電気を暗めにしてからベッドに移動して近くにあったペンギンの抱き枕に顔を埋める。

(でも良いか…紗香・・に会えるから……)

そう考えてから、莉奈は眠りに就いた。

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