学校一の美少女がある日俺の妹になりました

Fuu

夢を見て......

 どこか朧ろげな感覚を持ちながら、俺は喫茶店の一つの席に座っていた。

 周りを見渡しても人の姿は無かった。俺は視線を正面に戻す。すると、そこにはさっきまで居なかった女の子が居た。いつから居た?それより......この子何処かで見た事ある気がする......。

 ふと、手元を見るといつの間にか一杯のカフェラテが置かれていた。いつの間に?
ガタッ!っと前から音がして顔を上げると、目の前には座っていたはずの女の子の顔が近くにあった。そして、その顔はどんどん俺の顔に近づいて来てーーーー......。




目を開けると、見知った自分の部屋の天井が視界に入ってきた。

 「夢......か......。なんだったんだろう」

 そう一人呟きながら少し考える。あの夢の内容何処かで一度あったような。こう、小骨が喉に刺さって取れないような感じがするんだよな。
そこまで考えたけど、思い出せそうもないし、とりあえずベッドから体を起こす。
えーっと、確かお昼前に再婚云々と話があって、その後雫達が帰った後お昼食べて寝たんだったっけな。
 ふと、時間が気になったから時計を見てみると時計の針は四時を指していた。
 うーん、四時か。時間もまだあるし何処かに出掛けようか......。あ、あの喫茶店に行ってみようかな。ちょっとラテ飲みたかったところだし。
俺は財布をポケットに入れて自分の部屋を後にした。


 自転車を少し急ぎめで漕ぐと思いの外すぐにあの喫茶店に着いた。そう、雫と行ったあの喫茶店である。
この喫茶店に来た理由としては飲みに来たのもあるが、雫に会えたらいいなってのもある。今日の一件をまだ悩んでるなら少しでも力になってやりたいと思うのはおかしい事じゃないよね。
 そんな事を入り口で考えていると......。

 「先輩?」

 そう声を掛けられてその方を向くと、さっきまでの考え事の種である雫が朝とは少し違う服装をして俺の方を見ていた。
静寂が俺と雫を包む。き、気まずい。俺から声を掛けるしかないか......。

 「えっと、とりあえず中入ろっか」

 「え、あ、はい。そうですね」

どこかなんとも言えない空気が残る中俺たちは店の中に入って行った。


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