部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

がおがお・・・



今回はタイトルで察すると思いますが
またあのグッズが出てきます笑




「センパイ可愛い〜」
「……」
「いや〜これをチョイスした私すごいわ〜
神だわ〜やっぱり彼女だわ〜」
「……」
「センパイ〜いつまでもムスッとしてないで
笑ってくださいよ〜」
「……いや七海、普通笑えないからね?」
「もう照れちゃって〜可愛いですよ〜」
「何で僕は怪獣の着ぐるみを着ているんだ……」
そうなのである。
僕は今、前に七海が着ていた怪獣の着ぐるみを
着せられている。
そこに至った経緯は……

→七海にせがまれる

→拒否をする

→駄々をこねる

→改めて拒否

→必殺の上目遣いでのお願い

→抵抗を諦める

という恒例の流れがあり、今に至る。

別に着ぐるみの着心地に文句は無い。
元々フリーサイズというのもあり、七海より身長が高い
僕が着ても何も問題は無い。
だが……
「ふぁ〜センパイ可愛い〜!!」
「はぁ……」
僕は今日何度目か分からない深いため息をついた。
さっきから七海は見て分かるようにテンションが
異常に高い。理由は僕だろう。
「七海、こんな野郎の着ぐるみ姿を見て
そんなにテンション上がるかい?」
「何を言っているんですか!!
こんな可愛い彼氏の姿を見てテンションが上がらない
彼女がいますか!? いやいませんよね!!」
「いや、知らんがな……」
というか可愛い彼氏の姿って何だい?
そもそも彼氏に可愛いって普通使うのかい?
「ねぇねぇセンパイ〜がお〜って言って!!」
「えぇ……」
「言ってよ〜せっかく怪獣の着ぐるみ着てるんですから」
「正確には着せられているけどね……」
「そんな細かいことはどうでもいいんです!!
さぁさぁ言って言って!!」
「マジで……」
「うん、マジで!!
ダメ、かなセンパイ?」
と七海の必殺技、上目遣いからのお願い!!
「はいはい……やればいいんだろ……やれば」
結局僕が折れた。
「わ〜いセンパイ!!」
目に見えて喜ぶ七海。
というか読者の皆さんはお分かりだと思うが
僕は七海にかな〜〜〜り甘い。
それはもうだだ甘いだ。
七海の要望は大体認めてしまう。
というか彼女からの願いを拒否した事は殆ど無い。
それぐらい彼女には甘い。
「はぁ……」
「どうしたんですかそんな深いため息をついて」
「いや、何でも無いよ」
ただ君のこれからに多少頭を痛めてただけだよ。
「ん〜? まぁいいや
じゃあセンパイお願い〜!!」
「……が、がお〜」
「ふぁ〜〜〜!! めっちゃ可愛い〜!!
こんな可愛い怪獣なら毎日来て欲しい!!
何なら飼いたい!!」
とても目をキラキラさせている七海。
「……はぁ、死にたい」
僕は頭を大きく垂れた。
「もう一回!! もう一回やって!!
次は私の日々の癒し用に録音するから!!」
「するか!? というか癒し用って何だい!?」
「そんなの決まっているじゃないですか!!
私の日々の癒しに使わせていただきますよ!!」
「もっと他で癒しを取りなさいよ……
まさかだと思うが他の僕の声とか録音してないよね?」
「い、いやですね〜そんな事するはずが……」
と目を逸らしながら話す七海。
「完全クロだな」
今の反応で分かった。
多分裏で樋口さんや与謝野さんが協力してるだろう。
「あ、あれ〜センパイ?」
「さてちょっと七海のパソコンをいじるか」
「ちょっとセンパイ!? 私のおた……じゃなかった
私のトレジャーを勝手に見ないでくださいよ!?」
「言い直しても同じ意味だからな!?」
「しまった、迂闊だった……
センパイやりますね〜」
「いや君がバカなだけだと思うよ……
とりあえず怪獣らしく暴れるか」
「あっ、これなんかデジャブ感あるな」
「じゃあ七海
ーー手加減しないからね?」
「ぎゃあーー!! 怪獣クニキが暴れ始めた!!」
「誰が怪獣クニキだ!?」

と僕はひとしきり怪獣らしく?暴れた。
「きゅう〜〜倒された……」
「君は何をしているんだい……七海」
何故か怪獣の僕が七海を倒したという奇妙な状態に
なっていた。

えっ?七海に何をしたって?
そりゃ怪獣らしく暴れただけだよ?
ーー怪獣らしくね?






近いうちに新章に入ります。


コメント

  • ミラル ムカデ

    「がおがお」って甘い言葉だったっけ?

    5
  • A・L・I・C・E

    「がおがお!」(甘いなこの作品!)

    4
  • Yori

    「がおがお」祝再来w!

    4
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