部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

荷物仕分け








そして次の日

「さぁ七海さん」

「は、はい……」

「引越しの準備をしようか」

「そ、それはやりますけど……
ーーなんでセンパイがいるんですか?」

そうなのである今、僕がいるのは七海の部屋である。

「そんなの簡単さ
ーー君が準備をするか見張るためさ」

「もうセンパイったら〜そんなに彼女に信頼ないですか?
私だってそれぐらーー」

「逆に僕があると思っているのかその根拠を
教えてほしいかな」

「酷っ!! というか最後まで言わせてよ!?」

「言っておくけど七海と森は僕が目を離すと絶対サボるから
信頼は皆無に等しいからね?」

まぁ本音を言うと上記の2人に加えて美少女がらみで
与謝野さんも同じランクなのだが。
ちなみに信頼のランク付けとしては

1位  織田

2位 樋口さん

・ 





ワースト2位  与謝野さん(美少女絡みのみ)

最下位 七海と森

「……森先輩と同ランクって結構落ち込みますよ?
そこはなんとか……ほら彼女補正でなんとか上がるーー」

「ーー彼女補正で森と同ランク」

「泣きますよ!? というかそこまで私って酷い!?」

「ほら、早くやるよ」

と僕は自室から持ってきた段ボールを組み立てながら
そう言った。

「なんだろ……今日のセンパイはいつもより厳しい」

「何か言ったかい七海?」

「いえ、なんとも!!」

……まぁ実際何を言ったか聞いているのだが。
今ここで七海のペースに持っていかれたら本当に終わらない
気がするので無視する事にした。







「じゃあ七海、まずは新居に送るーー」

「愛の新居ですね!!」

「新居に持っていくものと実家に送る物を分けよう」

「むぅ……センパイのいけず」

「ほら早くやるよ」

とりあえず七海のペースに飲み込まれない様に無理矢理に
でも話を進めないといけない。
今回僕らが引越しするのは今僕らが住んでいる部屋よりも
広い部屋なのだが2人が今持っている私物を全て持って
いったら家のスペースがパンクしてしまうのでいくつかは
実家に送り届ける予定である。
……なお僕はプラモデルとかは新居に持っていかず
実家に送る事にした。


「さて仕分けると言ってもな……」

僕は改めて七海の部屋を見た。


ーー本棚には沢山の本

ーー沢山のぬいぐるみ

ーー所狭しと置いてあるアニメのグッズ


と明らかに僕よりも私物が多いため仕分けるのが大変そう
であり、果たしてあと今日と明日で本当に終わるのだろうか
なんて思ってしまった。

「センパイ〜」

「ん? 何かな?」

「漫画でセンパイと被っているの実家に送ってもいい?」

「うん、いいよ」

意外と僕と七海は漫画や文庫で読んでいるのが似ており
丸かぶりの作品も結構あった。

「じゃあこれとこれと……」

と僕が持っているのと同じ漫画を本棚から出して次々と
ダンボールに入れていく七海。
それからも色々な物を実家に送るダンボールに入れていく。
予想以上に七海がテキパキしていたのでこれなら意外と
早く終わるのでは? と思ったのだが……

「少し休憩を所望します!!」

「却下」

「早い!?」

「多分、君のことだから休憩と言ってさり気なく
荷物の仕分けから逃れようとしそうだし」

「そ、そんな訳ないじゃないですか〜」

……図星じゃないか。

「そのつもりだったんだな」

「ち、違いますよ!? わ、私がそんな事をする人間に
センパイは思っているんですか!!」

「森と同ランク」

「最早名前が呼ばれてないよ!?」

「半分終わったら休憩兼昼飯ね」

「えぇ〜!! まだ1割もいってないよ〜!!
それじゃ日が暮れちゃうよ!!」

「日が暮れ無いように早くやるよ
ーーほら僕も手伝うからさ」

「はっ、まさかセンパイ。荷物の仕分けを手伝う事を
言い訳にして私の下着を見るーー」

「さて帰るか」

と僕は七海に背を向けて玄関の方に歩きだそうとしたが

ガシッ!!

「ごめんってば〜!!冗談だよ冗談〜!!」

「というか毎日君の下着もまとめて洗っているから
今更感だけどね」

七海の服もまとめて洗濯をしているため今更七海の下着を
見ても最初の頃よりも何も思わない。
……まぁ多少は目のやり場に困るけど。

「それはそれで凹みますけどね……
でもセンパイ、見たい時はいつでも言ってくれればーー」

「さて撮りためたアニメを見なきゃいけないか」

「ごめんなさい〜〜!!
だから助けてよ〜!!

「……はぁ、とりあえずさっさとやるよ」

「はいっ!! 分かりました!!」

「相変わらず調子が良いんだよな……はぁ」








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