部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

こちらの日常は


今回は凛子視点です






それは年末が迫ったとある日……
「う〜ん難しいな〜」
「何がよ、七海?」
私がそのように聞くと我が親友、平塚七海は
「センパイをもっと私に惚れさせる方法が分からない」
と真面目な表情で言ってきた。
「……貴方に割いた数秒が無駄になったわ」
私はため息をつきながら、そう呟いた。
「ちょっと凛子〜ため息つかないでよ〜!!
私にとっては重要な問題なんだから〜」
「貴方にとっては大事であっても私にとっては
全く関係がないんだけど。
というか私達今レポート書いているんだよね?」
「あぁ〜そうだった〜!! これも難しい……」
今私達は学食で授業のレポートを書いている。
年末が近い事もあってレポートの提出があったりする。
そして私達は大体授業が同じなのでレポートの論題も
大体同じだ。
だからこうして一緒にレポートを書いている。
書いているのだが……
「ねぇ凛子〜森先輩ってどんな感じ〜?」
「ど、どんな感じってどういう意味よ……」
「だから〜デートの時とか〜2人きりの時とか〜
あの森先輩がどんな感じなのかな〜って」
「い、いつも通りよ……七海が見ている時と
同じ感じよ……」
流石に恥ずかしくて言えない。
「えぇ〜センパイだって私といる時だって
みんなの前とかなり違うのに森先輩も
変わるって絶対〜」
「七海……ほら手が止まっているわよ」
「私は大丈夫だよ〜」
「何で?」
「だってもう終わったし」
「貴方は一体何なの!?」
そうだ。
七海はああ見えて容量がとてもいい。
まともに出来ないのが家事と運動ぐらいだ。
それ以外は大体容量良くこなしている。
「だって今回のレポートの内容って結構簡単じゃん〜
ちなみに凛子はどれを選んだの〜?」
「私は2番だけど……」
今回のレポートは複数の問いがあり、その中で
1つ好きな問いを選ぶ形式だ。
「私は1番を選んだけど……2番なら
こうやって……ここを……こうすれば……」
と七海に教えてもらった通りにやると
何故か綺麗にまとまった。
「本当だ……まとまった」
改めてこの親友の謎さを感じた。
「でしょ〜じゃあまとまったから……
ーー森先輩の惚気を聞かせてよ〜!!」
「やっぱりこうなるの!?」
「だってせっかくレポート終えたんだから
女子トークしようよ〜!!」
「えぇ……貴方って人は……」
「いいじゃんいいじゃん〜!!
女子大学生トークしようよ〜!!」
「……はいはい、分かったわよ」
結局私が折れた。
「じゃあお互いの彼氏のステキなところ言い合おうよ!!
センパイはね〜料理がとっても美味しいんだよ〜
いや〜本当に美味しいんだよ〜!!」
「あぁ〜それは見てて分かるわ……」
国木田先輩が作る料理は全部美味しかった。
あの腕前は私が軽く自信を失くしたぐらいだ。
あの先輩の料理を毎日食べれる七海は
少し羨ましい
(いつか結城先輩に愛情がこもった料理を……)
「あわわ……」
「あ、あれ凛子さん……? どうしたのかしら……?」
「結城先輩に愛情たっぷりの料理を毎日作って……
会社に行く前にはいってきますのキスを……」
「ほうほう、キスとはね〜」
「……ッ!?」
そう言えば七海が目の前にいた事を忘れていた。
「中々上手くいっているようでお母さん嬉しいよ〜」
「……貴方は私のお母さんではないでしょうが」
「じゃあさ森先輩のステキなところ教えてよ〜」
「ゆ、結城先輩のステキなところ……!?」
(そんなの1つに絞りきれないわよ……!!)
私にとってあの先輩はとてもカッコいい。
未だに私なんかが付き合っていいのか分からない。
顔、スタイル、声、性格等
挙げようと思えばいくらでも挙げられる。
中でも私が1番カッコいいと思うのが
「……頑張っている姿かしらね」
「うんうん、詳しく教えて」
「女性と付き合った事が無いからなのかもしれないけど
色々と頑張っている姿かしらね……」
私と付き合うようになってから服装とか話し方を
ちょっとずつ頑張っている。
あの姿は見ていてとてもカッコいい。
「あんな姿見せられたら私が困るわよ……本当に」
「凛子って本当に結城先輩にベタ惚れだよね〜」
「う、うるさい……ねぇ七海」
「ん〜? 何〜?」
「貴方って自分が釣り合っているって考えた事ある?」
「私〜? 何で?」
「……私が結城先輩に釣り合っているか毎日不安」
あの先輩は日々自分を変えようと頑張っているけど
私はあまり変わっていない。
何よりもあの先輩はかっこよくて私よりも隣に
相応しい人がいるんじゃないのかって思う。
「ねぇ凛子〜」
「何かしら?」
「その人が相応しいって誰が決めるのかな?」
「えっ……」
「それって誰が決めるの? 友達? 周りの人?
もしくはそれ以外の人なのかな?」
「……分からない」
「それを決めるのは森先輩でしょ?
周りがどうこう言うよりも本人だよ本人」
と笑いながいう七海。
「そう、かしら……」
「流石に余程悪い人なら止めるけどさ
凛子はとても良い子だから大丈夫じゃない?」
「森先輩が“俺に相応しくない”って言ったの?」
「言われてないわ……」
「なら大丈夫!!自信もってよ〜!!」
そして不思議なことにこの子に言われると
自信が出てくる。
「……はぁ」
「あれ、いきなりため息!?」
「いや、ありがとうね七海」
「あら? どういたしまして?」
「まったくもって不満だけど……
七海に相談したら胸のつっかえが取れたわ」
「ねぇねぇ凛子それ酷くない?
ねぇ日頃の恨みとかが溜まっていたんだよね?
そうだよね? そうだよね?」

私はこれからあの先輩に相応しい彼女になれるか
分からないけど頑張って努力していこうと思う。
(私なりに頑張ってみますから……
結城先輩、これからもお願いしますね)



「あっ、でも凛子は胸に大きな武器があるんだから
大丈夫だよ!!」
「……」
やっぱり相談相手まちがえたかしら……
なんて思う私だった。










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