部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

もしもし警察ですか?

七海の幼馴染である有川さんとの愉快な話は
かなり長く続いた。
「あっ、もうこんな時間だ〜!!」
と有川さんが言うので腕時計を見ると時計の針は
既に6時を回っていた。
「意外と長く話していたんだね。
七海、そろそろ帰ろうか?」
「そうですね。
……お母さんを怒らせると怖いですし」
「ななみんはまたお母さんに怒らせたの?」
「そうだね、丁度昨日怒られていた」
「ちょっとセンパイ〜? そう言うの言わなくて
良いと思うよ〜私は?」
「日頃の仕返しかな」
「おぅ……流石センパイ……やる事がいやらしい〜
まるでベットの中ーー」
「はいど〜ん」
「むぎゃ!!」
僕は七海の口に手を当てて黙らした。
「……ななみんとセンパイの関係ってそこまで
発展してたんですね……1人暮らしを始めて
弱っているななみんをあんな事やこんな事を
無理矢理していたんですね……酷いですね先輩は」
「待って僕はそんな事してないよ!?」
なんか今日初対面の年下の女性に変態扱いされる僕。
とそこへ七海が……
「明里ちゃん、センパイったら風邪を引いた私に対して
色んな事をしていたもんね〜」
更に状況を悪化させた。
「なんか色々と誤解を生む発言だな!?」
というかこの子絶対分かってやっているな……!!
帰ったら七海のお母さんに言いつけてやろう。
「……もしもし警察ですか。
ここに1人犯罪者がーー」
なんか携帯を持って警察に電話している有川さん。
「警察は本当にやめてもらえるかな!?」
「やっちゃえ明里ちゃん〜〜!!」
「彼氏売るのか君は!?」
「まぁ大半はななみんの嘘だと思うので本当だとは
思っていませんよ〜」
と携帯を顔から離し、笑いながらいう有川さん。
「……さっきの声のトーンが結構マジだった様な気が
するのは僕だけだろうか?」
「そんな訳ないじゃないですか〜そんな事私が
する筈が無いですよ〜
ーーやるならもっとやりますよ〜」
「悪魔だ!! 本当の悪魔がいる!!」
このやり方はまるで僕の同期である樋口さんを
思い出す……というか未だに樋口さんと呼んで
良いのだろうか?


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何故この時国木田が迷ったのかはスピンオフ作品
“私の世界”に詳しく書いてありますので
お時間がありましたら読んでみてください!!

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「どうしたんですかセンパイ? いきなりぼぉ〜っと
しだして何かありましたか?」
「いや何でも無いよ……ただ何となく有川さんを見てると
樋口さんの手口を思い出してね……」
「センパイ
ーーまさか浮気ですか?」
「うわ……ななみんという可愛い彼女がいながら
先輩は浮気ですか……引きます」
「してねぇ!? 」
「センパイはあの時の言葉は嘘だったんですか!!
“七海の胸は俺のもんだ”っていう言葉は!!」
「……もしもし警察ですか?
ここに危険人物がいます。早く来てください」
「警察はダメだってーー!!
というか僕そんな発言した記憶がないからね!!
そもそも一人称常に“僕”だからね!?」
「くそッ……バレたか……」
「バレないと思ったのか?」
僕が一人称で“僕”を使わない訳は個人的に
似合っていないと思ったからだ。
森や織田は合っている気がするが何か僕が言うと
妙にしっくりこない気がする。
「察しの良いセンパイは……」
「そこでネタをぶち込んでこない!!」
「入れるなんて……センパイはエローー」
「そっちの話じゃない〜〜!!」
「……本当に警察呼びますか?」
「それは本当にダメ!!」



「じゃあね〜ななみん〜先輩〜」
「またね〜明里ちゃん〜」
「……はぁ疲れた」
有川さんと別れた後、僕と七海は七海の家までの
帰路を歩いていた。
「もうセンパイったら〜体力ないですね〜」
「……ツッコミって意外と体力使うの。
だから意外と疲れるんだ」
何せ今日はある意味七海が2人いた様なもんだし
尚更疲れた。
「大変ですね〜ツッコミ役も〜」
「ったく……誰のせいだと思っているんだよ」
「可愛い彼女に免じて許してちょ!!」
ガシッ
僕は無言で七海の頭を掴むと全力で力を込めた。
「痛い!! 痛い痛いって!!」
「わぁ〜たのしぃ〜」
「センパイが壊れた!? そして徐々に力が強くなって
いくのは気のせいでしょうかね!?」
「ぷしゅ〜」
「本当にセンパイが壊れた!!
ーーだから痛い痛い!! 何か頭から出ちゃいけない物が
出てきそうだよ!?」
「じゃあ出ろ」
「そこだけマジトーンだ!?」

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