部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

年末の予定


久しぶりの更新となります。






「ねえねぇセンパイ〜?」
「ん? どうしたの?」
僕の膝に可愛らしく頭を乗せている七海が
何か思い出したように言ってきた。
「センパイって年末どうしますか?」
「僕かい? 僕はね……家かな」
だって両親は色んな場所飛び回っているから
年末であっても殆ど会う機会は無い。
「そう言えばお義父さんやお義母さんって
色んな場所に行っているんでしたね」
「……なんか今若干だがイントネーションが違った
気がするんだけど気のせいかな?」
「気のせいですよ〜細かい事を気にしていたら
将来ハゲますよ?」
「うるさいわ、何なら今すぐ僕は自分の膝を
七海の頭の下からどかしてもいいんだけど」
「いやだ〜離れたくない〜!! 私のベストポジションを
とらないでよ〜!!」
と僕の膝にしがみつく七海。
「君のベストポジションなんて知らないよ……」
「あっ、ちなみにセンパイのベストポジションは
私の胸ですからね」
「何それ初耳なんだけど!?」
というか僕はそこまで変態ではない!!
「いや〜照れなくていいんですよ〜?
私の胸は柔らかくていいでしょ〜?
いつまでも触っていたいですよね?」
「あのね……」
ちなみに七海の胸の柔らかさはしょっちゅう
僕の背中に抱きつききたり、腕を絡ましたりして
知っている。
……まぁ、実際に直接触った事もあるけど。
「私のは凛子程大きくないけど
形には自信あるんですよ〜?」
「……いらない情報ありがとう」
七海のが形がいいのも知っている。
……何せ見たことあるし。
僕は恥ずかしくなり、七海から目線を逸らした。
「あっ、目逸らしましたね?
今私で変な想像したんだぁ〜
ーー今日やっちゃう?」
「……うるさい。で、七海は年末どうするの?」
「次は話を逸らしましたね」
何故かこういう時だけ勘が鋭くなる七海。
「はいはい、でどうするの?」
「私はセンパイといたいんですけど……
両親、特に父親が帰ってこいって」
「あぁ納得……」
七海のお父さんは七海をとても溺愛している。
僕が七海と付き合い始めた頃なんて
まぁ……荒れたもんだ。
「まぁお父さんの意見なんて無視すればいいんですけど
ーーなので私は年末もセンパイの隣にいます!!」
この瞬間、七海のお父さんの大号泣が半ば決まった。
「お父さん絶対泣くパターンだよそれ。
年に数回しか会えないんだから行ってあげな?」
「でも……センパイと会えない……寂しいよ」
といきなり寂しそうな顔をする七海。
この子は見かけによらす結構な寂しがり屋だ。
「七海、僕も君と会えなくて寂しいけどさ
大学に通わせてもらっているのって七海のご両親の
おかげなんだからさ」
「でも……私寂しいよ……」
「大丈夫だって、僕はここで待っているからさ」
「嫌……私はセンパイと一緒にいるの」
「七海……」
今日は随分ワガママだなって思っていると
「ん? 待って……センパイと離れて寂しいなら……」
「あっ、これ凄く嫌な予感がするぞ……」
僕の直感が告げている。
七海は絶対ロクな事を言いださないと。
「分かった〜!!
ーーセンパイも一緒に行けばいいんだ〜!!」
「はぁ!?」
「離れるのが寂しい……なら離れなきゃいいじゃない!!
あぁなんでこんな事思いつかなかったんだろ……
一緒に行けばいいんだよ!! 
ーーという事で一緒に」
「行かないわ!!」
「えぇ〜何でですか〜!! センパイは愛しの彼女と
離れるのが寂しくないんですか!?」
「寂しいけど何でそうなるのさ!?
第一、君のご両親がそれを許すはずが……」
「もしもしお母さん、七海だよ〜」
「電話早っ!?」
僕が1人でツッコミを入れているうちに
七海は自宅に電話をかけていた。
「実はさセンパイと一緒に帰りたいんだけど……
えっ? いいの!? ありがとう〜!!」
「許可の申請早っ!?」
「じゃあ29ぐらいに帰るね〜
……えっ? 孫はって? ま、まだ早いよ〜!!
でも婚姻届はいつもストックしているからね!!」
「待って何それ聞いてないんだけど!?」
というか婚姻届ってそんな何枚もストック
出来るものなんだろうか。
「大丈夫だって!! お母さんの教えてもらった通りに
色々とアプローチしているって〜
……何々、次は……えっ!?は、裸エプロン!?
う、うん頑張るね!!」
「黒幕はあんたか!?」
というか娘に変な事吹き込むなよって思うのは
僕だけだろうか?
「うん、じゃあまた近くなったら連絡するね〜」
と言って電話を切る七海。
「さてセンパイ、エプロ」
「させねぇからな!?」
「まさかセンパイ私の思っている事を
読み取ったんですか!?」
「さっきの会話が丸聞こえで何をしようか
全部筒抜けだったよ!!」
「おぉ……流石センパイですね
と言う事でエプロンを……」
「貸さないよ!? というか前から言おうと思って
いたんだけど君のお母さんは娘に何吹き込んで
いるのさ!?」
「知ってますかセンパイ?」
「……試しに言ってみな?」
「親と子供は性格が似るという事を……!!」
「だろうな!?」
多分君とお母さん程似ている親子はそうそう
いないだろうけどね。
なんて思いながら僕は年末に彼女の家に
行く事になったのであった。





もしよければ最近書いた短編も
お時間があったら読んでみてください。
近々どれか連載しようかなと思っています。
どれをするかは迷っています・・・

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