部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

クリスマスの準備








年内の授業が終わり、クリスマスまであと数日となった
今日この頃、僕は七海とデートそしていた。
「ねぇ七海?」
「なんですかセンパイ?」
僕は隣で手を握っている彼女に尋ねた。
「七海はクリスマス何をしたい?」
「そうですね……高級ホテルでディナーをして
綺麗な夜景を見ながら愛を語り合うのはやって
みたいですね〜」
「……学生の身分でそれを求めますかね」
というかクリスマスって高級ホテルがある意味一番
混みそうな日だよね。
「だって高級ホテルでディナーしたい〜!!
夜景を見ながら愛を囁いて欲しい〜!!」
「駄々っ子かい……流石に今からじゃ厳しいかな……」
「そこをなんとか!! 大センパイの力で!!
ほら裏ルートとか使って……」
「七海にとって僕はそんな印象かい?」
まぁ確かに裏でこういうのをしてきたけどさ。
「まぁ半分冗談だからいいんですけどね〜」
「半分ってことはもう半分は本当ってことか……」
「そりゃ、全女性の憧れですよ〜!!
ーーいつかは叶えてくださいね?」
と小悪魔みたいに微笑む七海。
「ぜ、善処します……
とりあえず今年はどうする?」
「そうですね〜センパイの家で2人っきりで
パーティが一番したいですね!!」
「それでいいの? ほら、ディナーは厳しいかも
しれないけどさ、遊園地とかカップルが行きそうな
レストランとかあるじゃん? そんなんでいいの?」
「確かに遊園地とか高級ホテルでのディナーも
いいんですけどね……」
というと七海は僕に向かって優しく微笑み
「やっぱり大好きな彼氏と一緒に過ごすのが
一番いいと私は思うのですよ」
「そう? 僕の家でご飯だといつもと変わらないと
思うんだけどさ……」
そんなことなんてクリスマスという大切な日にする
必要はあるのだろうかと思っていると七海は僕の顔を
覗き込む様に見てきて
「何言っているんですか〜センパイは〜
いつも通りが一番いいんじゃないですか〜!!」
「えっ?」
「私はセンパイといつも通りの幸せに過ごせれば
いいですよっ!! こたつでセンパイの隣に座って
一緒にチキンとか美味しい物を食べれたらそれで
いいんですよ〜!!」
満面の笑みでその様に言われたら反論は出来ない。
まぁ元々僕も七海と一緒なら家でもいいと思っていたので
反論する気もなかったが。
「そう……ならそうしようか」
「はいっ!! ということでクリスマスの食事の
買い出しだぁ〜!!」
といきなり走り出す我が彼女。
相変わらず元気な七海に引っ張られ僕は困りながらも
幸せな気持ちになっているのだった。

「で、七海。何食べたい?」
「チキン!! ケーキ!! ポテト!! パスタ!! 
ローストビーフ!! ライスボール!!」
「多っ……」
というか何だ最後のライスボールって。
多分おにぎりだよね?
「あとおしゃれなシャンパン!!」
「お酒はダメ」
「むっ〜なんでダメなんですか〜!!」
と可愛らしく頬を膨らませる七海。
なお彼女は僕と1つしか歳が違わない。
普通20歳の人間がこんな風に怒っていたら変に思うが
七海だから許すのである。
「だって七海ってお酒弱いでしょ?」
「うぐっ……」
七海お酒にとても弱く、更に酔うといつも以上に
ハイテンションになってしまうため対応に困る。

……何が困るのかを説明すると

「えへへ〜どう私の胸は〜?」
ーーやや大きめの胸を押し付けてくる

「いやだぁ〜センパイはわたしとぉ〜
いっしょにいるのぉ〜」
ーーいつも以上に甘えん坊になる

「ねぇ〜センパイぃ〜キスしてぇ〜
おねがぃ〜ねぇ〜ってばぁ〜」
ーー更に甘え声で抱きついてくる

そのためこれらをされると僕の理性とか色々なものが
ピンチになる。
だから正直七海を酔わすのはとても怖い。
「あと、さっきの七海があげていた料理だけど
全部食べたら太るよ?」
「うぐっ……せ、センパイはこんな可愛い彼女を
いじめて楽しいんですか!?」
「うん、楽しい」
「えぇ!? でも……センパイにいじめられるのも
いつもと違っていいかも……えへへ〜
もっといじめて!!」
「君は変態か!?」
「だっていつも優しいセンパイが私をいじめるんですよ?
興奮しないわけないじゃないですか!!」
と鼻息を荒くして力説する七海。
「私を怯えさせて……言葉でいじめて
態度でいじめて……ハァハァ……
想像するだけで興奮が収まりません!!」
「いや収まって!? だってここ
周りの人いるからね!?」
「ゴ〜マイ〜ウェイ〜!!」
「使い方完全に間違っている!!
明らかにここで使う言葉じゃない!!」
「お願い……いじめて?」
「頼むからここでそんな言葉言わないで!?
周りの人達の僕を見る目線が痛いからさ!?」
周りの人達は僕を完全に不審者を見る目で見ていた。
……理不尽すぎて泣きそう。
「よしっ!! ここまですればセンパイも私をいじめて
くるよね!! 作戦大成功〜!!」
「……夜飯抜くぞ、こら」
「あっ、そのいじめは勘弁してください。
それされると私本気で泣きます」
「注文が多いな君は!?」

なんて会話をしながらクリスマスの食事の買い出しを
していくのであった。






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コメント

  • ペンギン

    相変わらず七海は可愛いですねぇ〜w羨ましいです国木田先輩が...

    2
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